アメリカNBCテレビの人気女性キャスター、メーガン・ケリーさんがハロウィンの仮装で、白人が黒人のマネをすることについてこんな意見を言った。
「私が小さかったころは仮装であれば許された。人種差別なのかしら」
人種差別にめちゃ厳しいアメリカで、この発言は一発レッド。
翌日、メーガンさんは泣きながら謝罪したけど、アメリカの視聴者は許さない。
この一言で番組は打ち切りになってしまった。
そのことはこの記事をどうぞ↓
金髪に付け鼻の「白人変装グッズ」がふつうに売られている日本では、このへんの人種差別意識が分かりにくいと思う。
去年「ガキの使いやあらへんで」で、浜ちゃんが顔を黒く塗るブラックフェースをして、外国人から非難された。
日本はユルイけど、アメリカ社会では絶対にNGだ。
こういうことがあったから、「別の人種のマネはいけないことなんだなあ」と何となく分かっていたのだけど、マズイのは変装だけじゃない。
アメリカではこんな質問も問題になる。
「空手を知っている?」
アメリカのリポーターがそう質問したことで、「人権差別だ!」「アジア人蔑視だ!」と非難が殺到したのだ。
日本人の感覚だと、何が差別か分かんないと思う。
2016年にフォックスニュースのリポーター、ジェシー・ウォターズ氏がロサンジェルスのチャイナタウンで街頭インタビューをおこなった。
大統領選と米中関係についての話を聞くはずだったのだけど、ウォターズ氏は街の人にこんな質問をした。
「あいさつする時はお辞儀をすべき?」
「空手を知っている?」
これがアジア人をバカにした質問と受けとめられ、「アジア人蔑視だ」と批判が殺到。
ニューヨーク・タイムズ紙の記者は「私が見た中でも特にあからさまな人種差別」と言う。
他のマスコミ関係者も「ウォターズ氏がやったのは、考えられる限り最も愚かなアジア人に対する偏見で、出会った人たちを笑いものにすることだった」とバッサリ。
ウォターズ氏は軽快な冗談で笑いを取るのが上手なリポーターで、イタリア系アメリカ人やアーミッシュの人たちを笑いのネタにしたこともあった。
でも、このアジア人ネタは一線を越えた。
アメリカCNNニュース(2016.10.06 )にそのことが書いてある。
今回は度を越したと見なされ、ニューヨーク州のダニエル・スクアドロン上院議員やハワイ出身のブライアン・シャッツ上院議員といった政治家からも批判が相次いだ。
リポーターがアジア人蔑視? 米街頭インタビューに批判殺到
でも日本人なら、人種や民族の特徴を笑いのネタにすることはないと思う。
だからウォターズ氏のような失敗はしないだろうけど、これはどうだろう?
アメリカの高校で開かれたパーティーで、白人の女の子がチャイナドレスを着て出席する。
これが「アジア人への蔑視だ」と批判をまねく。
彼女のようにアジア人ではない人間がチャイナドレスを着る行為は「cultural appropriation(文化の盗用)」になってしまう。
アメリカやヨーロッパでは、こうした文化盗用も蔑視や差別と見なされる。
日本人とだけつき合う人は大丈夫だけど、欧米に行ったり欧米人とつき合う機会がある人は、この「cultural appropriation」は知っておいたほうがいい。
「私が小さかったころは仮装であれば許された」は人種差別。
「あいさつする時はお辞儀をすべき?」「空手を知っている?」はアジア人蔑視。
白人がチャイナドレスを着るのもアジア人蔑視。
自由の国アメリカはけっこう不自由だ。
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