いま日本人はお隣さんをどう思っているのか?
内閣府が18歳以上の3000人を対象に世論調査を行ったところ、「韓国に親しみを感じる」と答えた人が56.3%と、半数を超えたことが判明。
調査方法が違うから単純に比較はできないが、2019年の26.7%から倍増している。韓国に対する日本人のイメージは確実にマシマシになっている。
もっとも、2019年は反日強硬の文大統領がいたころで、日韓関係は「戦後最悪」と呼ばれるほど終わっていて、韓国に対する印象もこれ以上落ちようのない最低レベルだったのだけど。
ちなみに、アメリカに「親しみを感じる」と答えた人は84.9%(前回より2.5ポイント減)、中国には14.7%(2ポイント増)という結果だった。日本人はトランプ大統領の強引なやり方に引き気味らしい。
なんで、韓国と中国へのイメージがアップしたのか? その理由について、外務省は両国から旅行で日本を訪れる人が増加し、国民同士の接点が増えたことを指摘した。特に若者を中心に、韓国との文化的な交流が活発化していることが大きい。
この知らせはすぐに玄界灘を越え、さっそく韓国メディア『ニュース1』がこう報じた。
일본인 56% “한국에 친근감 느껴”…5년 전보다 2배 이상
(日本人の56%が“韓国に親しみを感じる”…5年前の2倍以上に)
興味深いのは、この56%という数字が、韓国人の日本に対する好感度と「ほぼ同じ」という点。きょねんの夏、韓国人を対象に行われたアンケート調査の結果が朝鮮日報の記事にある。(2024/08/15)
18-39歳韓国人男女の57%が「日本に好感」 東北アジア歴史財団世論調査
韓国の若い層(18~39歳)の男女の57.3%が日本に好感を持っていた。今回の調査結果と照らし合わせると、日韓のお互いの「好き度」はほとんど同じということがわかる。一方、中国に対して好感を持っている割合は10.1%で、これも日本とあまり変わらない。
日本に対する印象は年齢や性別によって異なる。
韓国では、男性が20代で好感を持つ人が70%以上で、30-34歳で56.4%、35-39歳で60%となっていた。それに対し、女性は18-24歳で55.5%、25-29歳で50.9%、30-34歳と35-39歳でともに42.5%という結果だ。
つまり、全体的に、若い男性のあいだで、日本に対する好感度が高いことが分かる
ただ、相手を好きということと、頼りにするということは違う。
日本に対する信頼度が「高い」と答えた人は35.1%と、好印象に比べるとガクンと減っている。それでも、中国の6.1%に比べると、日本は約6倍信頼されているのだけど。
日本を信頼できない理由の第一位は、「歴史問題に対して謝罪と反省をしていないから」(51.9%)だった。二位の「政治指導者を信頼できないから」(20.8%)のトリプルスコアに近い。
ただ、相手を好きということと、頼りにすることは違う。
日本に対する信頼度が「高い」と答えた人は35.1%と、好印象に比べるとガクンと減っている。それでも、中国の6.1%に比べると、日本は約6倍の高い信頼をゲットしている。
韓国人にとって、日本を信頼できない理由の第一位は、「歴史問題に対して謝罪と反省をしていないから」(51.9%)だった。二位の「政治指導者を信頼できないから」(20.8%)の約3倍と圧倒的な差がある。
日韓関係の改善が必要という考える人は61.9%と多く、この傾向は以前からあまり変わらない。しかし、そのネックとなっているのが過去で、「日本が歴史問題について謝罪と反省をしたと思うか」という問いに、「した」(16.5%)や「よく分からない」(18.2%)という回答を大きく引き離し、「していない」(65.3%)がブッチギリの1位だった。
「日本は謝罪と反省をした」と考える人は、18-24歳の男性(28.1%)や25-29歳の男性(26%)など20代の男性でやや高く、「謝罪と反省をしていない」と考える人は30-34歳の女性(81.7%)や35-39歳の女性(81.4%)など30代の女性で高かった。
韓国では、「過去は過去、今は今」と歴史問題にとらわれていない人ほど、日本に対して良い印象を持っていることがわかる。
2023年に、尹大統領が「日本はすでに数十回にわたって我々に歴史問題について反省と謝罪を表明している」と述べたように、日本は繰り返し謝罪しているが、それが韓国の人たちに伝わっていないのが現状だ。
お互いの国民に直接触れ合うことで、親しみを感じる人は増加し、今では半数を超えている。
しかし、韓国側の奥底では「歴史問題の真の解決」があり、日本の心からの謝罪を要求する気持ちがある。一方、日本では、過去の歴史問題について日韓政府が話し合いを重ね、最終的な解決で合意したため、これ以上謝罪することはできない。
お互いの好印象が高まっても、この認識のミゾはなかなか埋まらない。
いま思えば、尹大統領の登場は日本にとってボーナスステージだった。あれほど日本に理解があり、協力的な韓国の大統領はもう現れないかもしれない。
その尹氏は韓国社会について「反日を叫びながら政治的な利益を得ようとする勢力が厳然と存在する」と指摘した。
現在の韓国で、「歴史問題に対して謝罪と反省をしていない」という認識がこれから改善される要素は見当たらない。それで文氏のような人物が大統領になると、世論に引きずられて日韓関係はまた暗黒時代に戻る可能性が大いにある。
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