AKBのイスラム化①インドネシアのJKT48はミニスカートでいいの?

 

2月12日まで、タイのバンコクで「ジャパンエキスポタイランド」が開催されていた。
日本文化を紹介するイベントとしては、これがアジアで最大級のものになる。

2017年は日本とタイの修交130周年という記念すべき年で、主催者のホームページでは、3日間で40万人もの入場者を見こんでいた。

日本とタイ(シャム)は、1887年に修好通商条約を結んでいる。

本条約の規定の1つに、日本人の法律や教育、養蚕の専門家をサイアムに派遣させ、国の発展を支援することが含まれていました。日本の影響は、タイの基盤構築に貢献したのです。

タイ日関係

タイが憲法をつくるときに、日本人が助言をしていた。

 

今でも日本はタイの発展に貢献している。

これは、日本の協力によってバンコクの地下鉄がつくられたことを知らせるプレート。
韓国にもこういう態度があれば、今みたいな険悪な仲にはならなかったのに。
残念無念。
それはさておき、「タイでも大人気」というピコ太郎もこのジャパンエキスポに参加している。

それでタイでのピコ太郎人気をバンコクに住むタイ人の友だちに聞いてみた。
で、こんな返事がきた。

はは〜
2ヶ月前ぐらいとても人気だったよ
ピコ太郎はタイに来るの?
僕はわからない

「2ヶ月前ぐらいとても」というところに、まだまだ日本語をがんばって勉強する余地がある。

外国人にとっては、「~に」「~には」といった助詞が難しいらしい。
このタイ人を車に乗せていたとき、「そこの信号に左です」と言われて一瞬ワケがわからなくなって、信号をすっ飛ばしたことがあった。

ちなみに「はは~」という日本語は、台湾人がよく使う。

でも、日本に関心があってバンコクに住んでいるタイ人でも知らないのか。
ジャパンエキスポって、タイであんまり知られていないのかな?

 

タイのBTSの車内

 

このジャパンエキスポでは、AKB48も参加している。
さらにこの場で、タイのAKBにあたる「BNK48」が登場した。

タイランドハイパーリンクス(2017年2月12日)にそのことが書いてある。

BNK48お披露目!AKB48のライブステージで「JAPAN EXPO THAILAND 2017」

またサプライズとして、メンバー募集オーディションで選出されたAKB48の姉妹グループ・BNK48ー期生たちがステージに登場。大きな歓声で迎えられ、「BNK・BNK」と声援コールも発生。今後のAKB48とBNK48のタイでの活躍が、ますます楽しみにな
ってきました。

さてさて、BNK48がタイで成功するんだろうか?
そのためには、日本のAKBがタイの社会で受け入れるように、現地化しないといけないはず。

日本人の価値観や感覚に合ったAKBを、そのままタイで「再生」するだけではダメだろう。

 

タイの「おいしい緑茶」
言うほどおいしくない。

 

AKB48は海外初となる姉妹グループとして、インドネシアのジャカルタでJKT48をつくっていた。

個人的に興味があったのは、「日本生まれのAKB48がインドネシアでどう変わるんだろう?」ということ。

インドネシアは世界最大のイスラーム教の国。
イスラーム教というと中東(アラビア)のイメージが強いけど、イスラーム教徒の人口がもっとも多い国はインドネシア。

 

でもマレーシアとは違って、インドネシアではイスラーム教が国教にはなっていない。

JKT48がインドネシアで受け入れらるためには、インドネシア人の価値観や社会に合ったものへと変わるはず。
いってみたら「AKBのインドネシア化」または「AKBのイスラーム化」といった変化があるだろうと思った。

ということで、今回と次回でそのことについて書いていこうと思う。

 

「インドネシアにAKB」と聞いて、まっ先に思い浮かんだ疑問はこれ。

「イスラーム教徒の多いインドネシアで、AKBみたいに肌を出していいの?あんなミニスカートをはいても大丈夫なの?」

イスラーム教徒の女性というと、体を覆(おお)う服を連想する人も多いと思う。
イスラーム教徒がどんな服を着ていいかのは、クルアーン(英語読み:コーラン)によって決められている。

ウィキペディアによると、クルアーンには次のような文があるという。

「女子の信者にはこう言え。目を伏せて隠し所を守り、露出している部分のほかは、わが身の飾りとなるところをあらわしてはならない」

クルアーンには他にも服装規定について記述があるけど、クルアーンの言葉の解釈は国や人によって違う。
だから同じイスラーム教徒でも、国によって姿かっこうに大きな違いがある。

中東のイスラーム教徒は、全身を覆うような服を着ている人が多い。
イエメンのイスラーム教徒の女性はこんな服を着ていた。

 

IMGP4992

 

ふつう、イスラーム教徒の女性は写真を撮らせてくれないけれど、この人はOKだをしてくれた。
珍しい。
こんなふうに、目だけを出す服を「ニカブ(ニカーブ)」という。

 

次は、イスラーム教徒のインドネシア人女性。
髪を「ヒジャブ」で隠している。
それ以外は一般の日本人とあんまり変わらず、ジーンズをはくこともできる。
ミニスカートはマズいか。

 

 

アフガニスタンに多いのがこの「ブルカ」。
目まで隠している。

Burqa_Afghanistan_01

ウィキペディアから

イスラーム原理主義のタリバーンが政権をとっていたとき、アフガニスタンの女性はこのブルカの着用を強制されていた。

「ブルカを着ないと、天国には行けない」という考えもあったという。

好色な目つきで女を見る邪悪な人々の関心を引くようなことをしてはならない。

外出する必要がある時には、イスラム法シャリアの定めに従って、全身を覆わなくてはいけない。
流行の恰好をし、華美で体の線が見える、蠱惑的な服を着て人の気を引く行為は、イスラム法シャリアにとって断罪される。そのような女は天国に行くことができない。

(カブールの本屋 イースト・プレス)

 

こんなふうに、イスラーム教には肌の露出には厳しいルールがある。
そんな国で、AKB48のようなミニスカートをはいて踊ることができるんだろうか?

と思ったら、やっぱりそれはできないらしい。
「LoGiRL」というサイトにそのことが書いてある。

このサイトの記事で、JKT48の支配人とキャプテンがこれまでの4年間のできごとや苦労などを話している。

「肌の露出」に関しては、インドネシアは日本よりはるかに厳しい。

キナル いくつか日本と違う点はあります。たとえば宗教が厳格で、AKB48みたいに肌を露出することはできないですし、ビキニも着れません。でも一生懸命に歌って踊ることや、ファンの方との交流できることは変わりません。

劇場支配人とキャプテンが4年間を振り返る

これも「AKBのイスラム化」の1つ。
インドネシアでは、日本のAKBのようなかっこうは許されないみたいだ。

 

 

「体のどこを隠すか?」という考え方は、国によって違う。

言いかえたら、「体のどこを出すのが恥ずかしいと感じるのか?」ということ。

インド人の女性のばあい、へそを出すのは平気だけど足を出すのは恥ずかしいと言っていた。
だから日本に住んでいるインド人に話を聞くと、日本の女子高生のようなミニスカートは考えられないという。

 

西洋化の進んでいる大都会の「ムンバイ」でなら足を出した女性がいるけど、インドの田舎だったら絶対に許されないらしい。

話を聞いたインド人は、こんなことを言っていた。

「インドの田舎で若い女性がミニスカートをはいていたら、村人や親戚一同から袋だたきにされますよ」

これは笑いごとではなくて、本当に半殺しにされるらしい。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。