はじめの一言
「これからの機械文明を生きるには、心を進化させることが必要だ(エジソン)」「日本賛辞の至言33撰 ごま書房」
今回の内容
・イギリスの格差
・日本の平等
・イギリスの格差
前回、イギリス人の友人から聞いた話をもとにイギリス社会の階級制度について書いた。
たしかにイギリス社会には階級というものがあるけれど、それは問題にはなっていないらしい。
イギリスという国とは?階級社会・日本の平等・アメリカ人との違い
現在のイギリスの問題は、経済格差と移民問題だという。
日本に4年間住んでいるこの友人に日本の印象を聞いてみた。
彼女にとって日本の特徴は、「どこに行っても同じ日本人がいる」という同質性の高さと「格差のない平等な国」というものだった。
イギリスでは、ロンドンを中心とした南側が豊かでスコットランドがある北側は「貧しい」とまでは言わなかったけど、豊かではないという。
イギリス全体を経済的にみたら、「北低南高」という状態にある。
友人がこのことを話していたとき、南を「リッチ」と言って北を「プアー」と言いかけて止めた。
「プアー」を訂正して、「ノット リッチ」と言い換えていた。
「プアー」というのは失礼な言葉で、いわゆる「ポリティカル・コレクトネス」的に良くないのだろう。
この「ポリティカル・コレクトネス」という考え方は、とくにアメリカでとても大事にされている。
だから覚えておく価値はある。
ポリティカル・コレクトネス(英: political correctness、略称:PC)とは、政治的・社会的に公正・公平・中立的で、なおかつ差別・偏見が含まれていない言葉や用語のことで、職業・性別・文化・人種・民族・宗教・ハンディキャップ・年齢・婚姻状況などに基づく差別・偏見を防ぐ目的の表現を指す。
(ウィキペディア)
日本でもこの「ポリティカル・コレクトネス」の考え方にもとづいて、「看護婦」が「看護師」になって「保母(さん)」が「保育士」になった。
また、「スチュワーデス」が「客室乗務員」にもなっている。
今の日本なら、富裕層と貧困層という言い方でいいと思う。
でも日本は、中国人ですら「社会主義の国みたいですね」というほど平等な国で、庶民(中間層)がとても多い。
イギリスほど、富裕層と貧困層が対立していることはないだろう。
今のイギリスでは貧しい人たちの政府に対して不満がたまっていて、それが深刻な社会問題になっているという。
「税金高い」
「物価が高い」
「政府は金持ちやロンドンを優先している」
こんな不満や怒りの声をよく聞くらしい。
でもイギリスでの貧富の差は、中国のように見た目で分かるようなものだろうか?中国では列車に乗って窓の外を見ていると、すぐ貧しい地区はすぐにわかる。
明らかに家や人々の様子がちがう。
だから、友人の中国人は電車に乗って東京から静岡まで移動したときに驚いていた。
どこも同じようなビルと住宅街ばかりで、一目で貧しい地区だとわかる場所がない。
「中国では、とてもこうはいきません」と話していた。
でも中国にはこんなすごい家もある。
そのことを友人に聞いてみた。
「イギリスには、中国ほどの貧富の差はないです。でも、日本ほど平等な国でもないです。きっと、イギリスは中国と日本の間にありますね。貧しい人が住む地区は確かにあります。外国人には分からないかもしれないけど、イギリス人の私なら分かります」
このイギリス人の女性は日本に住んで4年になる。
その間、京都、東京、北海道など日本各地を電車や車で旅行したけれど、どこでも同じような住宅が並んでいて、貧困層が住む場所を見た記憶がないという。
イギリスでは低所得者が住む建物があるというより、そうした「地区」が存在するらしい。
2014年に、スコットランドがイギリスから独立するかどうかを決める住民投票をおこなっている。
このときは単純に「何でスコットランドはイギリスから独立したいのか?何でイギリスにはいたくないんだろう?」と疑問に思っていた。
イギリス人に話を聞くと、その理由のひとつにロンドンを中心とする南と北の経済格差があった。
ロンドン一極集中批判
イギリスにおける「1人あたりの域内総生産(GDP)の首都と地方の格差」は1位のロシア(163%)に次ぐ2位(69%)であり、一極集中は顕著である(日本は14%)。
ロンドンの人口は国内の13%にとどまる一方、1997年から2010年に国内で創出された雇用の43%はロンドンである。また2010年から2012年に政府系雇用がロンドンで6万6300人増加したのに対し、エディンバラでは3000人の雇用が失われた。
(ウィキペディア)
人もお金もロンドンに集まって南側が豊かになる一方で、地方は人が出て行って「過疎化」が進んでいるのだろうか。
地方の人にとっては経済も政治も「ロンドン中心」に見えてしまい、自分たちには恩恵が来ないと不満を感じているのだろう。
・日本の平等
日本ではこのような格差は小さい。
1人あたりの域内総生産の首都と地方の格差」は、イギリスがであるところ、日本はで、5分の1に過ぎない。
(ウィキペディア)
日本での都市と地方の差というのは、イギリスに比べらたら、「ない」と言ってもいいくらいかもしれない。
もちろん、日本国内をよく見ると格差は広がっている。
そのことは各種の統計が示していて、ニュースで報じられることもある。
けれどイギリス人からしたら、日本では平等が行き渡っているように見えても不思議ではないと思う。
中国人からは、「日本の農村の家で、車が2台もありましたよ。全然貧しくありません。これは中国では絶対に考えられません」と言われた。
日本と同じ先進国のイギリス人から見ても、日本は格差の少ない平等な国であるという。
これが日本という国の特徴であることは間違いない。
でも、日本は何でこんな平等な国になったのか?
日本人のボクにもこれがいまだによく分からない。
よかったらこちらもどうぞ。
イギリスを知りましょ① 階級社会・日本の平等・アメリカ人との違い
イギリスの階級のせい? オーストラリア英語のなまり(発音)の理由
このブログ面白いですね
おおっ!
本当ですか。
ごっつぁんです。
これからも、がんばりますよ。
良かったら、お知り合いに紹介してください。
アクセスがのびなくて・・・。
初見です。
とても面白いです。
おお!そうですか。
ありがとうございます。
では、これからもがんばります。