今の韓国としては、「なんとかして日本に駐韓大使を韓国に戻させたい!」と考えているみたい。
朝鮮日報の記事(2017/02/18)からそんなことが読み取れる。
韓日外相会談 少女像問題は平行線=日本大使帰任も不透明
駐韓日本大使の帰任の時期は話し合われなかった。韓国側は両国関係が困難な時ほど外交当局間の意思疎通が重要で、日本大使の早期の帰任が必要だと伝えたが、日本側は具体的な言及をしなかったという。
日本の大使がいつ韓国に戻ることができるのか?
それは韓国しだい。
「韓国が慰安婦像をいつ動かすのか?」ということにかかっているから、ある意味で日本が決めることができない。
その一方で、韓国は「韓日友好」の大切さをアピールしている。
聯合ニュースの記事(2017-02-20)から。
「韓国と日本は離せない関係」=韓国与党臨時代表
韓国与党「自由韓国党」の臨時執行部、非常対策委員会の印名鎮(イン・ミョンジン)委員長は20日、党本部で民進党の岡田克也前代表と会談し、「韓国と日本は離そうとしても離せない関係」として、両国の関係改善の必要性を強調した。
韓日の友好も、今のところは韓国の行動にかかっている。
日本は日韓合意にもとづいて行動したのだから、今度は韓国の番じゃないですか。
でも韓国の報道を見ていると、韓国政府は国民の反対を押し切って慰安婦像を動かすことより、日本を動かすほうが楽だと考えてないか?
どうもそう感じてしまう。
韓国が慰安婦像を撤去しなくても、いずれは日本が折れて駐韓大使を韓国に戻すと期待しているんじゃないだろうか?
ノーノーノー。
それは甘すぎる。
「結局、最後には日本は妥協する」なんてことを韓国が覚えてしまったら、これからの日韓関係が大変になってしまう。
今は韓国の誠意ある行動を待つべし。
今回書くことだけど、この慰安婦問題を複雑にして解決をより難しくさせたのは韓国なんだから。
韓国人の慰安婦問題についての考え方には、「それはいくらなんでも、いき過ぎでしょ!」と思ってしまうことがある。
たとえば、韓国人が慰安婦の問題とナチスのホロコーストを「同じレベルの問題」ととらえること。
いやいやいや、これはさすがにありえない。
ホロコーストとは、ヒトラー(ナチス=ドイツ)がおこなったユダヤ人大虐殺のことをいう。
ホロコースト
ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺。ヒトラーが1933年に政権を握ると、ユダヤ人迫害を開始。第2次大戦開始後に大量虐殺が始まった。
占領下のポーランドのアウシュビッツやソビブルなどの収容所にユダヤ人を移送し、ガス室などで殺害した。45年までに約600万人が殺されたとされる。
移送の責任者アイヒマンは戦後、南米に逃亡。60年にとらえられ、エルサレムで死刑判決を受け、62年に執行された。
(朝日新聞掲載「キーワード」の解説)
ホロコーストでは、600万人もの人たちが毒ガスや処刑によって殺害されている。
人類の歴史上最悪の虐殺のことで、これと慰安婦問題を同一視することは絶対にムリ。
それでも「同じだ!」と考えるところが韓流的な思考法。
前回に記事では、韓国人が慰安婦問題とホロコーストを「同じレベルの問題」と考えていることがある、ということを書いた。
韓国人は自分たちの間だけそう思っているのだけではない。
「慰安婦問題はホロコーストと同じ問題なんだ!」と世界にこの問題を広げようとしている。
これは、「ナチスと日本は同じなんだ!」というイメージを世界に人たちに植え付けようとしていることと同じ。
ま、韓国がやるディスカウントジャパンの1つですけどね。
ディスカウントジャパン運動 (朝鮮語:디스카운트 재팬)とは、韓国による国際社会における日本の価値や評判を下げて、日本の地位失墜をめざす運動のこと。
(ウィキペディア)
なんで韓国は、こういう余計なことに全力で取り組むのか?
