最近、バスで空港まで移動した記事を書いていた。
さらにこんな変わった地図を見つけたことだし、今回は「日本の足」、つまり日本の交通手段の歴史について簡単に書いていきたい。
これは大連(中国)の駅
東京の上野駅をモデルにしている。
駕籠(ウィキペディア)
江戸時代の日本の交通手段といえば、駕籠(かご)。
でも、1853年に日本が開国して外国と交流をもつようになると、この状況が大きくかわってしまう。
明治になると、駕籠が日本から姿を消してしまう。
日本の交通手段は、人力車や馬車(乗合馬車)へとかわっていく。
人力車
人力で引く乗用車。和泉要助らが発明。1870年に官許される。以後、駕籠は急速に衰えた。
(日本史用語集 山川出版)
大正8年のころ、浜松駅には人力車が待機していた。
インド旅行をしていたときも、駅を降りるとたくさんのリキシャー(人力車)が客を待ちかまえていたのを思い出す。
それより、彼らの服はなんだろう?
イスラーム教徒が着るブルカみたいだ。
これはインドの人力車
日本人が発明した人力車は、イギリスをつうじて海外にも広がっていく。
インドに行くと、今でも公共の移動手段として人力車を見ることができる。
もちろん乗ることも。
インドではこの乗り物を「リキシャー」と言っていた。
この言葉の語源はもちろん日本語の「人力車」。
リキシャーの運転手というか、引き手は「リキシャーワーラー」という。
広いインドでも、コルカタ(旧カルカッタ)にしかこのリキシャーはない。
ウィキペディアによると、コルカタでリキシャーが正式な交通手段として認められたのは1919年だという。
1919年といえば、第一次世界大戦が終わってパリ講和会議が開かれた年だ。
世界史を学んだ人なら「イクイク ベルサイユ」で覚えた人もいると思う。
第一次世界大戦のときインドは大英帝国に支配されていて、イギリス軍として参加している。
戦争が終わってインドに戻ってきた多くのインド人たちには仕事がなかったから、リキシャーワーラーになった人も多かった。
そんな可能性はないかなあ。
ビミョウ。
ボクもコルカタに行ったときに、リキシャーのお世話になった。
このときの料金は、30分で200円ぐらいだったと思う。
リキシャーに乗ると、リキシャワーラー(人力車の運転手)がいろいろとセールスを始める。
「やっぱりそれ?」
と思ったのが、ガンジャ。
ガンジャとは大麻のこと。
もちろん違法。
話をきいたら、リキシャワーラーがガンジャをつかっているという。
「リキシャーの仕事は疲れるんだよ。ガンジャをつかうと疲れが取れるからな。オレには必要なんだ」
そんなことを言っていた。
このリキシャーワーラーは、自分のために買ったガンジャを購入した値段より高い値で客に売ることでもうけていたらしい。
神に誓って言うけど、ボクはガンジャは買っていないし買ったことも吸ったこともない。
目的地に着いたとき、リキシャーワーラーにこんな質問をされた。
「なあダンナ、日本でもリキシャーはあるのかい?」
「あるよ」
「そうか。で、いくらなんだ?」
いくらって。
日本だと20分で3000円ぐらいだから、30分で4500円になる。
その金額を30分で200円の彼に言っていいのかなあ?
彼の22.5倍の金額だぞ。
日本での料金(4500円)から考えたら、「101250円」というとんでもない額になる。
まあいいや。
と思って正直に「30分で4500円ぐらいかな」と言ってみた。
するとリキシャーワーラーは、言葉をなくして目玉がこぼれるくらい目を見開く。
「聞いてはいけない額を聞いた」そんな表情をしていた。
今でもあのリキシャーワーラーの顔はよく覚えている。
そんなインドの人力車も、今ではだんだんと数が減っている。
コルカタ市としては、いずれはリキシャーをなくしたいらしい。
でも今ならまだ残っている。
行くなら早く!
馬が車両を引っぱる「馬車鉄道」というものあった。
1885年ごろ、日本に蒸気機関車が登場して日本に鉄道が広まっていくと、今度は人力車が姿を消すことになった。
これはその時代の日本を旅行したアメリカ人の記録。
駕籠が人力車に負けたように、人力車は蒸気機関車を前にして消えてゆきます
「シドモア日本紀行 講談社学術文庫」
おまけ
コルカタでリキシャーが正式な乗り物となった1919年には、世界でいろいろなできごとがおきていた。
日本の支配下にあった朝鮮では、「三・一独立運動」がおきている。
この日は「韓国の誕生日」として、今では祝日となっている。
明日がそうだ!
また、中国では五・四運動がおきている。
三・一独立運動も五・四運動も日本に抗議する運動という点ではおなじ。
ちなみに、1919年は日本だと大正8年。
日本ではこの年にカルピスが販売されている。
どうでもいいか。
「カルピス」の「ピス」は、古代インドのサンスクリット語だったりする。
これもどうでもいいか。
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