「平昌五輪での”あれ”は、いじめではなかった。コミュニケーションの問題だった」
韓国の文化体育観光部(日本のスポーツ庁のようなところ)が、最近そんな発表をおこなった。
中央日報の記事(2018年05月23日)
団体追い抜き予選競技で発生した「置き去り走行」については、良くない意図で最後の1周で速度を上げたり特定選手がわざと遅く走行したという疑惑は事実ではないと判断されると明らかにした。
「いじめ騒動」韓国女子団体追い抜き、「事実でない」
「いじめではない」と言うのはいいけど、平昌五輪といえば、もう3ヶ月も前のことなんだが?
今さらそんな発表をして、何がどうなるのか。
どうせなら、もっと早くそれを言ってほしかった。
そうすれば、キム・ボルム選手が”国民の敵”となって、あれほど激しい攻撃を受けなかっただろうに。
キム・ボルム選手は、上の記事の「いじめ」をおこなったとされるスピード・スケートの女子選手。
平昌五輪の競技中、世界が見ている中で同じ韓国選手を”いじめた”ということで、韓国民から猛烈なバッシングを受けた。
それで別の競技(マススタート)で銀メダルを取ったあと、キム選手はリンクの上に韓国旗を置いて、それを前に”土下座”をして韓国民に謝罪した。
*その写真は上の中央日報の記事にある。
日本の高木菜那選手がこの競技で金メダルを取ったから、このときのことを覚えている人は多いと思う。
韓国人の性格は激しい。
それは知っていたつもりだったけど、甘かった。
まさか自国の五輪選手をあそこまで追いつめるとは思わなかった。
これからその出来事を書いていこうと思う。
韓国にいる外国人は、韓国には個人より「私たち」を優先する温かい文化があるとホメていた。
たしかにそれも韓国人の性格、国民性ではある。
でも、だからこそ、「私たち」に恥をかかせた韓国人には容赦ない。
平昌五輪で、カナダのメディアが「今大会で最も失望させる場面」と伝えるシーンがあった。
中央日報の記事(2018年02月21日)
カナダのグローブ・アンド・メールは20日、「今回のオリンピックで最も失望させる場面」と題し、「エリートスポーツで弱者を苦しめる気分の悪い話がテレビで中継された」と報じた。
<平昌五輪>「今大会で最も失望させる場面」…海外メディアが報じる韓国「団体追い抜き」
「弱者を苦しめる気分の悪い話」というのは、「オリンピック競技中での公開いじめ」のこと。
これが先ほど出てきた「置き去り走行」になる。
団体追い抜きは3人1組でおこなわれる。
「みんな一緒に」という競技のはずだけど、韓国の女子チームは、2人の選手が残り1人を大きく引き離したままゴールしてしまった。
テレビを見ていた韓国の人たちは、「全世界に中継されている場で、韓国人選手2人が1人をいじめた」と感じた。
韓国チームは予選落ち。
競技後、キム・ボルム選手がインタビューで、遅れた選手に敗因を押し付けるようなことを言う。
これで国民が激怒した。
自身のSNSに非難が殺到したことから、キム選手はすべてのSNSのアカウントを閉鎖する。
キム選手は公開の場で泣きながら謝罪したけれど、それぐらいでは国民は許さない。
1人の選手をいじめたことだけではない。
この様子が「今大会で最も失望させる場面」と海外メディアに報じられてしまった。
別の海外メディアも、これを記事にして伝えている。
キム選手は大韓民国のメンツに傷をつけてしまった。
韓国人は彼女を許さなかった。
「キム・ボルムは韓国代表にふさわしくない。韓国代表資格をはく奪するべきだ」と、60万人以上の人が大統領府に国民請願をおこなう。
キム選手のスポンサー企業には、ボイコット(不買運動)をほのめかすメールを送りつける。
それで、その企業はキム選手の支援を止めた。
こういうのを見ると、韓国人の性格は本当に激しいと思ってしまう。
「国民の敵」になったキム選手は心に深い傷を負う。
心労から、食事をすることもむずかしくなる。
仏教徒だったキム選手は、お坊さんからなぐさめの言葉をかけてもらった。
でもその話が世間に伝わると、「仏教信者の評判を汚す」とまた攻撃された。
その後出場したマススタートで銀メダルをとったのだけど、キム選手はリンクの上で国民に”土下座謝罪”した。
産経新聞の記事(2018.2.25)で、本人があれは土下座だったと言っている。
「土下座は自分の言動を韓国国民に謝るため。ごめんなさいという思いしかありません…」と絞り出すのが精いっぱいだった。
氷上の“土下座”で韓国世論が軟化 “魔女狩り”受けたキム・ボルムに代わる標的は…
この場面を、テレビやネットで見た人は多いと思う。
銀メダルを取った直後に、土下座する五輪選手なんて見たことがない。
これには日本中があ然とした。
これを見て、韓国民もようやくキム選手を許す雰囲気になってきた。
それでも、20代の女の子が国民から総攻撃を受けた傷は、簡単には癒えない。
平昌五輪が終わった後、キム選手は精神科に入院して治療を受けることになった。
でも、キム選手の苦しみは終わらない。
朝鮮日報の記事(2018/03/15)によると、母親も精神病院に入院してしまった。
関係者は「現在、キム・ボルムの母親もストレスで入院している。追加検査の結果がまだ出ていないため、正確な入院期間は分からない」と話している。
「土下座の銀メダリスト、キム・ボルムが精神科に入院」
日本人もいじめはするし、SNSで個人攻撃をすることもある。
でも、ここまではしない。
自国の五輪選手を、SNSアカウントの全閉鎖まで追い込んだことはない。
銀メダルを取った選手に、土下座して謝罪させるほど追い詰めることも、日本人だったら考えられない。
選手と母親を精神病院に入院させるほど攻撃するのは、異常としか思えない。
もちろん、すべての韓国人がこうしたわけではない。
こんなバッシングを非難する人もいた。
でも全体的な傾向として、韓国人の性格は激しい。
「敵」と見なされたら、ネットで徹底的な個人攻撃をおこなう。
外国人選手も犠牲者になった。
五輪ホスト国の韓国がそんなことをしたため、平昌五輪の期間中、中央日報がこんな社説を載せた。
繰り返される非理性的・反人格的「サイバーテロ」は韓国のインターネット文化の悪習だ。人身攻撃と魔女狩りから歪んだ愛国心による悪質なコメント、そしてネット上でさらし者にまでする。
「平昌五輪での”あれ”はいじめではなかった」と発表するのはいいけど、もっと早くしてほしかった。
そうしたら、選手と母親が精神病院に入院しなくてすんだかもしれない。
バッシングのとき、文化体育観光部は国民の怒りをおそれて、キム選手を守っていなかったように思う。
韓国政府が国民感情をおそれて、慰安婦像を動かせないでいる事情も分からなくはない。
でも国家のプライドをかけて、像は撤去してほしい。
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