ルール厳守に正直さ 中国人が日本人を信頼するポイント

 

これは朝から良いニュース。
パリ五輪で体操の男子団体決勝が行われ、日本が1位だった中国を逆転し、金メダルを獲得。
ただ、この快挙が実現した要因には、中国選手が鉄棒で2度も落下するという致命的なミスがあったから、ネットでも中国選手を気遣う声が多かった。

・中国のアイツが心配になっちゃう
・昔の中国からじゃ考えられんミス
・余裕の金だった中国さん、まさかの2回落下
あの選手かわいそうだったな、さすがに

 

パリ五輪の体操というと、直前で喫煙と飲酒が発覚し、日本代表チームから外されて緊急帰国した19歳の女子選手が頭に浮かぶ。
この出来事があった後、日本に住む中国人と会う機会があったので、意見を聞いてみた。
すると彼はまず、

「日本では18歳で成人になりますよね? なのに、酒とタバコは20歳になってからっておかしくないですか?」

と日本の法律を批判する。日本の事情をよく知っているな。
もし、中国代表チームで同じことが起きたらどうなったと思うか尋ねると、

「金メダルを獲れそうな有力選手なら、そのスキャンダルを隠して競技をさせたでしょうね。中国なら、国威発揚や国家の名誉が優先されると思います。それを考えると、日本人の正直さは改めて立派だと思いますよ。」

と日本をほめて、「でも、あの女子選手のメンタルは大丈夫なんですかね」と心配していた。
彼は前々から、日本人は中国人よりもルールを厳しく守るが、その反面、規則にこだわりすぎて、人間味が薄いと感じていた。
この中国人から見ると、今回の出来事には、日本の良いところと悪いところが同時に表れている。
日本人のルール厳守や正直さに感心する彼を見て、10年前に聞いた中国人の話を思い出した。

 

2013年に、浜松の有名ホテルが地元の食材を使って作る『遠州カレー』を売り出したが、「産地偽装」が発覚し大問題になった。
牛肉については浜松産のものを使い、じゃがいもと玉ねぎに関しては、仕入れがむずかしくなると、国内の別の地方でとれたものを使っていたらしい。
ホテル側はホームページに謝罪文を公開し、『遠州カレー』を食べた人には返金することにした。

当時、浜松市にいた中国人女性がこれに衝撃を受け、

「遠州産の牛肉はずっと使っていて、不足したときに、国内の別の野菜を使ったってことでしょ? それが『産地偽装』で返金までするなんてビックリ。中国産のウナギを日本産と偽ったら『産地偽装』になる。でも、日本人はそれぐらい正直だから、信頼できるのだけど。」

と軽く自国をディスりつつ、日本人の誠実さを称賛した。
日本人がルールに厳格なことや公平な態度をとっているのを見て、中国人が拍手を送ることは10年前と変わっていない。
ただ、これが彼らの不満の原因にもなる。

 

 

中国を旅行中、洛陽で格安の羊肉の串焼き(上の写真)を売っている屋台を見つけ、すぐに飛びついた。
しかし、次の日に会った日本語ガイドに話すと、「それはとても危険ですから、もう買ってはいけません」と釘を刺される。
そうした屋台は看板に高級肉の「羊肉」と書いて人を集めるだけで、実は羊の肉なんて使っていない。その肉は豚や鶏でもなく、きっと薬剤や病気で死んだ動物の肉だろうと言われ、言葉を失った。
「羊頭狗肉」という言葉が生まれた国は悪行のスケールが違う。

危険③中国旅行での注意:日本の社会との違い、偽物のスケールが違う

中国の人たちが日本人の遵法精神や実直さを高く評価する背景には、常に警戒心と猜疑心で武装しなければならない祖国の厳しい現実があるはず。

 

 

中国 「目次」 ①

中国 「目次」 ②

中国 「目次」 ③

中国との違い③日本人の強み「変える力」唐の着物を日本の文化

歴史の違い。日本にあって韓国や中国にないもの。幕府と天皇!

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。