日本の企業で働いていて、日本に3年以上住んでいる男女2人の台湾人と会って話をした。
なので、今回はその内容を紹介しよう。
*これは今後の記事のためのメモなので、短く要点を書いてきます。
◯カレンダーについて
・台湾では「算命」という占いがある。
カップルが算命の占い師に、生年月日などから結婚にふさわしい日を選んでもらうことはよくある。
*日本では六曜の影響が強く、「大安」は縁起が良いからその日に結婚式を挙げ、「仏滅」の日は避けるという傾向がある。
六曜は中国から伝わった文化なのに、現在の台湾では使われていないらしい。
台湾では農暦が使われていて、正月など伝統行事を行う日はこのカレンダーによって決まる。
ある台湾人のスマホ画面
◯漢字の違い
・台湾では妻や新妻を「老婆」と呼ぶ。
・「峠」や「躾」は日本で作られた独自の漢字だから、台湾人や中国人にはわからない。
・日本では「蒙古」という言葉について、特にモンゴルの人たちの間で侮辱や差別的な言葉とする見方がある。台湾でも「蒙古」は使われているけど、そんな話は聞いことがない。
*猛虎魂はOK、蒙古魂はNG。
◯学校旅行
・学校の旅行で太魯閣(タロコ)国立公園へ行った。
ここは台湾の学校旅行でよく行く定番スポット。
でも、最近あった地震でいろんなところが崩壊したから、今は入ることができない。
学校旅行では、ほかにも日月潭や台湾で最南端の海辺へ行った。
*太魯閣は山や滝、美しい渓谷を楽しめる台湾の絶景スポットで、日本統治時代に、「次高タロコ国立公園」として整備されたことがはじまり。
太魯閣を描いた日本の切手(1941年)
◯歴史について
・日本には世界で最も古い木造建築物の法隆寺があるし、「長い歴史や伝統を持つ国」というイメージがある。
それに比べると台湾は新しい。
いまの台湾の歴史は17世紀に、中国から鄭成功がやって来て、オランダ勢力を駆逐してはじまった。(鄭氏政権時代は1662年 – 1683年)
*鄭成功は、異民族である清に滅ぼされた故国・明を復興することに生涯を捧げ、台湾と中国で英雄視されている人物。
しかし、明を再興すること(反清復明)はできなかったから、その意味では“名前負け”している。
彼は中国と人と日本人のハーフで、長崎で生まれた。田川福松という日本人名も持っている。
台湾の歴史については、オランダ統治時代(1624年 – 1662年)をはじまりとする説もある。(台湾の歴史)
・台湾で、京都のような古都といえば台南市がある。
鄭成功は台南市のあたりを拠点としていたし、台湾でいちばん古い建物は台南にあると思う。
*調べてみると、台湾で最古の建築物は北部にある「紅毛城(こうもうじょう)」らしい。これはスペイン人によって1628年に建てられた。
台南にある、1653年にオランダ人が建てた要塞「赤嵌楼(せきかんろう)」も最古級の建物だ。
◯グルメについて
・豚のスペアリブ(骨付きばら肉)をパイコ-(排骨)という。
台湾でパイコ-は大人気で、麺や米にのせたり、弁当の具材に使われたりする。
台湾のソーセージは日本のものと違って、独特の甘さがある。
◯日本で生活していて感じる不満
・日本にある台湾料理店の食べ物は日本人向けにアレンジされていて、台湾と日本の味を混ぜたような中途半端な味のものが多い。それだと台湾人としては物足りなくて、心から満足することができない。
・中国人が経営しているのに、看板に「台湾料理」とアピールしている店には腹が立つ。
・自分は中国人ではなく、台湾人だと思っている。
日本では、在留カードの出身欄に「台湾」と登録することができる。でも、結婚する際に提出する書類には、その欄を「中国」と記入しないといけない。
これが残念。
> 日本では「蒙古」という言葉について、特にモンゴルの人たちの間で侮辱や差別的な言葉とする見方がある。台湾でも「蒙古」は使われているけど、そんな話は聞いことがない。
そりゃそうでしょう、日本語にはカタカナがあるから。「蒙古」から「モンゴル」へは、単語としての意味・読みはそのまま、文字を変えるだけで済みます。
台湾では漢字しか使われてない訳ですから、同じ意味と読みを表すために、別の漢字を持ってこなくちゃならない。しかも漢字は、カタカナ・ひらがなに比べれば、外国人には使いこなすのがとても難しい文字です。同じ単語を意味する同じ読みの漢字を見出そうにも、モンゴル人にとってそれはとても難しいでしょう。
こうなったらアルファベットにでも置き換えたら?
台湾でも時代とともに言葉も変わっていますよ。