日本はドイツと違って、世界で唯一、ユダヤ人を保護した国

 

1日遅れてしまったけれど、きのうは9月15日だったので、今回はナチスと日本の考え方の違いについて書いていこう。
戦時中、日本とナチス・ドイツは同盟関係を結んでいて、そろって敗戦国となったから、同一視されることも多いが、人権に対する考え方はまったく違った。
ご先祖の名誉のためにも、日本人として、その違いはしっかり理解しておいた方がいい。

 

1935年9月15日、ナチスがニュルンベルク法を制定し、ユダヤ人の公民権を奪い、法的に“二級市民”と定めた。
国民としての基本的な権利を剥奪されたユダヤ人は、こんなみじめ生活を送らなければならなかった。

「公園や歩道に入ることも禁じられ、公園のベンチには白い文字で、『ユダヤ人は使用禁止』と書かれてありましたし、店には『ユダヤ人には肉を売りません』とか、『ユダヤ人のための品物はありません』などと大きく張り紙がされました」

「映画館や劇場への出入りも禁じられました。言い換えるなら、墓地だけが唯一くつろげる休息の場だったのです」

ソース:『アウシュヴィッツの地獄に生きて (朝日選書) ジュディス・スティンバーグ ニューマン』

また、ナチスは「ドイツ人の血と名誉を守るため」、ニュルンベルク法によってドイツ人とユダヤ人の結婚を禁止した。
ナチスの人種差別的な発想では、ユダヤ人の血は汚れているため、混血すると高潔なドイツ人の名誉が失われてしまうらしい。
この後、ユダヤ人に対する迫害はさらに厳しくなっていき、ヒトラーは彼らが存在することさえ許さず、ユダヤ人を絶滅させることにした。その決定のもとに、アウシュヴィッツ強制収容所などが建設され、ホロコーストが行なわれ、600万人のユダヤ人が殺害された。
1935年9月15日は、ハーケンクロイツの旗が正式にドイツ国旗になった日でもある。

 

ナチス・ドイツは同盟関係にあった日本に、何度もユダヤ人を迫害するよう要求したが、日本はそれを拒否。それどころか、当時、外務省は東南アジアの大使に対して、ユダヤ人がいたら保護するよう指示を出していたのだ。

産経新聞の記事(2023/1/29)

専門家は、世界で反ユダヤ主義が広がる中で日本は難民を保護し、計約4万人のユダヤ人が生き延びたと指摘している。

日本、東南アジア占領地でユダヤ人保護 英傍受公電で裏付け

 

ニュルンベルク法でユダヤ人を法的に「劣等民族」と決めつけ、後に虐殺したナチスと対象的に、日本は人種平等の原則を尊重し、ユダヤ人を排斥しなかった。日本は、ユダヤ人保護を国策として宣言した世界で唯一の国だった。

上の記事の中で、『日章旗のもとでユダヤ人はいかに生き延びたか』(勉誠出版)の著者でイスラエルのヘブライ大学名誉教授、メロン・メッツィーニ氏は、日本がホロコーストを行ったドイツとは全く別の政策を取ったことを指摘し、こう述べている。

「日本国内、満州(中国東北部)、上海や日本が統治した東南アジアやオセアニアなどの地域で合計約4万人のユダヤ人が迫害されず、生き延びた事実は、日本国内、海外でほとんど知られていない。」
「日本政府、日本人の態度は公平で人道的だった。この事実は重要で、過小評価されるべきではない。」

 

この産経新聞の記事にネット民の感想は?

・国際連盟で、人種差別撤廃を提案した国だからな
・河豚計画とはまた違うのか
あれは満州だったけど
・対外的には渡来禁止、実情は変わらず保護。
この事実は広まって欲しい。
・日本人は人道的であった証拠だな
・「なんとかして日本を貶めねば!」

 

インドネシア人なら、きっと誰もが知っている日本語に「労務者」がある。
戦時中、日本軍はインドネシアで人びとに過酷な労働をさせ、現代のインドネシアの歴史教科書には「ロウムシャ」という言葉とともに、その歴史が紹介されている。
日本軍が東南アジアで、現地の人たちに苦しい思いをさせたことは間違いない。しかし、東南アジア各国は歴史は歴史として考えていて、現在は親日的で、日本に謝罪や賠償を要求することはない。
それと同時に、日本はナチスとは反対に、国策としてユダヤ人の保護を宣言した世界で唯一の国でもある。
日本人として、過去の日本がした良いことも悪いことも知っておいた方がいい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。