はじめの一言
「家の女たちは私が暑がっているのを見てしとやかに扇をとりだし、まるまる一時間も私を煽いでくれた。代金を尋ねるといらないと言い、何も受け取ろうとしなかった。(イザベラ・バード 明治時代)」
「逝き日の面影 平凡社」
今回の内容
・韓国の「変化」はなんで?
・日本が「はっきりと意思を示した」
・韓国の「変化」はなんで?
従軍慰安婦問題といえば、日韓の最大の外交問題といわれたほど大きな問題。
これは解決はしないんじゃないかなあ?
と思っていたから、昨年末に解決したことを知って本当に驚いた。
でも、なんでこの問題が最近になって解決したのか?
そりゃ、分かりません。
でも、10年以上韓国の新聞2紙を読み続けていて、ここ最近の韓国社会で「変化」があるように感じる。
ひょっとしたら、それが韓国政府に影響を与えたんじゃないかな?
それが「韓国人の反日感情で、韓国自身が苦しんでいる」というもので、それをテーマに今まで記事を書いてきた。
従軍慰安婦問題では、日本が「解決しましょうよ」と呼びかけても、韓国がその話し合いに応じなかったら何も始まらない。
韓国がなんで昨年末に話し合いのテーブルについたのか?
なにが韓国をそうさせたのか?
「反日感情で苦しむ韓国」というテーマで記事を書いていて、「韓国に変化をもたらしたもの」について思い当たることがある。
それは、日本側が韓国に伝わるように「はっきりと意思を示した」ということ。
ソウルの王宮(景福宮)
・日本が「はっきりと意思を示した」
今までの日本の外交で、こんな不満に思ったことはない?
何か問題がおきたときに、日本がいつもすること。
それが「遺憾の意を示す」というもの。
日本が遺憾の意を示したことで、解決した問題がどれだけあるのかさっぱり分からない。
けど、何か外交問題があるたびに日本は伝家の宝刀である「遺憾砲」を放っていた。
「今回も遺憾のイで終わりですか?」
そのたびに、そんな政府に対して国民がネットで遺憾の意を示す。
そんな感じだったのに、「あれ、ちょっと違うぞ」と感じたのがこれまで記事で書いてきた韓国への対応。
日本は遺憾の意だけではなくて、その意思をはっきり行動で示している。
5月には、韓国の反日感情にもとづく抗議があっても、海上自衛隊は旭日旗をおろさなかった。
2016年05月28日の「中央日報」の記事に、「独島艦とは一緒にできない…連合訓練拒否した自衛隊」というのがある。
このとき、海上自衛隊が旭日旗をつけて韓国の港に入ろうとすると、韓国の市民が韓国政府に抗議をした。
韓国ではこの旭日旗を「軍国主義の象徴」として問題視しているから。
これは韓国に独特な見方で、世界はそう見ていないけどね。
あと北朝鮮と中国ぐらいかな。
でも、海上自衛隊が旭日旗をつけていることは国際法で認められている。
だから、海上自衛隊は旭日旗を決して外さなかった。
それによって、韓国が港を変更している。
国際法と国内の反日感情の間で苦しんだ韓国の議員は、こう言っている。
議員は「韓日防衛協力の難しさを見せる場面」と述べた。
(「独島艦とは一緒にできない」…連合訓練拒否した自衛隊)
旗をおろすなんて、ありえない。
これは、豊臣秀吉の朝鮮出兵のときの朝鮮軍の旗らしい。
2012年には、韓国人の窃盗団による「対馬の仏像盗難事件」がおきている。
このときも、盗んだ仏像を日本に返さない韓国に対して、日本側ははっきり怒り(抗議)の意思を示した。
毎年おこなっていた「厳原港まつり対馬アリラン祭」から、「アリラン」の言葉を削除している。
「アリラン」とは韓国人なら誰でも知っている歌で、韓国を象徴するようなもの。
『アリラン』(朝鮮語:아리랑)は、朝鮮民謡。キキョウを掘る娘を歌った『トラジ』とともに朝鮮半島内外で最も有名なものの一つ。(ウィキペディア)
さらに、1980年からおこなっていた朝鮮通信使行列も中止する。
「遺憾の意を示す」と言葉で言うだけではなくて、このように具体的に怒りを行動であらわした。
そして、事件から4年だった今年の6月24日、朝鮮日報がこんな「読者の意見」をのせている。
韓日の国民感情にしこり 仏像は直ちに日本に返還すべき
・対馬の日本人の反韓感情は一層深刻になっているようだ。
・そのため裁判所は取りあえずこの仏像を返還させるべきではないだろうか。韓国の文化財はどれも非常に貴重なものだ。しかし確認もできない過去の問題にいちゃもんをつけ、何の意味もない摩擦を自分から起こすべきではないのだ。
そして、7月には韓国政府に変化があらわれる。
対馬で盗んだ仏像を「真の所有者に渡さなければならない」(朝日デジタル 7月7日)と言い出した。
2014年には、「ロッテホテルのドタキャン事件」が起きた。
このときは、日本の官房長官や外務大臣が遺憾の意を示しただけではなくて、その後、ロッテホテルを使わなくなった。
それまではよく利用していたんだけどね。
2012年にロッテホテルが営業利益を大きく落としたのは、この影響が大きかったはず。
「ロッテホテル」も2012年には447億ウォンだった営業利益が、2014年は243億ウォンに激減したという。
これはインド
さらに、2015年には、産経新聞の前ソウル支局長が起訴されたことについて日本政府は韓国に強く抗議し、日本の外務省のホームページから「(韓国が日本と)価値を共有する」という表現を削除した。
これらを見ていると、「遺憾の意を示す」以上のことをしていることがわかる。
日本政府や日本人が抗議の意思を、強気の行動で示している。
そもそも、「言う」ということと「伝える」ことは違う。
言ったとしても言いっぱなしで、相手にその内容が伝わっていなかったら意味がない。
もちろん、「日本側がはっきり意思を示したことで、すべてがうまくいった」という短絡的なことをいうつもりはないよ。
それぞれの問題では、解決に向けて他にもいろいろなことが行われたはずだろうしさ。
「遺憾の意を示す」だけですべて解決できないように、「強気で行動する」だけですべての問題が解決するわけがない。
それぞれをうまく使い分けることが大事。
要は、対話と圧力のバランスだよね。
対話だけでも圧力だけでもうまくはいかない。
でも、ここ最近の日本と韓国を見ていると、日本が強気で意思をはっきりとしめした方がうまくいっている気がする。
こちらの記事もいかがですか?
韓国への謝罪 いつまで?なぜ、終わらない?ドイツとの違いは?
コメントを残す