トヨタがタイで、レクサスを売ろうとがんばっている。
高級車レクサスのライバルは、同じく高級車のメルセデスやBMWなどなど。
ただ、レクサスにはウィークポイントがあった。
それは価格。
レクサスは日本製。
日本でつくってタイに輸出している。
輸入品だから当然、関税がかかる。
これがレクサスの販売価格に上乗せされる。
だからタイで生産しているメルセデスやBMWと比べると、レクサスの値段はどうしても高くなってしまう。
そんなハンディをかかえて、トヨタはタイでどうやってレクサスを売っているのか?
そのカギは、日本の「おもてなしの心」でした。
上に書いた内容は、「newsclip」の記事にあったもの。
これ↓
値の張るレクサスをタイ人に売るため、トヨタは日本流のおもてなしでタイ人の心をつかんでいる。
それはどんなサービスか?
それを上の記事から簡単に書いていく。
・タイではふつう、新車ディーラーは17時まで営業している。
だけど、レクサスのディーラーは19時まで店を開けているから、客は仕事が終わった後に寄ることができる。
試乗もOK。
・ディーラーのショールームにあるドリンクは、メニューが豊富で飲み放題。朝食のサービスもあるという。マジかよっ。
・雨が降った時には、折りたたみ傘を貸し出すサービスがある。
・もし車の整備に時間がかかるときは、客は近くのデパートに買い物に行くことができる。もちろん、運転手が最新型のレクサスで送り迎えをしてくれる。
・客がレクサスを購入すると、こんなサービスを受けることができる。
1、トヨタがゴルフ場を貸し切っておこなうゴルフ大会に参加できる。
2、ときには映画館を貸し切って映画の先行上映会をおこなう。だから、客は一足早く映画を観ることができる。
3、クルージングや高級ホテルのシェフによる料理教室に参加することができる。
ボクは日本のレクサスのディーラーに行ったことがないからそれと比べることはできないけど、このサービスを見る限り、まさに至れり尽くせり。
トヨタはタイ人の心をつかむために、こんな日本流のおもてなしやサービスをしている。
タイといえば、トゥクトゥクが有名ですね。
でもこれは実は「日本製」だったりする。
くわしいことはこの記事をどうぞ↓
ここからは歴史の話。
日本のおもてなしは世界で通じる。
この日本流サービスの「原点」のような人がいる。
それが三井高利(みついたかとし)という江戸時代の人。
「お客様第一(カスタマー・ファースト)」を実現し、越後屋を大繁盛させた伝説の人物。
三井高利は高校の日本史で習う。
越後呉服屋
三井高利が1673年に江戸に開いた呉服店。「現金掛け値なし」と切売り商法で繁盛。両替商も兼業。幕府の御用(達)商人。明治期になって分立し、現在の三越百貨店につながる。
(日本史用語集 山川出版)
この「現金掛け値なし」というのは、定価制で販売するということ。
つまり、ぼったくりなし。
定価制での販売は越後屋の三井高利が世界で初めておこなった。
このことからも、三井高利のおもてなしの心やサービス精神が見えてくる。
タイのサムライバーガー
テリヤキバーガーのこと。
三井高利は、今でいうイージーオーダーやチラシ配りも始めた。
今のトヨタは「折りたたみ傘を貸し出すサービス」をタイ人に提供している。
これを日本で初めておこなったのも三井高利だろう。
このサービスが江戸の人たちの心をつかんだ。
三井広報委員会のホームページにこう書いてある。
「江戸中を越後屋にして虹が吹き」という川柳がある。三井の事業の始まりであり、三越百貨店の前身である呉服店「越後屋」は、にわか雨の時に、店章入りの傘を多くの客に貸し出していた。
三井高利はボランティアでこれを始めたわけではない。
ここに書いてあるように、これには「店の宣伝」という目的もあった。
「江戸中を 越後屋にして 虹が吹き」という川柳は、大勢の人たちが店章入りの傘をさして江戸を歩くことで「越後屋の虹が吹い」という状態を言っているのだろう。
三井高利がしたのは、親切だけでも金もうけだけでもない。
その両方を嫌味なく組み合わせた。
それで江戸っ子の心をつかみ、越後屋は日本史に残るような店となる。
「芝居千両、魚河岸千両、越後屋千両」と呼ばれ、1日千両の売り上げを見るほど繁盛した。
トヨタも日本流のおもてなしやサービスで、「バンコクの越後屋かよっ」というぐらい繁盛してほしい。
それはトヨタだけじゃない。
他の日本の自動車メーカーもぜひぜひがんばってほしい。
ボクは20年ぐらい前から旅行でタイへ行っている。
その間でガッカリしたのが、タイでの日本の家電メーカーの凋落ぶりで、韓国のサムソンやLGに負けているのだ。
タイの空港の看板は、前は日本の家電メーカーのものだったけど、最近では韓国の家電メーカーのものに替わっている。
日本の家電メーカーの存在感がどんどん低下しているのを肌で感じる。
さみしいこと限りなし。
このサムソンの巨大な看板も、以前は日本の家電メーカー(ソニー?パナソニック?)だった。
日本の自動車メーカーも「バンコクを 日本車にして 虹が吹き」というぐらい、タイで日本車を流行らせてほしい。
その際には、日本流のおもてなしの元祖である三井高利のサービス精神が参考になるかも。
願いごとが「3倍速くかなう」というピンクガネーシャに祈ってもいいかも。
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