今、韓国で「ハイブリッドラーメン」が人気らしい。
なんだそりゃ?
日本で「ハイブリッドラーメン」なんて聞いたことがないぞ。
と、思う前に「ハイブリッド」という言葉の意味を確認しておこう。
ハイブリッド【hybrid】
①雑種。
②異なった要素が混ざり合っていること。異なったものが組み合わされていること。混合。混成。
大辞林 第三版の解説
ハイブリッドの大ざっぱな意味は、「性質の違うものどうしを組み合わせて新しいものをつくる」ということ。
①の雑種がまさにそれ。
オスのロバとメスのウマを組み合わせてつくったラバは、ハイブリッドの代表的な例。
ハイブリッドの自動車では、電気とガソリンやディーゼルなんかを使って走っている。
ガソリンだけならガソリン車で、電気だけなら電気自動車だ。
こうしたハイブリッドの意味が分かってくると、韓国の「ハイブリッドラーメン」というものが想像できる。
要するに、別々のラーメンを混ぜてつくったラーメンのこと。
韓国情報サイトの[モウダ]から。
韓国人の生活に欠かせないものとなっている”インスタントラーメン”♡
そんな人気の韓国インスタントラーメンには種類もたくさん♪
最近はインスタントラーメン同士を混ぜ合わせて作る”ハイブリッドラーメン”が流行中なんです☆
ファミレスのドリンクバーで、いろいろな飲み物を混ぜて新しい飲み物をつくった経験があると思う。
発想はそれと同じ。
あれも「ハイブリッド・ドリンク」だ。
「韓国人の生活に欠かせないものとなっている”インスタントラーメン”♡」というのはまったくそのとおり。
韓国はインスタントラーメンの消費量が世界でもっとも多い。
産経新聞の記事にこう書いてある。
即席ラーメン消費、韓国がダントツ世界1位…「週5回」「1日3回」、背景に「スープ文化」
実は、世界で1人あたりの消費量トップは、ダントツで韓国だ。世界ラーメン協会(本部・大阪府池田市)が調査した世界総需要から1人あたりの消費量を算出すると、韓国は2011~15年の5年連続で1位。
韓国は世界一のラーメン大国だった。
もちろん、インスタントラーメンでのことだけど。
韓国がラーメン大国であるせいか、インスタントラーメンも韓国で生まれたものだとかん違いしていていた韓国人もいた。
こらこら。そんなわけはない。
インスタントラーメンは日本で発明されている。
もし知らなかったら、この偉大な発明は知っておいてほしい。
ときどき韓国から聞こえる「日本文化の起源は韓国にあった!」という韓国起源説とは違って、インスタントラーメンが日本で生まて韓国へ伝わったということは事実。
後から書くけど、その時の日本人の心意気もすばらしい。
韓国のためを思って協力した日本人がいたことを、韓国の人たちにも知ってもらいたい。
中には、こんなことを言っていた韓国人もいた。
「インスタントラーメンは韓国で生まれて、日本へ伝わったんだよ」
んなことはない。
でも何も知らないと、それを信じてしまう素直な人が出てくるかもしれない。
世界で初めてインスタントラーメンを作ったのは、日本の安藤百福だ。
安藤百福が1958年にチキンラーメンを発明したのが、インスタントラーメンの始まり。
日清食品のホームページにそのことが書いてある。
1958年8月25日、世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発売。創業者・安藤百福が発明した“魔法のラーメン”は、世界の食文化に新しい一歩をしるすことになった。
戦後の食糧難の日本で、ラーメン屋に行列をつくっている人たちを見たことから、安藤百福はインスタントラーメン作りを思い立つ。
そして妻のてんぷらを見て、世界初となるインスタントラーメンが誕生した。
この動画でそのことが紹介されている。
韓国で初となるインスタントラーメンは、1963年に三養ラーメンという会社が発売している。
当時の韓国は朝鮮戦争後の食糧難の時期であり、韓国人の主食であるコメの代わりに手軽に食べられる食品として考案された。
「ウィキペディア」
でもまあ、この部分はあまり重要ではない。
大事なことはこれ。
創業者の全仲潤(チョン・ジュンユン)会長が日本の明星食品から無償で技術供与を受け、2台のインスタントラーメン製造装置を入手して生産を開始した。
「ウィキペディア」
安藤百福が考案したインスタントラーメンが韓国へ伝わっている。
それもこのとき、明星食品は「無償で技術供与」をしている。
ふつうだったら、こんなことは考えられない。
「どんなにお金を積まれても、ウチの会社の技術だけは売らない!」ということの方がまだ理解できる。
「明星食品はよくタダで技術を提供したなあ」と感心してしまう。
三養食品の全氏から韓国の食糧難を聞いた明星食品の奥井氏はこう言っている。
SankeiBizから。
「全さん、全面的に協力しましょう。技術料はいっさい不要です。6・25戦争(朝鮮戦争)でお国はたいへんな災禍を受け、傷つかれました。(中略)民間外交のつもりでやりましょう。技術料はもちろん、ロイヤルティも不要です。設備いっさいの引き渡し価格1千万円で結構です」
朝鮮戦争が終わった後、韓国は悲惨な状態だった。
それを知った奥井氏は、破格の全面協力を約束する。
それで韓国のインスタントラーメンは生まれた。
どこの国の企業でも、技術の流出は大問題だ。
今では考えられない。
日本で生まれたインスタントラーメンが韓国へ伝わる。
今では韓国独自のインスタントラーメンが開発されている。
中国で生まれたラーメンが日本に伝わって、今では日本独自のラーメンが作られている。
それと同じ。
考えてみたら、韓国のインスタントラーメンも「日本と韓国とのハイブリッド」のようなものだ。
いろいろなインスタントラーメン混ぜ合わせて作る「ハイブリッドラーメン」という発想は、韓国人らしくておもしろいと思う。
最近、知り合いのアメリカ人が上下2つのドーナツで肉をはさんだハンバーガーをSNSで紹介していた。このカロリーモンスターもハイブリッド。
おまけ
韓国の屋台。
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日本や台湾でインスタント麺の消費量が少ないのは、生めんが普及して居るから
対して韓国では店でラーメンを頼んでもインスタント麺が出て来る、生めんはほとんど普及して居ない
そうですね。
韓国ではカルグクスといううどんはたくさんありますが、生めんのラーメンは少ないですね。
ただ最近は、日本のような生めんのラーメンも増えていますよ。
あと10年もしたら三養から明星に技術移転したことになっている
かくしてインスタントラーメンの韓国起源が完成
インスタントラーメンは日本で生まれたことはみんな知ってますからね。
これを韓国起源にするのは、ムリでしょう。
まあ、「まさか」が起こるかもしれませんけど。
インスタントラーメンの起源は韓国
その証拠に壁画の「手搏図」にインスタントラーメンを食べてる姿が描かれています
「手搏図」というものを初めて知りました。
韓国は奥深い国ですね。
何でも出て来る。