慰安婦問題、韓国のつくり話を歴史の真実にしてはいけない

 

「鬼郷」という韓国の映画を知ってますか?

この映画は、2016年に公開された慰安婦の物語。

この「鬼郷」が韓国で公開されるやいなや、すぐに記録的なヒットとなった。
中央日報には、「42万人の観客を動員して公開以来一日の最多観客記録を打ち立てた」とある。

でもこの慰安婦映画には問題があった。
映画の内容が歴史の事実からかけ離れたものであるため、批判をうけている。

 

櫻井よしこさんは、韓国人の呉善花さんから「鬼郷」の話を聞いて怒りをあらわしている。

強制連行だけでもあり得ないが、映画はさらにあり得ない話を、史実であるかのように描いている。

「 映画「鬼郷」に見る韓国反日感情の虚構 」

「これは最悪である」
韓国に精通したジャーナリズムの黒田勝弘氏はそう書いている。

しかしこの映画はひどい。1970年代から韓国の映画やテレビ、舞台で数多くの反日ドラマを見てきたが、これは最悪である。

「慰安婦として強制連行された可憐(かれん)な韓国の少女たちと極悪非道の日本兵」という図式で、日本兵による少女たちに対する殴る蹴る引き裂く…の残虐な暴行、拷問場面の連続は正視に耐えない。

正視に耐えぬ最悪の慰安婦映画

「日本軍による慰安婦の強制連行」
「日本軍による慰安婦の集団虐殺」

実際にはなかったことを「事実だ」と言ったら、その人間は「ウソつき」と呼ばれる。

映画監督としては日本軍を残酷にえがくことで、観客に慰安婦たちに同情させる目的があったのだろう。
そしてそれを感動へとつなげる。

でも、つくり話はつくり話。
映画の創作を歴史の事実と誤解させるやり方はまちがっている。
そんなことをしたら、つくり話がいつしか真実になってしまう。

虚偽が真実になってしまったら、未来の日本人や韓国人が被害をうけてしまう。

 

でも、この映画の内容を真実だとかん違いしてしまった人がたくさんいる。

そのことが中央日報の記事(2017年03月16日)にかいてある。

旧日本軍による慰安婦を描いた映画『鬼郷』見た日本人観客ら、涙流して「申し訳ない」

 

この記事を読んでいて、気持ちが重くなった。
この「鬼郷」を見て、慰安婦問題をナチスのホロコーストとおなじレベルの戦争犯罪だと誤解した人たちがいる。
そして虚偽の情報にもとづいて、日本政府に怒りをむける。
そんな人が日本にいるらしい。

 

慰安婦問題とホロコーストはまったくちがう。
以下にこのことを書いていきたい。

事実を誤認したまま、日本政府や旧日本軍を批判してもまったく意味がない。
本当のことを知ったときには、その人がダメージをうける。

 

映画の世界ではなくて、実際の慰安婦の人たちはどんな生活をしていたのか?

その様子がわかる信頼性の高い資料に「Japanese Prisoner of War Interrogation Report 49」がある。

この資料は、1944年9月にビルマでアメリカ人が作成している。
「そのときその場所でつくった」という同時性と現地性の2つの条件を満たしている。

 

同時性と現地性がない資料は信頼性が低い。

「日本軍による強制連行があった」や「慰安婦の集団虐殺があった」といった説の根拠は、戦後何十を年もあとになってまったく別の場所でつくられている。

代表的なものに、「吉田清治の証言」がある。
吉田清治はかつて、「日本軍による強制連行があった」ということをいろいろなところで話していた。

1982年(昭和57年)以降、吉田は戦時中に済州島などでアフリカの奴隷狩りのように若い朝鮮人女性を軍令で捕獲・拉致し、強制連行したと著書や新聞や講演などで語り、日本、韓国、アメリカなどで、何度もそのことを証言して来た。

(ウィキペディア)

でも2017年の今、すべてがわかっている。
「吉田清治の証言」は、つくり話であったことが。

1995年になって自らの証言が主張を織り交ぜた創作であることを認めた。

(ウィキペディア)

吉田清治の証言をもとに記事を書いていた朝日新聞は、誤報を認めて謝罪している。
日本軍が慰安婦を強制連行したという事実はない。

「そのときその場所でつくった」という同時性と現地性の2つの条件を満たしていない資料はどうしても信頼性に欠ける。

「鬼郷」でえがく「日本軍による強制連行」という演出は、吉田証言が根拠になっているのではないだろうか?

 

「吉田清治の証言」のような戦後の創作ではなく、同時性と現地性を満たした資料では、慰安婦の生活について次のように書いてある。

they had plenty of money with which to purchase desired articles. They were able to buy cloth, shoes, cigarettes, and cosmetics

While in Burma they amused themselves by participating in sports events with both officers and men, and attended picnics, entertainments, and social dinners. They had a phonograph and in the towns they were allowed to go shopping.

Japanese Prisoner of War Interrogation Report 49

これを読むと、ここでの慰安婦たちはたくさんのお金をもっていたことがわかる。
そして、服・靴・タバコそれに化粧品など自分が欲しいものを買うこともできた。

さらに、日本兵(将校)とスポーツをしたりピクニックに行ったりもしている。
街へ買い物に行くことも許されていた。

戦後のつくり話を信じていた人は、おどろくかもしれない。
でも、これが映画の演出ではなくて歴史の真実になる。

もし信じられない思いをした人は、自分のイメージの根拠を確認してほしい。

それは、同時性と現地性を満たしていない信頼性の低い情報ではなかっただろうか?

 

とはいえ、これはアメリカ軍が作成した一つの資料でしかない。
他の場所では、慰安婦の人たちがどのような生活をしていたのかはわからない。

この資料を読んだ感想は、人によってちがっているはず。

「東南アジアの他の地域でも、慰安婦の人たちはこのような生活をしていた」
「これは例外で、他での様子はまったくちがっていた」

いろいろな印象があると思う。

でも、慰安婦問題を「ナチスのホロコーストとおなじレベルの戦争犯罪」と理解してはいけない。

ホロコーストの犠牲者で、ドイツ軍の兵士とスポーツやピクニックを楽しんだ人がいるはずない。

慰安婦問題をホロコーストと同じと考えることは、事実誤認というだけではなくて、ホロコーストの犠牲者に対しても失礼なことだ。

 

慰安婦問題について、日本政府はこう認識している。

「慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である」

慰安婦問題については、日本政府の考え方を知ることが大事。
先ほどのような資料があるとはいえ、慰安婦問題を全体からみたら日本政府の認識が正しいと思う。

 

でも、韓国がおかしいことをしていたら、だれかが「それはおかしい」と指摘する必要はある。

「つくり話を歴史の事実にすることはまちがっている」と言わないと、虚偽を真実だと誤解した人たちが日本や韓国に広がってしまう。

そのことで、日韓関係に良い影響があるわけがない。
結果的には、たくさんの日本人や韓国人を傷つけてしまう。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。