日本人が触れたタブー②「欅坂46とナチス」事件→全面謝罪へ

 

はじめの一言

*旅で見て知った日本人についての感想

「この国民と比較しても常に英国民が劣らぬように
ー残念ながら実際にはそうではないー(イザベラ・バード 明治時代)」

「日本賛辞の至言33撰 ごま書房」

 

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イザベラ・バード(ウィキペディア)

19世紀のイギリス人。
旅行家であり作家であり写真家でありナチュラリストであったという多彩な人。

1878年(明治11年)に日本を旅行した。

 

 

前回、マルコポーロ事件について書いた。

マルコポーロという雑誌が、ナチス・ドイツによるホロコースト(大虐殺)を否定する記事をのせたため、ユダヤ人団体などから抗議を受けて廃刊したという出来事。

ホロコーストを否定するというの、許されないタブーに触れてしまった。

 

つい最近も、アイドルグループの欅坂46(プロデューサーと所属会社)についても、ナチスのタブーに触れてしまったため、同じようなことがあった。

マルコポーロ事件と同じユダヤ人団体「SWC(サイモン・ウィーゼンタール・センター)」から、強い抗議を受けている。

同じことを同じようにくり返している。
マルコポーロ事件の場合は、雑誌は廃刊になった。
日刊ゲンダイは「 欅坂46が解散の危機!? 」と報じているけど、さてどうなるのだろうか?

 

この「欅坂46とナチス」の騒動を知らない人もいると思う。

2016年11月1日の「NHK NEWS WEB」に「欅坂46の衣装 ナチス軍服酷似でユダヤ系団体が抗議」という記事がある。
これをもとに、これがどんな出来事だったのか見ていこう。

きっかけは、欅坂46がハロウィンコンサートでナチス・ドイツの軍服に似ている衣装を着ていたこと。

これが指摘されて、海外にも伝わったことで国際問題になった。
アメリカのユダヤ系の人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が「強い嫌悪感」を伝える。
この団体はこれとともに、欅坂46が所属する「ソニー・ミュージックエンタテインメント」とプロデューサーの秋元氏に謝罪を求めている。

でもこの団体はなんでこうした強い抗議をするか?

グループに悪意はなかったとしても、10代の若い人たちがこんな衣装を着て踊ることは、ナチス犠牲者を軽視することにつながる。
さらにアーティストは世界中の若者に悪影響や間違ったメッセージを伝えかねないという。

確かに欅坂46の衣装はボタンの並びや帽子などがナチスの軍服を連想させる。
これで「無関係」と言うのはムリがある。

 

ナチスによって、ガス室に入れられて殺虫剤で虫のように殺されたユダヤ人からしたら、この衣装で歌って踊ることは耐えられないだろう。
それにしても、この衣装を担当したデザイナーはどういう考えがあってこのようなデザインにしたんだろう?

 

よりによってナチスはない。

いっそのこと、旧日本軍の軍服だったら・・・
と、それはそれで問題か。
韓国が黙っているわけがない。

 

 

この抗議に対しては、秋元氏もソニー・ミュージックエンタテインメントも一切の弁明をしていない。
その余地がないから。

これについて弁解をしたら逆効果でしかない。

秋元氏もソニーも責任を認めて全面的に謝罪している。

これは先ほどのNHKの記事からの引用。

スタッフもナチスを想起させるものを作った訳ではないと思いますが、プロデューサーとして、監督不行き届きだったと思っております。大変申し訳なく思っています。再発防止に向けて、すべて事前にチェックし、スタッフ教育も徹底して行いたいと思います」とコメントしています。

 

「ここは日本だから」「表現の自由ではないか」というのは、通用しない。
それが通じないタブーがある。

もし、プロデューサーや会社がそうしたことを言ったら、もう収集のつかな大問題になってしまうはず。

この件について、責任者は全面的に謝罪はしたけど、この騒動は終わっていない。

どこでどうやって解決するのだろうか?

 

「知らなかった」とはいえ、タブーに触れると大きな代償を払うことになってしまう。

デーリー・ミラー紙の記事(2016/10/26)では、イギリス人の視点から ナチスと欅坂46の衣装を比較している。
この画像が分かりやすい。

Japanese girl band cause outrage by dressing in NAZI-style outfits 

欅坂46がかぶっていた帽子が特にマズかったらしい。

でも、この件について欅坂46のメンバーに責任はない。
「これを着なさい」と言われて着ただけだろうし。

こうした事態を招くことを予想できなかった大人たちが悪い。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。