タクシー代がタダ!「広告費で無料サービス」を始めた日本人は?

 

「タダでゲームができる」なんてことは、今じゃふつう。

でも、昭和に育ったボクからしたら、初めて聞いたときはあり得ないと思った。

無料でゲームをさせて、どうやってもうけるのか?
おもちゃ屋でゲームソフトを買っていた人間には、そのシステムがさっぱり分からない。
子どもにとってゲームソフトは大金。
それが無料とは!
選びに選んだゲームがクソゲーだったときのガッカリ感を知っている人間にとっては、うらやましいこと山のごとし。

でも、その仕組みを聞いたら納得。

世の中はうまいことできている。
世の中にはうまいことを考えつく人がいる。

そして、いよいよこんな時代が来た。
なんと無料でタクシーが乗れるらしい。

産経新聞の記事(2018.5.8)にそれが載っている。

最年少社長として15歳で起業したことで知られる若手実業家が、平成31年3月から、日本で初めての無料の配車・運行サービスを始めることが分かった。

日本初 運賃無料“タクシー”運行へ 「15歳起業」の若手実業家が新会社

未来ずら~。

 

 

これをやるのは若手実業家。
ボランティアじゃないから、無料で提供して、しっかりもうけを出さないといけない。
でその方法は?

これは分かると思う。
無料動画でよくある広告費だ。
広告を見てもらうことで、動画の視聴をタダにする。

無料タクシーもそれ。
タダで走る代わりに、客には走行中の車内で店や商品の宣伝を見てもらう。
それでスポンサー企業から広告費をもらう。

 

このアイデアにネットの反応は?

・タクシー業界が黙っちゃいねえずら(´・ω・`)
・一歩進めて、スマホで宣伝が表示されている店に向かう場合は割引とか
・ワンメーターは広告でいいね
そのくらいなら見てくれる
・運転手の人件費分も稼げないだろ・・・。
一日何人がその広告を見るのかな・・・
・こんなの誰でもかんがえる。そしせ考えても普通はやらない
・無料じゃなくとも目的地まで電車賃相当とか1km100円とかで長く続けられるサービスのほうがいいんだけど
・実態は個人情報と交換なんじゃない?
・バスが広告で無料になってないからかなり厳しいとは思うが
・お前らがこのタクシーに乗ったら育毛抜け毛関係広告或いは風俗店ばかり案内されるだろう。
・無理でも何でも行動に移すことがたいしたもんだ

これがうまくいくかどうかは分かりません。
でも、浜松に登場したら使いたい。

 

 

日本初の無料タクシーが成功するかどうかは、15歳起業の社長にまかせるとして、ここではこのサービスを考え出した日本人を紹介しようと思う。

広告費と引きかえに、無料でサービスを提供することを始めた人物。
それを日本で初めて始めた人は、ボクが知る限りでは、江戸時代の三井高利(たかとし)。

この人は高校の日本史で習う。
一般常識として知っておいていい人物だ。

越後呉服屋

三井高利が1673年に江戸に開いた呉服店。「現金掛け値なし」と切売り商法で繁盛。両替商も兼業。幕府の御用(達)商人。明治期になって分立し、現在の三越百貨店につながる。

「日本史用語集 (山川出版)」

三井高利がいなかったら、三越百貨店もなかった。

 

 

三井高利は、サービス精神と行動力でできている。
今でいうイージーオーダーやチラシ配りも始めたのもこの人。

さらに雨が降ったら、こんなサービスを提供していた。

三井広報委員会のホームページから。

「江戸中を越後屋にして虹が吹き」という川柳がある。三井の事業の始まりであり、三越百貨店の前身である呉服店「越後屋」は、にわか雨の時に、店章入りの傘を多くの客に貸し出していた。

越後屋の宣伝にもなった「貸し傘」

 

雨が降ったら困るだろうと、客に傘を貸し出す。
でもその傘には越後屋の紋章がデザインされている。
だから傘を開けば客は雨にぬれないし、店は宣伝をしてもらえる。
まさにウィンウィン。

「江戸中を越後屋にして」という宣伝効果は絶大だったはず。
江戸をジャックするようなものだから。

 

 

三井高利が考案して始めたサービスのポイントは、「誰でもできる」という点。

傘を貸し出したりチラシを配ったりすることは、普通の人でもできる。
特別な才能や技術力をもった人しかできないことだったら、世の中には広がらない。
それじゃ時代を変えられない。

誰にでもできて、誰も気づかなかったこと。
それを見つけて世に出すと、こうなる。

「芝居千両、魚河岸千両、越後屋千両」と呼ばれ、1日千両の売り上げを見るほど繁盛した。

越後屋誕生と高利の新商法

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。