行き過ぎじゃね?優しく殺す、ヨーロッパ人の動物愛護精神。

 

前回、日本人・タイ人・インドネシア人の動物に対する見方を紹介した。

では、ヨーロッパ人はどうなのか?

気になりますね。
気にならなかったら、なってください。

皆さんも興味津々だと思う。
ということで今回は、ヨーロッパ人の動物に対する見方を書いていこうと思う。
個人的な感想では、世界のどこよりも動物愛護精神が進んでいる。
行き過ぎじゃね?と思うけど。

 

 

2013年、イギリスの研究者が「エビやカニだって、痛みを感じる可能性が高いんです」「熱湯に入れられたロブスターは、苦しみ続けているのかもしれないんです」と発表した。

研究をおこなったクイーンズ大学のエルウッド氏は、AFPの記事(2013年1月17日)でこう話している。

「カニははさみをもぎ取られ、生きたまま海へ戻される。ロブスターやエビは、肉となる腹部を残して体の前半分をもぎ取られる。脳や胸部の神経系統は、1時間後でもまだ機能しているのに」

英研究者「シーフード優しく扱って」、甲殻類も痛み感じる可能性

 

この発表に、「かに道楽」が衝撃を受けた。
という話を聞いたよーな気がする今日この頃。

 

こういう研究発表はヨーロッパ人の動物愛護精神を刺激する。
そんな影響もあって、食肉をやめないまでも、せめて痛みなく生き物を殺してあげようという世論が盛り上がった。

それで今年2018年には、スイス政府が動物保護規定の見直しを発表。
生きたままのロブスターなどを、熱湯でゆでることを禁止した。
必ず失神させてから、調理することになったのだ。

ロイター通信の記事(2018年1月11日)

3月から施行されるこれらの規則では、「ロブスターなどの活きた甲殻類は氷や氷水に漬けて輸送してはならない。水中生物は常に自然と同じ環境で保存しなければならない。甲殻類は失神させてから殺さなければならない」と定めている。

ロブスターは失神させてから調理を、スイスが保護規定定める

 

ロブスターの氷漬けを禁止するのは、スイスが初めてではない。
イタリアでも2017年に最高裁判所が、調理前のロブスターを氷漬けにして保存することを禁止する判決を出した。
最高裁が「ロブスターを不当に苦しめることになる」と認めた瞬間だ。

 

イタリアと同じく「イ」で始まる国インドでも、裁判所がガンジス川に「人権」を認める判決を出したことがある。

神聖で汚いガンジス川①インドの裁判所、川に’人権’を認める。動画付き

これは極端としても、甲殻類を調理するときは、痛みをあたえないように失神させることを法律で義務付けるのは行き過ぎじゃね?

 

おまけ

スイスのロブスター以下のあつかいを受けたのが、日本の大盗賊・石川五右衛門さん。

豊臣秀吉がいた時代、盗賊だった五右衛門は、京都の三条河原で子どもと一緒に処刑された。

ベルナルディーノ・デ・アビラ・ヒロンの「日本王国記」によると、五右衛門は生きたまま油で煮られた。

「この事件は1594年の夏である。油で煮られたのは「Ixicava goyemon」とその家族9人ないしは10人であった。彼らは兵士のようななりをしていて10人か20人の者が磔になった」

石川五右衛門

五右衛門の処刑
わが子・五郎市を助けようとしている。

スイスならこの前に失神させてくれるはず。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。