いきなり現れて、世界に衝撃を与えた中国発の生成AI、DeepSeek(ディープシーク)。
性能はアメリカの「チャットGPT」とほぼ互角にもかかわらず、開発費はその 10分の1もかかっていないという。ディープシークはAIの「米国1強」の構図を変える可能性を秘めている。
さて、そんな高性能のディープシークさんに、キムチがどこで生まれたか聞いたところ、「中国」と無邪気に答えたことで韓国が沸騰。全国紙の朝鮮日報は「情報まで歪曲(わいきょく)している」と非難した。(2025/02/10)
中国製AIディープシークにキムチ発祥の地を聞いたら「韓国ではなく中国」
世界的に有名なキムチは韓国文化の代表的なアイテムで、韓国の人たちにとって「韓国発祥」は絶対に譲ることができない。しかし、中国でキムチは「泡菜(パオツァイ)」と呼ばれ、中国で生まれたと主張する人も多い。2つの説は矛盾していて、火と油だから触れると燃えるしかない。
少し前にも、韓国の中央日報にはこんな記事が掲載されていた。(2024.11.22)
中国ネットユーザー「キムチは中国の食べ物」…徐坰徳「文化侵奪が深刻」
最近の中国では、TikTokやYouTubeなどで、ティックトックやユーチューブなどで、キムチを自国の食べ物として世界へ発信する人が増加中。それに対して、韓国側は「文化を盗まれている!」と怒りを強めている。
今回、世界を震撼させたディープシークが中国の説を支持したため、韓国で大きな波紋を呼んだ。外交を有利に進めるために、情報操作を行うこともある大統領直属の情報機関、韓国国家情報院が注意を呼びかける事態にまで発展。
この話には続きというか、オチがある。
ディープシークはキムチ生誕の地について、中国語で聞かれると「中国」と答えたが、韓国語で質問すると「韓国」と答えたのだ。家情報院は「言語によって回答が異なっていた」と発表した。中国の立場からすると、「韓国」という答えが「情報歪曲(わいきょく)」になる。
このニュースに韓国の人たちはどう思ったか?
韓国語の書き込みを日本語訳にしてみた。
・嫌だーーーー
・中国はAIも正常ではないようだ
・それでも民主党(韓国の野党)はみんなディープシーク使うんですね 謝謝
・キムチの冷蔵庫もなく、キムチチゲも食べないくせに、どうやったら中国人が中国のものと主張できるのか
・今や嫌中はグローバルな時代精神である
・ディープシーク使うなよ…個人情報も盗まれるぞ
一方、日本人にとってこの騒ぎは、玄界灘の向こうに広がる火事でしかない。
・かしこいやん
・実に優秀な人工知能ですね
・忖度できるAI
・英語仏語独語などでやったらどうなるんだろ
・コウモリw
実際のところ、見方の分かれることについては、言語や国によって異なる答えを出すのが正解。立場や価値観によって、表現を使い分けるしかない。
ディープシークでグローバル言語の英語を使って検索したら、きっと「China」と出てくるから、文化起源をめぐる争いにおいて、中国は一歩リードしたかもしれない。だから、韓国国家情報院まで出てきたのでは?
このAIの登場は韓国にだけ、まったく異なる種類の衝撃を与えたらしい。
コメント
コメント一覧 (2件)
百聞は一見に如かず、ということでChatGPTに尋ねてみました。
「キムチの発祥はどこの国ですか?」
この質問に対するChatGPTの返答は、次の通りでした。
「キムチの発祥は韓国です。キムチは、韓国の伝統的な発酵食品で、野菜(通常は白菜や大根)を唐辛子、にんにく、生姜、塩、魚介類などで味付けし、発酵させたものです。キムチは韓国の食文化の一部であり、非常に多くの種類とレシピがあります。」
これは韓国や日本の見解に一致する回答だと思います。
一般的には韓国起源でしょうね。ただ、中国の発信力はすごいので、これからどうなるか分かりません。韓国はそれを警戒しています。