アメリカ人が日本で好きな/嫌いな食べ物とその理由

 

日本に初めてやって来た20代のベトナム人女性がハマった食べ物は、一蘭のラーメンと「定義豆腐店」の油揚げだったーー。

【初の日本旅行】ベトナム人女性が好きな/苦手な食べ物は?

そんな記事をきのう書いたから、今回は第2ラウンドとして、昨年前に30代のアメリカ人男性から聞いた「日本のグルメ体験」を中心に書いていこうと思う。

 

ーーYOUは何しに日本へ?

最初は仕事で日本へ派遣されたんだ。で半年後、帰国する日が近づいたころに会社から、「滞在を延長して日本にいるか?」って聞かれて、「OK」って答えてもう3年が過ぎた。

ーーなるほど。前々から日本に興味があって、来日したわけではないと。

まったく。
何度かアニメを見たことがあったから、日本を知っていたけど特に関心はなかった。

ーーところで、「Why did you come to Japan?」って聞かれるとムッとする? 「そんな質問の仕方は外国人に失礼だ!」と言う人もいるのだけど。「What brought you to Japan?」という聞き方ならいいらしい。

別に、俺なら何も感じない。まぁ、「What brought you to Japan?」の方が丁寧だけど。「Why did you come to Japan?」と聞かれたら、「カネ」って答えるかなw
俺の日本語だって、ネイティブからしたら失礼な表現があるはずだけど、それで怒る日本人なんて今のところ会ったことがないね。みんな優しいよ。

ーーSNSではマウントをとるために、細かいミスを大げさに指摘する人がよくいる。失敗を恐れて、言葉が口から出なくなるのが最悪なのに。

 

「Hamburg」とはドイツの都市ハンブルクのことだから、日本に住んでいたあるドイツ人はレストランで「日本ではこの肉料理を Hamburgって言うの?」と驚いた。

 

ーー日本に関心はなかったけど、帰国しないで日本に残ることを決めたことには、何かポジティブな理由があったってこと?

いくつかあるけど、食べ物が気に入ったことは大きかったな。

ーー日本でおいしいと思った食べ物は?

まずはスシ。

ーーアメリカでもスシは人気で、店がたくさんあると聞いた。

たしかにそうだ。
ただ、俺がアメリカで食べたスシはあまりおいしくなかったけど、日本のスシは衝撃的なうまさだった。アメリカで食べていたのは“ニセモノ”だと分かったね。

ーーアメリカにも、日本と変わらないクオリティのスシはあると思うけど。

だろうね。でも残念ながら、そんなスシと出会うことはなかった。でも、日本のスシはとても安いしハズレがない。

ーー寿司国へようこそ。
で、ほかに気に入ったものはある?

神戸牛。あの柔らかさとおいしさにはビックリした。
あと俺が好きな日本の食べ物は、お好み焼きや焼きそばといったストリートフード。お好み焼きは日本に来て初めて知って、自分でも作るようになった。お好み焼きにはベーコンやチーズを入れて、自分の好きな味を作ることができるだろ? その試行錯誤が楽しい。

 

ーーそうか。浜松には「さわやか」というレストランがあって、そこのハンバーグが外国人に人気なんだけど、食べたことはある?

もちろん! 日本で初めてハンバーグを食べたけど、あれはとってもおいしかった。俺は肉料理が大好きなんだ。

ーーそれは良かった。知人のアメリカ人は、肉料理と「さわやか」という店名は矛盾していて違和感があると言っていたけど、あそこのハンバーグの味には満足していた。
逆に、この3年間に食べたもので、「マズっ!」と思ったものはある?

納豆、オクラ、とろろがダメだった。あのスライミーな食感は私にはすごく気持ち悪くて、どうしても受け付けないんだ。

ーーはげしく同感。ボクもあれは苦手だ。

 

最後に、「日本料理」のハンバーグについて紹介させていただきたい。

個人的に、日本で初めてハンバーグを食べたと言うアメリカ人は、「日本に来て初めてナンを食べた!」と言うインド人と同じぐらい意外な気がする。でも、そんなアメリカ人はこれまで彼以外にもいた。
そもそもアメリカに「ハンバーグ」という料理は存在しないらしい。
日本のハンバーグの元ネタとされるのが、「フリカデッレ(Frikadelle)」と呼ばれるドイツの肉料理で、ハンブルク港からやって来たドイツ移民がアメリカでこの料理を作ったことから、19世紀後半に現地で「ハンバーグ・ステーキ」と呼ばれるようになる。

日本にハンバーグは明治時代に伝わった。どこの国からかは分からないが、アメリカの気がする。
日本でこの料理が本格的に広まったのは戦後になってから。東洋の島国で独自の進化をとげた結果、現在の英語版ウィキペディアには「日本文化の定番料理(a staple dish in Japanese culture)」と紹介されている。
海外のサイトを見ても、ハンバーグは日本料理として認識されていることがわかる。

「本家」のアメリカでは、19世紀に医師のソールズベリー博士が「ソールズベリー・ステーキ」という新しい肉料理を考案して、これが一般的になったこともあり、ハンバーグステーキの人気は下火になっていったらしい。
今回話を聞いたアメリカ人は、ソールズベリー・ステーキを給食で食べた記憶があると話していた。

ハンバーグについては『NIKKEI STYLE』の記事にくわしい説明がある。(2019年8月17日)

米国ではありえない? ハンバーグ、日本独自の進化

 

 

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