この前、日本に10年以上住んでいて、日本語がペラペラの40代のアメリカ人男性と話をしたので、これからその内容を紹介しよう。
ーーことしの11月にはアメリカで大統領選挙があって、いまハリスとトランプが争っている。あなたの推しはどっち?
そりゃ、ハリスだね。
いいか、トランプは中国とロシアを支持している。だから、彼が大統領になったら、アメリカは“そっち寄り”になって、日本にも悪い影響が出ると思うぜ。
ーーこの前、友人のドイツ人が日本に旅行に来て、すしを食べまくったと言ってた。
海外で人気の日本食といえば圧倒的にすしで、二番目がわからないほど。すしが外国人に支持されている理由はおいしーだけでなく、ヘルシーだからと聞いた。でも、米はわりと糖質が高いし、タコやイカはいいとして、マグロやサーモンは脂質が高いから、「すし=健康に良い」というイメージがあまりない。
まず、その場合の糖質はシュガーじゃなくて、Carbohydrate(カーボハイドレート=炭水化物)と言ったほうがいいな。略してカーブス(Carbs)でもいい。
*糖質と食物繊維を合わせたものが炭水化物で、このうち糖質がエネルギー源になる。だから、糖質≒炭水化物と考えていい。
ーーそういえばそんなジムがあったっけ。って、あれは「カーブス(Curves)」でスペルが違ったか。女性が健康的な体のカーブ(曲線)を手に入れてほしい、という意味らしい。で、話を戻すと、すしは健康的な曲線美の敵のような気がするのだけど。
それは何と比較するかだ。
西洋料理の主食はパンじゃなくて肉だから、肉を中心とする料理に比べたら、すしの方がヘルシーだろ。それに魚の脂質は牛肉や豚肉の脂質よりも健康に良いし、脳にも良い効果があるって聞いたぜ。
ーーさっきのドイツ人は日本を旅行していて、外食の安さに感激していた。
だろうな。いまは円安だから、外国人にとって日本旅行はボーナスタイムだ。日本で働いている俺からしたら、「カンベンしてくれ」って感じだけどな。
ーー日本の給料は海外に比べて下がっていて、年間では韓国より38万円も安いという記事があったのは衝撃的だった。
でも、日本の技術力は今でもとても高い。去年、こんなことがあったんだ。
日本のある会社がドローンのとても小さく重要な部品を製作している。それはほかの会社では作れないものだったから、アメリカの企業がそのサンプルをほしいと言ってきて、俺が間に入ってその企業とやり取りをした。
その過程で知ったことだけど、日本の技術力の高さはいまでも海外ですごく評価されている。
ーーそんな話は聞いたことがある。
日本には、そこでしか作ることができないオンリーワンの企業がたくさんあって、海外企業がまねしても、技術や知識がないから、バッドコピーになってしまうと。
何だよ、その「バッドコピー」って。劣化版って言いたいなら、「チープコピー」だな。
ーーまぁ、それはいいとして、2019年に日本政府が韓国に対して、輸出の管理を厳しくした。そしたら、サムスングループの経営トップが部品を納入している日本企業に、「私どもは皆さんを必要としております。ぜひついてきてほしい」とメールを出して、すぐに来日して企業の幹部と話し合いをした。日本製の部品が入ってこなくなったら、サムスン電子は製品を作ることができなくなって大打撃を受けてしまうからね。
あの一件で、韓国が大騒ぎになったのを見て、改めて日本の技術力の高さを実感した日本人は多かった。
日本では、「お先真っ暗」的なネガティブな報道が多いかもしれない。
日本のメーカーが力を失った原因には「油断」もあったと思うな。
ーーというと?
ドローンの部品を製作している会社は、商品を売ることはできるけど、サンプルは渡せないと言ってきた。理由を聞いたら、技術が流出するおそれがあるからだと。過去にそんなことがあって、すごく警戒しているらしい。
ーー日本には、そういうワキの甘さがあるかも。
門外不出だったはずのブドウやイチゴの品種が海外へ流出して、大量生産されて日本は大打撃を受けた。それを考えると、日本人には警戒心が欠けていたところは否定できない。
「ズルい!」と相手を責める前に、管理を厳格化しないといけない。
> 日本のメーカーが力を失った原因には「油断」もあったと思うな。
すばらしい。日本の企業経営者や政治家にその一言を送りたいです。
権利を主張しない者には、権利を享受する資格がありません。
それは、「外国人とはなるべくトラブルを起こさないようにするべきである」などという、古臭い馬鹿げた配慮とは対極の考え方です。
なぜ馬鹿げているかと言うと、そのような配慮ゆえに重要なポイントを盗まれてしまった結果、もはや日本にはそんな余裕が無いからです。つまり、この現状は、今の高齢者たちが招いた「国益を損ねる結果」といってもよい。そんな無能な高齢者たちに配慮するのでなく、これからの日本を背負うであろう子供・若者に対して寛容でより有利な立ち位置を提供するような世の中になってほしいです。
一部の高齢者は「それは不公平だ」などと不平をかこつ者もあるでしょう。だがその主張は的外れです。なぜかと言うと、これから日本の将来を背負う若者たちと違って、高齢者の現状は彼らがそれまで積み上げてきた「結果」によるものだからです。単なる負け犬の遠吠え。