イエメンという国:旅行・モカコーヒーとは・児童婚という闇

 

はじめの一言

「女性に関しては、その魅力はまばゆいばかりである。そのまばゆさの由って来るところは、彼女たちの肉体的優美さ、そのもてなしの技術、また、世界中の風俗が創案したもっとも調和のとれた服装であるその着物にある
(モラエス 明治時代)」

「日本絶賛語録 小学館」

 

 

いきなりだけど、イエメンの首都サヌアです。
イエメンの雰囲気をつかんでくだされ。

 

今回の内容

・イエメンという国
・児童婚という闇

前回の、「児童婚」のことを書いた。

この児童婚が特に多くおこなわれていて、問題視されている国がアラビア半島のイエメンという国。

でもその前に、「イエメンって?」という人もいると思う。
ということで、イエメンという国の簡単な紹介から。

場所はアラビア半島の先っちょ。

 

でもって、こんな国だ。

イエメン(Yemen)

アラビア半島南部の共和国。
首都サヌア。
宗教はイスラム教。
コーヒー・綿花・皮革品などを産出。
1918年にオスマン帝国から王国として独立し、62年に共和制になった

イエメン‐アラブ共和国(北イエメン)と、67年に英国から独立したイエメン民主人民共和国(南イエメン)が、90年5月に統合。

(デジタル大辞泉)

はい、上の文の「コーヒー」というところに注目!

日本でもおなじみの「モカ・コーヒー」の「モカ」とは、このイエメンにある港のこと。

アラビア産のコーヒーはかつてはイエメンのモカ港から積み出されたため,モカコーヒーの名がある

(世界大百科事典内のモカコーヒーの言及)

イエメンのおっさん

 

イエメンの「モカ港」から積み出されたコーヒーだから、「モカコーヒー」と呼ばれるようになった。

天津の港から出荷される栗が、「天津甘栗」と呼ばれるようになったのと似てる。
ちなみに、中国では「天津甘栗」というものはない。
「天津飯」という食べ物もない。

人口 23,580,000人(2008年)で、日本の約5分の1。
面積 527,970km2 日本が「378,000 km²」だからその約1.5倍。

かつては「幸福のアラビア」と呼ばれていたこの国も、最近ではイスラーム過激派によるテロが多発する危険な国になってしまった。

 

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イエメンのレストラン

 

・児童婚という闇

ネットで「イエメン」と検索すると、治安やコーヒーといった言葉とともに「児童婚」という言葉も出てくる。

これがイエメンで大きな問題になっている。

他のアラビア半島の諸国に比して近代化が進んでいるとはいえ、イエメンもまたイスラームの保守的解釈から来る人権侵害と無縁ではない。
イエメンは女児の結婚最低年齢に関する法律がない。
これはイエメンは女子の結婚最低年齢に関して、イスラーム法上一般的な9歳という解釈を取っていない為である。

(ウィキペディア)

この「9歳」という年齢については前回の記事で書いたから、興味がある人は見てみて。

イエメンではこのため、9歳以下の女の子との結婚が可能になっている。
こんな国はイエメン以外にあるのか、ボクは知らない。

 

このイエメンでの児童婚の現状はこんな感じらしい。

少女の夢を奪う「児童婚」――サレハ大統領後のイエメンから

全世界で、児童婚させられている少女は約5000万人と言われるが、なかでもイエメンはその傾向が顕著な国のひとつだ。
イエメン政府と国連のデータ(2006年)によっても、15歳未満で結婚する少女が約14%、18歳未満で結婚する少女は約52%に上る。時には9歳にも満たない幼女まで強制結婚させられているのが現実だ。

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イエメンのこどもたち

 

・旅したイエメン

以前、イエメンに旅行をしたことがある。
そのときに、イエメン人にこの児童婚のことをきいてみた。
話をきいたイエメン人は、こんなことを言う。

「最近は変わってきているよ。児童婚への批判の声は高まって、都市部では減っている。けれど、地方の田舎では、全然変わっていないな。イエメン人といっても、都市部と地方の人間とでは、まったく違う人間なんだ。考え方も教育もまったく違う。地方ではまだまだ児童婚が多い。でも、貧困や教育の問題もある。すぐには変えられないだろう」

話を聞いたイエメン人は英語を話すガイドだったから、高い教育を受けていて進歩的な考え方をもっている人だと思う。
そうした人はイエメンでは少数なんだろうけど。

先ほどの記事では、イエメンの児童婚をなくすために、法律を整備することを提案している。

イエメンの次期政権は、少女と女性の人権保護を最優先課題とすべきであり、まずは18歳未満の婚姻を法律で禁止することから始めるべきである。

法律の力で児童婚を減らしていけたらいいけど、実際にはどうだろう?

法律をつくることより、国民にそれを守らせることの方が難しい。
特に、イエメンの地方の人間に守らせることは至難の業だと思う。
イエメンでは、法で支配できるのは都市部ぐらいらしい。
地方や村では、ボスのような人間が法や警察よりも大きな力をもっている。

 

イエメンでは、先ほどの英語ガイドと一緒にいくつかの村をまわっていた。
ある村で、一人で行動しようとしたところ、こんな注意を受けた。

「この村では自由に行動していいけど、この村からは出るなよ。この村には知り合いがいるから、何か問題が起きてもオレが解決できる。でも、隣の村には知り合いがいないから、何か起きてもオレはどうしようもできない。警察も役に立たない」

ここから、先ほどの話になる。
「イエメンでは、法律よりも警察よりもその地方を治める一族やボスが力を握っているんだ」と。

 

イエメン

 

イエメン人にとって、児童婚はふれてほしくない話題だったと思う。

「こんなことを聞いたら、失礼なのかな?」と思って正直にきいたら、英語ガイドはこんなことを言う。

「そんなことはないさ。君のような外国人まで、そのことを知るようになったのは良いことだ。今まではそんなことがあっても、外部の人間が知ることは絶対になかったから。情報がオープンになっているのは、この国が変わっている証拠で、良くなる第一歩だよ」

このときから約10年が過ぎた。
今のイエメンはどうなっているんだろう?

 

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。