外国人移民(労働者)が日本へ?でも、「正しく恐れる」ことが大事

 

はじめの一言

誰の顔にも陽気な性格の特徴である幸福感、満足感、そして機嫌のよさがありありと現われていて、その場所の雰囲気にぴったりと融けあう。(イザベラバード 明治時代)

「逝く日の面影 平凡社」

 

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今回の内容

・正しく怖がる
・日本に移民が来たら困るけど、来なくても困る。
・正しく怖がる

「やってみたら、思っていたほど大したことなかった」
という経験は、誰であると思う。

 

ボクの場合、インドに旅に出る前は、インドが怖くして仕方がなかったけど、実際に行ったみたら、大したことはなかった。
不快な目にはたくさんあったけど、危険な目にあうことはなく、インド旅を終えることができた。
「インド人に暗がりに連れて行かれて、ナイフを突きつけられたら、どうしよう?」とか想像して、恐怖におびえていた自分が情けないなるぐらい。

 

実際のものを知らないから、頭の中で、実物以上に想像をふくらめて、自分がつくり出した恐怖におびえてしまう。
そんなことは、よくある。
そうならないためには、そのことについて、できるだけ正確な知識をもって、実物を正しく知ることが大切。
正しく知れば、どれくらい危険か怖いかが分かる。
その実際の危険に応じて、正しく怖がればいい。

 

いけないことは、実物(実際)以上に勝手に恐怖をふくらめて、自分の作り出した恐怖におびえて、何もやらないこと。

東日本大震災のときによく言われた「正しく恐れる」というのは、そういうことだと思う。

・寺田寅彦「正しく恐れる」とは、明治中期から昭和初期の物理学・地震学の権威で随筆家としても知られた寺田寅彦(1878年~1935年)の言葉を元にした箴言(しんげん=戒めの言葉)。

・東日本大震災での東京電力福島第1原子力発電所事故後、原発災害への不安感の高まりとともに、原子力、放射能について知識がないことが不安をあおる側面があることから、「災害や原発リスクについてより深い知識を得、状況を理解して対応する」という意味で引用される。

・この箴言は「正しく恐れて、危険要因を徹底して減らす」が正しい使い方となろう。

カテゴリ: 災害教訓: てらだとらひこ「ただしくおそれる」

 

「原子力、放射能について知識」なんて、ふつうの人は持っていない。
だから「放射能がもれた」と聞いたら、実際にどのぐらい危ないのか分からないけど、恐怖が先走ってパニックになってしまう。
専門家からしたら、素人の「実際以上の行き過ぎた恐怖」に見えたのだろう。

 

知り合いのジャマイカ人は、周りの人に「日本に働きに行く」と言ったところ、総反対を受けたという。
「今の日本は、放射能まみれだぞ!行ったら、おまえも死ぬぞ!」
その子も恐怖を感じながらも、日本に来たら、ジャマイカよりもはるかに治安は良いし、人びとは落ち着いて生活していて、びっくりしたらしい。

 

これから、日本にたくさんの外国人が働きに来て、日本人と同じ地域で生活することになる可能性は高い。
「外国人との共生」についても、「正しく恐れる」ということが大事だと思う。
外国人を放射能と同じにするつもりはないけどね。
それによって
表現だけ借りた。
・日本に移民が来たら困るけど、来なくても困る。

2014年3月13日の産経新聞で、「毎年20万人の移民受け入れ 政府が本格検討開始」という記事があった。
この報道を受けて、不安になる人がたくさんいるらしい。
「検討を始めた」というだけで、「20万人」という人数以前に、移民を受け入れることを決めたわけでもない。

 

でも、少子高齢が進んでいて、このままでは、日本人の労働人口が減ってしまうのは分かっている。
だから、将来、ある程度の数の外国人の労働者を受け入れることは、間違いないだろう。

 

「自分の街にたくさんの外国人が来て住むようになったら、どうなるのか?」
ということを想像すると、不安を感じる人は多いと思う。
ネットを見ると、「日本への移民」を、ヨーロッパの移民問題に結びつけて、「実際以上の恐怖」を煽(あお)っているように見えるものが、いくつもある。

 

でも、現在の日本では、少子高齢化が進んでいることは事実。
このままでは、近い将来、働いて税金を納める人が少なくなるとことは、間違いない。
そうしたら、国のお金がなくなって、老人や障害者はもちろん、自分たちも困ることになる。

 

国の税収を上げるために、消費税をもっと上げるか?
15%や20%にしたらいいか?
国民としては、これも困る。
日本人だけでは、解決が困難なんだから、外国人移民を日本に呼んで働いてもらうということは、一つの解決策になる。

 

ボク個人としては、日本人だけで解決できるなら、それで解決することが一番いい。
個人的な外国人の好き嫌いは置いておいて、日本にとって良い解決策を考えること大切。
外国人移民が来たら困るかもしれないけど、移民が来なくて労働人口が減って、税収がなくなっても困る。
毎年20万人といいう数字別として、日本が外国人移民を受け入れて、日本で働いてもらうことは避けれなないと思う。

 

とはいえ、ヨーロッパの移民対策が、うまくはいっていなくて、その様子を見ると不安は感じてしまうのは事実だけどね。
ここ数年の、移民についてのヨーロッパでの出来事や動きを、次に書いてみますね。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。