慰安婦財団の解散、日本マスコミの反応は?“韓国寄り”編

 

合意を結ぶことと約束を守ることは別らしい。

永遠のお隣さん、韓国のこと。

2015年に慰安婦問題の最終的な解決で合意したのだけど、後になって韓国の文大統領は「あれで解決にはならない」と言う。
そしてきのう、合意を履行するための財団(和解・癒やし財団)を解散すると発表した。
いまの韓国には日本との約束を守る意思はない。

そんな韓国さんに怒って疲れ果てた日本政府の反応は前回書いた。
今回は日本のマスコミ、全国紙の意見を紹介しようと思う。

 

さすがにどの新聞も、財団の解散を発表した韓国を非難している。
でもそのあとの反応が違う。
「この件に関しては韓国が悪い」と書く新聞があれば、「でも日本も悪いんですよ」と日本にも解決の責任を求める新聞もある。

以下、独断と偏見。

韓国の立場に理解を示す新聞を、順で表すと「朝日>毎日>日経>読売>産経新聞」になる。
いつものことだけど、朝日新聞は韓国にやさしい。
産経新聞は日本政府の側に立っていて、韓国には厳しい。

 

まずは朝日新聞の社説を見ていこう。

慰安婦合意 なし崩しは賢慮欠く

文政権は慰安婦合意を破棄しないと言うけれど、財団は解散させてしまう。
これでは合意を「なし崩しに『枯死』させる」という。
だから文政権には「賢慮に欠けると言うほかない」と非難する。

今となっては、韓国・文政権の「賢慮」に賭けたのが間違いだったのだけど。

では、財団は解散させるとして、慰安婦問題をどう解決するのか?
文政権はその代わりの案を示していない。
それで「解決は遠のくばかりだ」とため息をつく。

 

でも批判はここまで。
朝日新聞はそのあと、韓国寄りの論調を展開する。

「日本政府との意思疎通を十分に図り、合意の精神に沿う有効な活用を探らねばならない」と、これを日韓両政府の問題にようにとらえる。
韓国と日本に「50:50」の責任があるように見えてしまう。

でもそれはおかしい。
合意を「枯死」させたのは韓国だ。
財団を解散させるのは韓国による一方的な“破壊行為”なのだから、その責任は100%韓国側にある。
日本政府は“はなさかじいさん”ではない。
枯れ木をよみがえらせるのは韓国政府の仕事だ。

韓国が合意を履行する方向で動くなら、日本も協力することがあると思う。
でもそれ以外で、日本が韓国に手も知恵も貸す必要はない。

韓国は自分で勝手に助かるしかないのだから。

 

 

次は毎日新聞の社説。

慰安婦財団の解散発表 極めて残念な韓国の対応

朝日新聞が「枯死」と書いた事実上の合意破棄を、毎日新聞は「骨抜きにする」と表現した。
そして韓国政府の決定は「極めて残念だ」と嘆く。

いや、今回の事態は残念無念を超えていると思うぞ。

日本が韓国にわたした10億円については、すでに元慰安婦の7割以上がそこからお金を受け取っている。
それを指摘したうえで毎日新聞は、「それなのに韓国の発表で財団の果たした役割に一切言及がなかったのはおかしい。日本政府が抗議したのは当然だ」と、朝日新聞よりは日本政府の側に立っている。

そして刮目せよ。

韓国人の対日認識についてこう指摘した。

歴史問題において「被害者」の韓国は「加害者」の日本にどのような要求をしても構わないという考えがあるのではないか。

この考え方は「反日無罪」と同じ。

 

とはいえ、一方的に韓国を非難することはない。
毎日新聞は「でも、日本も悪いんですよ」的なことも書いている。

3年前の日韓合意のあと、韓国は日本政府に、元慰安婦へのおわびの手紙を送るよう求めてきた。
でも日本の返事はノー。
安倍首相は国会で、「(そんなことは)毛頭考えていない」ときっぱり否定した。
毎日新聞は「慎重さが欠けていた」とこの対応を批判する。

なるほど。
だが待ってほしい。

安倍首相はすでに「心からのお詫び」を表明したし、それ以上のことは日韓合意にはなかった。
これは、一方的に「追加要求」を言い出した韓国のほうがおかしい。
約束していないことを「やれ」と言われても、答えはノーだ。

でも毎日新聞は「韓国側から無用の反発を招いた」と安倍首相を非難している。
日本は韓国を怒らせてはいけないらしい。

韓国に対してそこまでの配慮を求めても、韓国側は日本にどんな気づかいをしてくれるのか?
追加の配慮を求められるだけなのでは。

 

そして社説の最後は、「互いに歴史認識に関わる対立を先鋭化させない努力が必要だろう」と日韓の両方が冷静になることを日本側に呼びかけている。

でも、この言葉を必要としているのは韓国のほうだ。
日本は韓国野党のようなことを言っていない。

「(財団の解散は)あまりにも当然のこと」
「(和解・癒やし財団は)当初生まれるべきではなかった財団だった」
「日帝蛮行被害者の恨(ハン)を晴らして差し上げるべきだ」

「これで解決です」と10億円を受け取っておいて、こんなことを言い出すのだ。

くわしいことは中央日報の記事(2018年11月21日)を見てほしい。

韓国野党民主平和党「和解・癒やし財団、当初生まれるべきではなかった財団」

 

合意の内容をすべて守った日本と一方的に破棄する韓国を並べて、「互いに歴史認識に関わる対立を先鋭化させない努力」を求めるのは中立をよそおった不公平だ。

次回は韓国には厳し目の意見を紹介します。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。