日本とタイには、共通点がけっこうたくさんある。
例えば日本もタイも、欧米の植民地にはならないで独立を守ってきた。
日本とタイは立憲君主制の国でもある。
それぞれ憲法があって、日本には天皇、タイには国王がいる。
それに日本にもタイにも仏教徒が多い。
日本にとってタイは、東南アジアで一番早く国交を結んだ国でもある。
日本とタイの決定的な違いは、タイには徴兵制があること。
憲法9条のある日本で徴兵制はあり得ない。
そして徴兵制度にも、タイの”らしさ”があらわれている。
ヤフーで「タイ 徴兵」と入力して検索すると、こんな画面が出てくる。
そう。
タイの徴兵にはなんと「くじ引き」があるのだ。
上の画像の「確率、免除、失神」という単語はこのくじ引きに関連するワード。
抽選箱には陸軍・海軍・空軍(3つをまとめて赤票)・徴兵免除(黒票)の4つのくじが入っており、これらを箱から手で引くことになる。
三軍の中では特に海軍の訓練が厳しいことで有名で、くじ引きの結果海軍への入隊が決まった者がその場で気絶したこともあった。この模様はタイ全土にテレビ放映され、毎年の恒例行事の1つとなっている。
タイ人から「赤を引いたら、軍隊へ行くんです」という話を聞いたときは驚いた。
まさに「ハズレを引いたら、さようなら」という状態。
ボクも日本のテレビ番組で、このくじ引きの様子を見たことがある。
赤を引いて軍隊行きが決定した男性がその場で大泣きして、会場を出て行ってしまう。
そして、泣きながら木を何度も蹴とばす。
「タイらしいなあ」と思ったのは、この様子をテレビで全国生中継すること。
軍隊行きが決まるというのは、本人にとっては人生最大の不幸のひとつのはず。
悪気はないと思うけど、タイの国民はそれをテレビで見てを楽しんでいる。
日本だったら、こんな場面をテレビ中継することはないだろう。
日本でくじ引きの生中継なんて、高校野球で対戦相手を決めるときかドラフト会議のときぐらいなもんだ。
タイの徴兵では、「ニューハーフ」もよく話題になる。
タイにはニューハーフが多い。
バンコク出身のタイ人に聞いたら、彼の高校ではクラスに2~3人のニューハーフの生徒がいたという。
ニューハーフも徴兵が免除されるから、軍人にならなくていい。
タイでは4月に徴兵検査がおこなわれている。
これもタイらしいと思うのだけど、毎年「かわいすぎるニューハーフ」がマスコミの注目を集める。
それで去年のこの時期に、こんな記事を書いた。
2017年の徴兵検査にあらわれた「かわいすぎるニューハーフ」がこの人。
「Tuwayihp Oap」という人がこのときの様子を動画に撮ってFacebookに投稿している。
この子を軍に入れたら、タイ王国軍はきっと内側から崩壊する。
警官(職員?)と一緒に写真を撮るところもタイ人らしい。
今年も4月になって、タイでは徴兵検査のシーズンになった。
2018年の「かわいすぎるニューハーフ」として騒がれたのがこの人、「ロック・クワンラダー」というタイ人。
「タイランドハイパーリンクス」の記事(2018年4月2日)にそのことが書いてある。
タイ中部ナコンパトムの徴兵検査会場にはロック・クワンラダーが登場。実は彼、タイのニューハーフNo.1コンテスト「ミスティファニーユニバース2017」で2位に輝いた美貌の持ち主。
本人のインスタグラムでご尊顔を見てほしい。
男のおもかげがあるような、ないような。
徴兵検査という国家の重大事でとてもマジメなことでも、国民は「娯楽」として楽しんでいる。
このへんが本当にタイ人らしいと思う。
おまけ
この記事の後、また一人、逸材が現れた。
「รินรดา ธุระพันธ์」というお方。
兵役検査を受けて、みごと不合格になった。
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