お箸を発明したのは中国人か?日本人か?
ほとんどの人は、「箸は中国で生まれて日本に伝わった」と考えていると思う。
でもある中国人が、「箸は中国人ではなくて日本人が発明した」と日本の子どもから聞かされてショックを受けたという。
サーチナの記事にそのことが書いてある。
日本人に「箸は日本人が発明したもの」と言われて衝撃を覚えた=中国メディア
なんでその子どもは、「箸は日本人が発明した」と考えたのか?
記事にはその理由をこう書いている。
その子はこちらをじっと見つめ、解せない表情で「箸は日本人が発明したんだよ。日本で有名な『古事記』には、万物の神である夫の正体が蛇であることを知った妻が箸で自らを刺して死ぬって書いてあるもの」と反論してきたとのことだ。
この子どもが言っている「妻」とは、倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)のこと。
子どもが「倭迹迹日百襲姫命の話で中国人に反論をした」ってのはすごい。
でも、すごすぎて不自然な気もする。
まあそれはいいや。
中国人なら、「箸は中国人が発明したもので、中国から日本に伝来したもの」と考えているはず。
そんな中国人からしたら、この子どもの言葉はショックだっただろう。
そんなことで今回は、箸の歴史と日本文化の特徴について書いていきたい。
日本と中国の箸の違いから、日本文化の特徴が見えてくる。
まずは日本での箸の歴史について。
日本で箸が使われるようになったのは、いつごろからか?
「日本で箸は、弥生時代に使われていた」と書いている本やサイトもある。
でもそれは、古事記や日本書記の記述をもとにしたもので、どこまで正確かアヤシイ。
日本で箸が使われるようになったのは、聖徳太子(厩戸皇子)の時代からだろう。
この時代の箸については、人名やその目的などが比較的わかっている。
2本で1膳の「唐箸」を食事に使い始めたのは、5世紀頃とも、6世紀中頃に仏教とともに百済から伝来してからとも言われるが、朝廷の供宴儀式で採用したのは聖徳太子とされ、607年遣隋使として派遣された小野妹子一行が持ち帰った箸と匙をセットにした食事作法を取り入れたものと言われる。
(ウィキペディア)
「箸は日本人が発明した」という可能性は、なくはない。
でも、「箸は中国人が考案して日本に伝わったもの」と考える方が正しいだろう。
ちなみに日本でもっとも古いとされている箸は、7世紀後半のものとされている。
7世紀後半といえば、「日本」という国名ができたころだ。
古代の中国や朝鮮の都市建設では、城壁がかかせなかった。
でも日本の都市にはこの城壁がない。
これも日本の特徴になる。
箸をふくめて、日本の文化には中国から伝来したのものが多い。
でも日本人は、中国から来たものに変化を加えている。
日本文化の特徴には、外国から来たものを日本風に変えてしまうということがある。
箸も日本で独自の進化をとげて、中国の箸とは別物になっている。
中国旅行で感じたけど、中国のお箸は長くてちょっと使いにくい。
しかも、箸の端から端まで太さがだいたい同じ。
日中韓の箸を比べると、こんなちがいがあるという。
日本:先が細くとがっていて骨のある魚も食べやすい
中国:寸胴型(ずんどうがた)で長い、先端が丸くとがってない
韓国:小型で細く短い平たい断面
日本の箸は、魚を食べるときに小骨を取り出しやすいように先が細くなったといわれる。
たしかに中国人や韓国人に比べて、日本人は魚をよく食べる。
日本人の食文化に魚はかかせない。
「海の日」という、海のめぐみに感謝する祝日があるのは世界で日本だけだ。
日本では、箸も日本人の食文化に合わせて日本風に変わっていったのだろう。
「箸置きは日本独自の文化です」
中国人からそんなことを聞いて、初めてそのことに気づいた。
「中国人はそんな細かいことには気づきません」と言う。
「気づかない」というのは、箸置きの必要性を感じていなかったということにもなる。
日本人は良い意味でも悪い意味でも、細かいことによく気づく。
箸置きのデザインを好きな外国人はたくさんいる。
箸置きは中国由来ではなくて、日本で生まれた。
発想やデザインが日本人らしいし、箸置きは日本を代表する文化だと思う。
中国の箸
先がとがっていない。
でも中国の食べ物には、その必要がない。
韓国の箸
韓国の箸はステンレスでできている。
「ステンレス製の箸だと、ご飯が食べにくいんじゃないか?」なんて思ったけど、韓国人はご飯をスプーンで食べるから問題ない。
何ごとも、必要性に応じて変化するらしい。
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