肌寒くなってきました。
ノーベル賞のシーズンですね。
でも、日本以上に韓国は盛り上がっているみたいですよ。
昨日、「今年こそ、韓国人のノーベル賞受賞者は出るか!?」という期待に満ちた韓国紙の記事を紹介した。
4日、スウェーデン王立科学アカデミーのノーベル委員会は生理学・医学賞と物理学賞に続き化学賞の受賞者を発表する予定だ。
この日の発表が特に関心を集める理由は、2014年の劉龍(ユ・リョン)基礎科学研究院研究団長以降、初めて韓国人が候補に入ったためだ。
「この日の発表が特に関心を集め」ていたのだけど、残念ながら今年もダメだった。
韓国人による受賞ならず。
もし受賞者が出ていたら、それは金大中(キム・デジュン)元大統領に続く2人目になるはずだった。
今のところ、ノーベル賞を受賞した韓国人はただ1人。
故金大中氏だけ。
今回は、その金大中氏がノーベル平和賞を受賞した理由を中心に書いていきたい。
世界的な有名人だから、一般常識として知っておいて損はない。
それにいつか韓国人と話すときがあったら、きっと役立ちますよ。
金大中(キム・デジュン)元大統領がノーベル賞を受賞したのは2000年。
今でもノーベル財団のホームページでその栄誉が紹介されている。
金大中氏がノーベル平和賞を受賞した理由は、主に「太陽政策」による。
太陽政策とは、1998年から2008年まで韓国政府が採用していた北朝鮮への外交政策のこと。
韓国と北朝鮮は、1960年にはじまった朝鮮戦争によって、およそ300万人の死者を出している。
現在の韓国と北朝鮮は休戦中。
朝鮮戦争が完全に終わったわけではない。
朝鮮戦争の韓国
関係が悪かった北朝鮮と和解するため、当時の金大中政権は太陽のように、あたたかくやさしく北朝鮮に対応することにした。
軍事的な圧力をかけるのではなくて、経済援助や相互の交流をはかろうとする。
太陽政策
「北朝鮮の頑な態度を改めさせるためには、圧力ではなく温情が必要であるとするものであり、軍事力で統一するよりも人道援助、経済援助、文化交流、観光事業を深めることで将来の南北朝鮮統一を図ろうとする外交政策」である。
「ウィキペディア」
それでノーベル財団のホームページには、「The Sunshine Politician(太陽の政治家)」と紹介されている。
“The Sunshine Politician”
South Korea’s President Kim Dae-jung was awarded the Peace Prize for his “sunshine policy” towards North Korea. By means of warmth and friendliness he sought to lay the foundations for a peaceful reunification of the two Korean states, which had been in a state of war since 1950.
By means of warmth and friendliness he sought to lay the foundations for a peaceful reunification of the two Korean states
「暖かさと親しみやすさによって、彼は2つの国の平和的な再統一の基盤を築こうとした」といった感じだと思う。
朝鮮半島はいつかまた、1つになれるのか?
これによって、たしかに韓国と北朝鮮の関係は劇的に良くなった。
その象徴が2000年6月、北朝鮮の平壌(ピョンヤン)で実現した南北首脳会談だ。
韓国と北朝鮮のトップが直接話し合ったのは、朝鮮戦争以来、これが初めて。
金大中氏がノーベル平和賞を受賞した最大の理由は、この会談を実現させたことによる。
翌年1991年には南北基本合意書が結ばれた。
南北対話
91年9月の南北朝鮮の国連同時加盟を経て,同年 12月には南北は「南北間の和解と不可侵および交流協力に関する合意書」に調印するとともに「朝鮮半島の非核化共同宣言」に合意した。
「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説」
朝鮮戦争をたたかった当事者からしたら、これは奇跡だ。
韓国と北朝鮮の距離がもっとも近づいたのは、このときだったと思う。
平壌では、金総書記自ら金大中氏を空港まで出迎えた。
これには世界が驚いた。
そのときから16年の月日が流れた今、両国はどうなっているのか?
最悪。
韓国と北朝鮮の関係は、最悪といってもいいぐらい悪化している。
今韓国は、北朝鮮の核・ミサイル攻撃の脅威にさらされている。
中央日報の記事(2017/09/28 )には、「戦争を覚悟しなければならない状況」という恐ろしい言葉もある。
河最高委員は北朝鮮の挑発に対応する韓国の反応が少ないほどむしろ北朝鮮の挑発は強まるだろうと見通した。「戦争を覚悟」しなければならない状況という説明だ。
彼は、戦争の可能性を尋ねる質問に「戦争を覚悟しなければならない状況」としながら「だから、北朝鮮の核兵器・ミサイル保有への意志があまりにも強くて我々が本当に戦争を覚悟する意志がなければ、この状況をまともに打開することはできないということ」と指摘した。
91年の南北対話で、韓国と北朝鮮はこのようなことに合意した。
・南北間の和解と不可侵
・交流協力
・朝鮮半島の非核化
でも今は、これが完全に覆(くつがえ)されたことになる 。
こうしたことを韓国と約束した北朝鮮は、その裏で核やミサイルの開発を進めていた。
韓国側からしたら、だまされた。
結果として、太陽政策で「和解が近づいた!」と韓国が油断したことが今の危機をむかえてしまった。
そんな見方もできる。
3年ぐらい前に韓国人の友人から話を聞いても、金大中氏の太陽政策について韓国では、支持する人と反対する人に大きく分かれるという。
その友人は否定派。
「あのときの太陽政策は正しいと思っていたし、金大中がノーベル平和賞を受賞したことも誇らしかった。でも結局、すべて間違っていた」と言う。
中央日報もコラム(2016年10月12日)でこう書いている。
金大中(キム・デジュン)元大統領がノーベル平和賞を受賞したからといって韓国が平和になったわけではない。むしろ北朝鮮の核のため危機感ばかり強まった。
だから今のところ、韓国国民のすべてが納得し賞賛できるノーベル賞の受賞者はまだ出ていない。
昨日ノーベル科学賞をとっていたら、全国5000万人が文句なしでよろこべたのに。
北朝鮮軍と向き合う韓国軍兵士。
結局、韓国と北朝鮮は今も対峙したまま。
このにらみ合いはいつまで続くのか?
こちらもどうですか?
日本の創造力、中国人や韓国人から見た日本人のノーベル賞の受賞
人種差別がなければノーベル賞だった日本人「北里、野口、梅太郎」
韓国人の女子大学生と靖国神社・遊就館へ。彼女の感想とショック
韓国の反日、東南アジアの反ヨーロッパ感情が違う理由(植民地)
コメントを残す