西アフリカの音楽文化:トーキングドラム・マリという国

 

はじめの一言

*日露戦争での日本の勝利について
「ビルマ人は英国の統治下に入って初めてアジアの一国民の偉大さについて聞いたのである(バー・モウ)」

「日本賛辞の至言33撰 ごま書房」

 

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バー・モウ(ウィキペディア)

1893年2月8日 – 1977年5月29日
ビルマ(現ミャンマー)の独立運動家で政治家。
初代大統領でもあった。

 

今回の内容

・マリという国名は「カバ」という意味
・西アフリカの「トーキング・ドラム」という音楽文化

 

前回は、アフリカのエチオピアの文化について書いた。

今回は、西アフリカのマリという国と「トーキング・ドラム」という文化を紹介したい。

 

唇にお皿を入れるエチオピアのムルシ族

 

・マリという国名は「カバ」という意味

西アフリカのマリという国を旅したときに、トーキング・ドラムというものを知った。

でもその前に、マリという国を知っておこう。

 

 

国名の「マリ」の意味って?

植民地時代はフランス領スーダンと呼ばれていたが、独立時に現在の国名となった。
マリの名は、かつてこの地にあったマリ帝国の繁栄にあやかって名づけられた。

マリとは、バンバラ語で「カバ」という意味で、首都バマコにはカバの銅像がある。

(ウィキペディア)

 

「マリ」という国名は、なんと「カバ」だった。

でも、なんでカバなのか?
じつはカバは、猛獣に分類されるとても強い動物なのだ。
そんな強さが国名の由来になったのかもね。

そしてマリは、とても乾燥したところ。

国土の北側3分の1はサハラ砂漠の一部であり、残りの中南部も、ちょうど中心を流れるニジェール川沿岸だけが農耕地となっている以外は、乾燥地帯である。(ウィキペディア)

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マリの中学校の教室

 

そんなマリを旅行したときのこと。

マリで泊まった宿のスタッフが、「知り合いの結婚式があるから、お前も来ないか?」と招待してくれた。

ホテルの従業員が宿泊客を知り合いの結婚式に招待するというのは、まあ、日本ではありえない。

しかもこのスタッフは、仕事が終わって結婚式に向かう直前にボクを誘っている。だから、結婚式の主催者をふくめて誰にも知らせていない。
自分で勝手に決めちゃっている。
でも、このフレンドリーさやいい加減さこそが、まさにアフリカン。

 

彼に連れられて結婚式の会場に向かう。

「アフリカでの結婚式ってどんなものなんだろう?」
と期待に胸をふくらませる。

で、この結婚式を見て驚いた。
とにかく「歌いまくる、踊りまくる、ドラムをたたきまくる」というもので、その迫力に言葉も出なかった。

 

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おしゃれに着飾った子どもも、踊りまくっていた。
結婚式と言っていたと思うけど、披露宴のようなものなのかもしれない。

 

「西アフリカの人間は、音楽が大好きなんだ。歌って踊って疲れたら休む。そして、また踊り出んだよ」

ここに連れてきてマリ人が、そんなことを言っていた。

 

このときにこのアフリカ人から、西アフリカに伝わるトーキング・ドラムの話を聞いた。
文字通り、ドラムをたたく音で意思を伝えるというもの。

言語の代りに楽器によって特定の通信文を伝達したり物語を語ったりする例は,現在でもオセアニアのスリット・ドラム(割れ目太鼓)やアフリカのトーキング・ドラム(太鼓話法)などにみられる

(世界大百科事典)

トーキングドラム(話し太鼓 talking drum)は、トーンとプロソディーを模倣して遠距離の通信や、音で口承を行なう、西アフリカの太鼓である。(ウィキペディア)

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これはアフリカ大陸にあるエジプト

 

なんで言葉ではなくて、ドラムの音でコミュニケーションをしようとしたのか?

ボクが現地のアフリカ人から聞いた話では、これも奴隷に関係があるという。

 

奴隷を捕まえる人間や白人には分からないように、ドラムの音で思っていることを相手に伝えていたらしい。
ただ、これはあくまでもアフリカ人がそう言っていただけで、資料による裏づけはない。
ネットで調べても見つからなかったのだよ。

 

それと、なんで西アフリカでドラムが発達したのか?

これは、大雨が降って大地を激しく打つ音やその様子を再現したのがドラムだという。
これも、西アフリカの人から聞いた話ね。

 

また、西アフリカには「グリオ」と呼ばれる独特な人たちがいる。

 

グリオまたはグリオー(griot)は、西アフリカの伝統伝達者。

グリオは単に楽器の演奏をするだけではなく、歴史上の英雄譚、遠方の情報、各家の系譜、生活教訓などをメロディーに乗せて人々に伝えることを本来の目的としている。
文字のなかった時代には彼ら(jeli)の役割は大きく、その知識量の豊富さから王の側近などに取り立てられるグリオもいた。

グリオ

これも西アフリカの音楽文化の1つになる。

海外には、日本では想像できないような文化をもつ人たちがいる。
世界は広し!

マリとはバンバラ語で「カバ」という意味で、首都バマコにはカバの銅像がある。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。