日本の“たまごサンド”が独特で、外国人を魅了する3つの理由

 

日本に3年以上住んでいるミャンマー人の知人がいて、彼女に日本語のむずかしいところを聞いたところ、「日本人は言葉を省略しすぎデス」という答えが返ってきた。
たとえば、あるとき日本人の友だちが「私はツナサンドが好き」と言うから、彼女は「“ツナと砂”って何だろう?」と疑問に感じて、それが「サンドイッチ」の略と分かるまで考え込んでしまった。
日本語の「略しすぎ問題」については、友人のアメリカ人も不満を持っている。
「アパマン」という言葉を見ても彼にはさっぱり意味が分からず、日本人に聞いて意味が分かっても、アパートとマンションを合体させてそう省略する日本人の発想が理解できなかった。

 

14世紀に鎌倉幕府が滅亡して後醍醐天皇が建武の新政をはじめると、このごろ都に流行るものとして「夜討・強盗・謀綸旨(にせりんじ:天皇のニセの命令)」を挙げ、京都の混乱ぶりを表す落書が登場した。(二条河原の落書
さて、『テレ朝news』の報道によると、このごろ訪日外国人のあいだで流行っているのはこんな食べ物だ。(2024/12/08)

「日本のたまごサンド」なぜ?外国人観光客を魅了 世界中が熱視線を送る!

特定の国や人種にかぎらず、アジア人も欧米人もコンビニの「たまごサンド」を食べるとそのクオリティーの高さに感激するらしい。たまごサンドが海外でブームになった理由にはこんなものがある。

・3年前に東京オリンピックが行われた際、来日した外国人記者がたまごサンドを絶賛した。
・約300円という手ごろな値段。
(個人的には、これを“驚くほど安い!”という外国人の感覚に驚いてしまう。日本の観光業や飲食業がインバウンドに期待する理由がこの金銭感覚だ。)
・有名インフルエンサーがSNSで、よくたまごサンドの食レポをしている。

そんなことから、日本に来る前からこの食べ物の存在を知っていて、日本に着くと、空港のコンビニへ直行してたまごサンドを食べる外国人は珍しくない。
上のニュースでアメリカ人は「ロスの店では見たことない」、ドイツ人は「ドイツのたまごサンドはスクランブルエッグが挟んであって、パンも茶色で硬い」、ベネズエラ人は「マヨネーズが入ったたまごサンドは絶対ないわ。目玉焼きをパンで挟むだけって感じ」と日本のたまごサンドについて感想を語っている。

もともと日本にはさまざまな具材でおにぎりを作る文化があったから、パンを使って自由にアレンジして、ホイップクリームにフルーツを組み合わせた「フルーツサンド」など日本独特のサンドイッチがうまれたという。いちごサンドやバナナサンドは日本発祥だから、知人の外国人の中にも、日本に来て初めて食べて気に入った人が何人もいる。
コンビニ側も、海外で人気と知名度が高まっているのは知っているから、外国人客がたくさん来る店には、たまごサンドの数や種類を増やして迎撃(おもてなし)体制をとっている。

 

日本のたまごサンドは基本的にはゆで卵を潰して、マヨネーズを加えて作る。
そんな単純な食べ物がなんで外国人に絶賛されるのか?
その理由を英語でAIに質問すると、たまごサンドについて世界中の人の感想をまとめて次の3つの要素を挙げた。

・Simplicity(シンプルさ)

日本のたまごサンドは一般的には卵とマヨだけで作られていて、バター、ハム、オニオン、ベーコン、マスタードなどは入っていない。そのシンプルさが外国人には逆に新鮮だった。

 

・Kewpie mayo(キューピーマヨネーズ)

日本のたまごサンドには、キユーピーマヨネーズが使われている。「キユーピーマヨ」は風味やコク、クリーミーな食感などの点で、母国のマヨネーズとは別次元にあると称賛する外国人は多い。
友人のアメリカ人は日本のレストランでマヨコーンピザを見て、「ピザにマヨネーズなんて気持ち悪いわ!」とドン引きしたが、日本人がオーダーして、彼もそれを少し食べてみたら、アメリカのマヨネーズと違って予想外においしかったし、ピザに合っていたと言う。
逆に、アメリカに住んでいて、マヨネーズのまずさに衝撃を受けた日本人もいる。
たまごサンドに大量のキユーピーマヨが使われていることは、日本人にとっては当たり前のことでも、外国人にはポイントが高い。

 

・Subtly sweet flavor(ほのかな甘み)

たまごサンドには砂糖やみりんなどが使われていて、複雑でほのかな甘みがある。日本のたまごサンドには、隠し味としてかつおだしを入れているものもある。
ある英語サイトでは外国のものと比べ、日本のたまごサンドでは「うま味たっぷりの調味料(umami-rich seasonings)があることで独特の味が出る」と説明されている。

 

以上の3つのほかにも、日本のしっとりとしたパンの食感がたまごサンドをよりおいしくしていると評価する外国人もいた。海外の、特に欧米のパンは固い食感で、乾燥してパサパサしているものが多いと思う。
海外でたまごサンドがこれだけ有名になったら、「“たまごと砂”って何のこと?」と考え込む外国人も減るはずだ。

 

 

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