世界での日本の価値を下げることにかける時間とお金とエネルギーを、韓国の価値を上げることに使えばいいのに。
いっつもそう思う。
「鉄の女」とよばれたイギリスのサッチャー首相はこう言っている。
「お金持ちを貧乏にしても、貧乏な人はお金持ちになりません。」
「ディスカウントジャパン」なんかしないで、韓国のすばらしい美術品を世界にアピールしたらいいのに。
下の韓国語の新聞記事(機械翻訳)では、慰安婦問題をホロコーストと同様のものだとアメリカの政治家にうったえている。
記事の内容を箇条書きでぬき出す。
백악관과 국무부도 위안부 할머니 만나 일본 비판
(ホワイトハウスと国務部も慰安婦おばあさん会って日本批判)
ホワイトハウスと国務省関係者が相次いで慰安婦お婆さんたちに会ったのは初めてだ
慰安婦お婆さんたちはホワイトハウス面談で “日本のお詫びと賠償を得るのが願い”であり “アメリカ政府がここに積極出なければならない”と強調した.
国務部面談でも米国側人々は“慰安婦問題は(ナチのユダヤ人虐殺である)ホロコーストのようなイシュー”という立場を見せたと伝えられた。
韓国には独特な伝統文化もあるのに。
日本の報道では、「アメリカが慰安婦問題をホロコーストと同じと考えている」なんてものは一切ない。
そうではなくて、「慰安婦の支援団体は、ホロコーストを間違って理解している」とカナダ・イスラエル友好協会がユネスコに意見書を出したという報道はあった。
そのことが産経新聞の記事(2016.11.24)にある。
慰安婦資料は「ホロコーストをねじ曲げ」 記憶遺産申請で カナダ・ユダヤ人友好協会がユネスコに意見書
意見書は、ユネスコが一部加盟国の「政治的道具になった」とした上で、「性奴隷」「慰安婦20万人」の主張は裏付けを欠くと指摘している。
この記事では、韓国・中国・日本の団体が慰安婦制度について、「ホロコーストやカンボジアの(旧ポル・ポト政権による)大虐殺に匹敵する戦時中の惨劇だ」と主張しているという。
これは絶対にありえない。
カンボジアのポルポト派による虐殺では、160万もの人たちが殺されたという。
ポル=ポト政権
1975年にカンボジアで成立したポル=ポト(?~1998)の急進左派政権。都市から農村への強制移住、通貨の廃止、反対者の大量虐殺などをおこなった。文化大革命の影響を受けて中国に接近し、隣国のベトナム・ラオスとは対立した
「世界史用語集 山川出版」
昔は「ポルポト派の虐殺で300万人が殺された」といわれていたけど、それは「盛り過ぎだった」ということで今では否定されている。
それはともかく、ナチスによるホロコーストやポルポト派による虐殺といえば、アルメニア人虐殺やルワンダ虐殺などならぶ、20世紀に人類がおこなった最大の悲劇だ。
そんなことと慰安婦問題を一緒にしないでくれ。
慰安婦を支援する団体の主張に対して、ホロコーストの犠牲者であるユダヤ人はこう反論している。
これに対し、友好協会幹部のユダヤ人、イラナ・シュナイダーさんら3人が署名した意見書は「ホロコーストに匹敵するものはなかった」とする元駐日イスラエル大使のエリ・コーエン氏の指摘を引用して反論。
慰安婦問題はホロコーストやポルポト派の虐殺とはまったく違いますから!!
と、声を大にして言いたいところだけど、それをどう考えるかは韓国人しだい。
慰安婦問題をホロコーストやポルポト派の虐殺と「同じレベルの問題」と考えるのは自由だけど、そうすることによってますます韓国と世界の認識の差は広がる。
いつか、韓国のお家芸である「ブーメラン」になって戻ってきて、自分たちが困ることになる。
現に今、慰安婦問題を大きくしすぎて、韓国政府は国民感情をコントロールできなくなっている。
かって、慰安婦問題は女性解放運動の一テ-マでした。しかし、うそを拡散させる人権運動などあってはいけませんん。慰安婦問題とは、朝鮮の家父長制、父親の売春就業承認と慰安婦からの父親への仕送り、妓生という女性奴隷制度の負の遺産、三田渡の盟約に基づく法定性商品である貢女制度、古くからおかなわれた朝鮮から中国への人身売買、朝鮮の女衒ネットワ-ク、韓国政府がけっして検証しない元慰安婦のオ-ラルヒストリ-。韓国が、やらないと慰安婦問題の実体はつかめません。
日韓の間でこの問題はすでに解決して、もう動かすことはできません。
性奴隷とか強制連行といった国際社会に広がった誤解を解くことが大事です。