まずはイエメンという国の動画を見てほしい。
これは都市ではなくて、山間部にある村の様子。
「イエメンってどこだ?」という人も多いと思う。
イエメンはアラビア半島の先っちょにある国。
モカコーヒーの「モカ」とは、イエメンにある都市のこと。
モカ港から積み出されたコーヒーが「モカコーヒー」。
動画に出てくる女の子の服を見て、彼女たちが何の宗教を信じているか分かりますか?
髪を隠していたあの子たちはイスラーム教徒。
イエメンでは、国民のほとんどがイスラーム教を信仰している。
イスラーム教徒の女性の服装は特徴的だから分かりやすい。
次はこの写真を見てほしい。
全員イスラーム教徒の女性。
だいたいどのあたりのイスラーム教徒か分かりますか?
ヒジャブで髪を隠すマレーシア人のイスラーム教徒。
目だけは見せるニカブを着るイエメンのイスラーム教徒。
イエメン人は「ニカブ」だと言っていたけど、これは「アバヤ」という衣装かもしれない。
目も隠すブルカ
ブルカはアフガニスタンに多い。
このブルカを着るのは、けっこう大変らしい。
ブルカを着ている女性がこう言っている。
ブルカをかぶると、遮眼帯をつけた馬と同じように正面しか見えなくなる。それも眼を細め、メッシュの部分の揺れが収まり、ブルカを正しく着用していたとして、だ。斜め前をちらっと見る、などということは不可能。
頭全体を動かさなければ見えないのだ。「カブールの本屋 (イースト・プレス)」
遮眼帯(ブリンカー)をつけた馬(ウィキペディアから)
ブルカを着ると視界がこんな感じになるらしい。
イスラーム教徒の女性には、なんでこんな服装のきまりがあるのか?
それは主に、「女性は男性を欲情させないように」というイスラーム教の考えによる。
それでこうした女性の服装規定がつくられたという。
イスラーム教の聖典クルアーン(英語読み:コーラン)では、神(アッラー)はイスラーム教徒の女性に対して、美しさを目立たせないようにしたり、身体をヴェールで覆い隠したりするよう述べている。
ただ、この「美しさ」の解釈が同じイスラーム教でも国によってちがう。
上の3つの写真の女性で共通しているのは「髪」。
髪は美しい部分だから、イスラーム教徒であればこれはを隠さないといけない。
もちろん例外もある。
あとは、「顔を出してもいいか?」「目だけなら出してもいいか?」「目もダメか?」といった細かいところは、その国の宗教指導者によって決められる。
イエメンのイスラーム教徒
女性の美しい部分を隠すことによって、男性の欲情を抑えることができる。
「いやいや、女性がどんな格好をしていても、男性が欲情をおさえろよ」というのは当然だけど、イスラーム教の国でそれは通じない。
「Islam Religion」にはこう書いてある。
ヒジャーブは女性たちを知性や考え方に基づいたものではなく、性や欲情の対象として見なされること、または見た目や体型によって人に判断されることから解放します。
(中略)サウジアラビアやカタールなどの一部の国においては、それを服装規定として施行しています。それらの国では女性たちが頭髪を覆い、ゆったりとした長衣を衣服の上にまとうことが求められています。
この「Islam Religion」の記事には、ヒジャーブを着用することで、女性が職場でセクハラを受けることが減ったと書いてある。
インドの伝統衣装サリーを着た女性。
インドでは女性が腹を見せるのはいいけど、足(特に膝以上)を見せるのはNGだという。
これも男性を欲情させないためかもしれない。
ベトナムの伝統衣装アオザイ
アオザイは自分の体形にピッタリつくってあるから、太ってしまうと着れなくなってしまうらしい。
アオザイは素材によってはかなり高い。
「だから、ベトナムの女性は絶対に太ることができないんです」とベトナム人の女の子がけっこう真剣に言っていた。
この意味で、日本でもアオザイをほしい人はたくさんいると思う。
イスラーム教の国の中で、世界でもっと厳しい国がサウジアラビア。
「メッカ」と「ヒジュラ」というイスラーム教の聖地が2つもあるから。
*サウジアラビアは先ほどの地図だと、イエメンの上にある。
サウジアラビアは「女性が車の運転を禁止されている国」として世界的に有名だ。
こんな国は世界でサウジアラビアだけ。
でも、これはもうすぐ過去の話になる。
つい最近、女性が車の運転をすることが認められて世界的なニュースになった。
でもそれは来年からで、今はまだ運転することができない。
車の運転解禁のように、サウジアラビアでは女性の社会進出が進んでいる。
それでスポーツをしたい女性のために、女性向けのスポーツウェアも開発されている。
スポーツウェアを紹介するイベントも盛んに開かれているらしい。
女性用スポーツウェアといっても、それは当然サウジアラビアのイスラーム教の考え方にしたがったもの。
サウジアラビアの女性は外出するときに「アバヤ」という衣装を着る。
これは女性の義務。
アバヤ(ウィキペディアから)
ニカブとよく似ている。
基本的にニカブは手も隠すけど、アバヤは手足の先を出してもいいらしい。
サウジアラビアの女性用スポーツウェアもこのアバヤを元にしている。
それでこうなった。
なんかオバQみたい。
なんて言ったら怒られるのかな?
画像はNHKニュース(2017年10月5日)「サウジアラビアで女性向けスポーツウェア紹介の催し」のキャプチャー。
サウジアラビアのスポーツ庁の副長官によると、これでサウジアラビアの女性選手の東京オリンピック出場を目指すらしい。
だから東京オリンピックでこの姿を見られるかもしれない。
でも、このスポーツウェアはサウジアラビアの乾燥した気候にはいいけど、夏の東京だと熱中症で倒れそう。
こちらの記事もいかがですか?
イケメンすぎて国外退去のアラブ人とTGC。サウジアラビアという国。
サウジアラビアってどんな国?女性の運転OK!←日本の反応は?
沖ノ島と富士山にみる日本の女人禁制。理由は神道に?守るか変えるか。
東南アジアの「ゆる~い」イスラム教、仏像に手を合わせていいの?
コメントを残す