今回は、みんな大好き(え?)サウジアラビアとイランの話。
サッカーW杯ロシア大会では、アジアから出場したイスラーム教の国がこの2国。
サウジとイランは日本のライバルでもある。
W杯の予選で、日本が最後に負けたのがサウジアラビアだった。
これからイスラーム教と女性、サウジアラビアとイランでの女性の自動車運転とサッカー観戦について書いていこうと思う。
まずは、下の地図でそれぞれの国の位地を確認しよう。
イランのチャードル
女性が外出するとき、このチャードルを着用するようイラン政府はすすめている。
サウジアラビアのアバヤ。
女性が外出するとき、アバヤを身につけることが法律で決められている。
女性の服装(肌の露出)という点では、イランよりサウジのほうが厳しい。
では、車の運転はどうか?
サウジアラビアの国旗
アラビア語で、「アッラー(神)の他に神はなし。ムハンマドはアッラーの使徒である」と書いてある。
サウジアラビアとはこんな国
面積:215万平方キロメートル(日本の約5.7倍)
人口:3,228万人で、日本の約4分の1
首都:リヤド
リヤドはアラビア語で「庭園」という意味。
民族:アラブ人で、言語はアラビア語(公用語)
宗教:イスラーム教
以上の数字は、外務省ホームページのサウジアラビア王国 基礎データから。
サウジアラビアは「世界で唯一、女性の自動車運転が禁止された国」だった。
つい最近まではね。
ここ数年、サウジアラビアは大きく変化している。
女性の権利がいろいろな分野で認められるようになってきた。
車の運転もそのひとつ。
2017年にサルマン国王が女性の運転を認めるよう国王令を出す。
2018年6月4日、女性に運転免許が発行された。
そして6月24日に、女性がハンドルを握った車が公道を走る。
この日、サウジアラビアの歴史が変わった。
ただ国がOKしても、国民がそれを認めるかは分からない。
女性の権利拡大をよろこばない人たちもいる。
伝統的な価値観や社会の慣習が変わることに、サウジアラビアの保守派が反発している。
そういう意見を述べるのはいい。
でも、これはやりすぎ。
NHK NEWS WEBの記事(2018年7月6日)から。
イスラム教の聖地メッカに近い町の警察は4日、運転免許を持つ女性の車に火をつけた疑いで、男2人を逮捕したと発表しました。
「運転解禁のサウジアラビアで女性の車に放火 男2人逮捕」
サウジアラビアの女性が自由に安心して車を運転できる日は、まだ先のようだ。
このニュースに日本のネットの反応は?
・イスラム教って、本当に女性の運転を禁止してるの?
出来たときは車なんてなかったのに。
・サウジのお前らの犯行か
・男はココロが狭いから
・サウジアラビアは日本と比べて女にとって天国やぞ。
・男は宗教と神の名を利用し女を単に見下して自分優位の立ち位置を守りたいだけでは?
・イスラムって女がスタジアムでサッカー見るのもダメなんだろ
・なるほど。運転女をオトリにして、国内のオッチョコチョイ過激派を炙り出す作戦か
・サウジよりもっと厳しいイランでは女性運転手がワリといるのにな
サッカー観戦については、サウジアラビアはOKでイランはNG。
サウジアラビアでは今年1月に解禁された。
AFPの記事(2018年1月13日)から。
ジッダ在住の別の女性もAFPに対し、「今まで、私の兄弟は会場に行っていたのに、私は家のテレビで観戦しなければならず、『なぜ私は行けないの?』と繰り返し自問していた。でも今日はそれが変わった。幸せで、喜ばしい日だ」と語った。
だから、「イスラムって女がスタジアムでサッカー見るのもダメなんだろ」ということはない。
この他にも、本当かどうか分からないけど、こんな書きこみもあった。
・自衛隊がイラクのサマワに駐屯していた時に、
日本が支援して自衛隊が設置した、
未亡人のための裁縫教室も、
女が自立することに反発する現地男性に襲撃されて破壊されてた
なんつーことをしやがる。
ところで、先ほどこんな書きこみがあった。
・サウジよりもっと厳しいイランでは女性運転手がワリといるのにな
そう。
イランでは前から、女性の自動車運転が認められている。
ボクは数年前に旅行者からこれを聞いて、「へ~」と意外に思った。
そんなイランとはこんな国
面積:1,648,195平方キロメートル(日本の約4.4倍)
人口:8,000万人(2016年)
首都:テヘラン
民族:ペルシャ人(他にアゼリ系トルコ人,クルド人,アラブ人等)
言語:ペルシャ語,トルコ語,クルド語等
宗教:イスラム教(主にシーア派),他にキリスト教,ユダヤ教,ゾロアスター教等
この数字は外務省ホームページのイラン・イスラム共和国(Islamic Republic of Iran) 基礎データから。
「ゾロアスター教ってなに?」と思った人がいるかもしれない。
日本でも意外なところにある。
イランでは10年以上前から、女性の運転が認められていた。
イランに住んでいた日本人女性がブログでこう書いている。
ここイランでは、女性運転手が運転する女性専用タクシー会社が2006年11月13日からテヘラン南部エリア19内で設立しました。
イランでは女性だけだと、男性が運転するタクシーに乗ることができなかった。
それで女性が運転するタクシーを導入したところ、これが大当たり。
現在では、女性ドライバーの存在は珍しくないらしい。
ただイランの女性ドライバーには、イラン=イラク戦争で夫を亡くした女性が多いという。
ここでは、車を燃やされることも「女が自立することに反発する現地男性に襲撃されて破壊された」ということもないだろう。
ということで、女性のサッカー観戦ならサウジアラビアのほうが進んでいる。
でも、車の運転については、イランのほうが進んでいる。
ところで、サウジアラビアで女性のタクシードライバーが誕生するのはいつだろう?
イランの国旗
緑色はイスラーム教、白色は平和、赤色は勇気を表している。
白字で「アッラー・アクバル(神は偉大なり)」の言葉が上に11、下に11個書かれている。
よかったら、こちらもどうですか?
ピカチュウ(ポケモン)の進化は、「反イスラム教」だから禁止です。
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