14歳でデビュー!? 車社会アメリカと日本の生活との違い
世界との時差と、アメリカという国の「広大さ」
個人的に、世界各国の人とオンラインで話をすることがよくある。
その予定を組むのに、いちばんラクなのが韓国だ。日韓では時差がないから、国内と同じ感覚で電話をすることができる。
日本とドイツには8時間の時差があるけれど、これもすぐに調整できる。
ちょっと面倒なのはアメリカ。
かの国は面積で日本の約26倍もあって、とんでもなく広いから、まず基本的な条件や前提が違う。
アメリカ人に話ができる日時をたずねると、「わたしはコロラドにいますので、Mountain Timeでお願いします」や「Pacific Timeです」といったメッセージがくる。
事情を知らないと、「山時間と海時間ってなに?」と思ってしまいそうだが、これはアメリカ国内にある以下の4つの時間帯をさす。
・東部時間 (ニューヨークなど)は日本より13時間遅い(夏時間)
・中部時間(シカゴなど)は14時間遅れ
・山岳部時間(デンバーなど)は15時間遅れ
・太平洋時間(ロサンゼルスなど)は16時間遅れ
ニューヨークとロサンゼルスの時差は3時間だから、だいたい日本とインドくらい離れている。
これ以外にアラスカ時間とハワイ時間もあるから、アメリカには全部で6つのタイムゾーンがあることになる。
しかし、人口は日本の約2.7倍と、面積に比べると少ないため、人口密度は日本の約10分の1になる。
感覚的に言えば「スカスカ」の国だ。
最近、アメリカ人女性の「アン」と話をしていて、そんなアメリカの広大さを実感したので、今回はそのことについて書いていこう。
彼女は数年前まで静岡の小中学校で英語を教えていたから、日本の事情にはくわしい。

日本の梅雨が嫌いだったわけ
ーーこの前、アンが日本で生活していて、アメリカでは経験したことのない「梅雨」が嫌いだって話をしてたじゃん?
紫陽花を見られるのはいいけど、ゴキブリが発生するから、梅雨は全体的に嫌いだって。
アン:そうね、嫌いね。日本のGって無駄に高性能で、アメリカのGより動きが素早いのよ。
いきなり出てきて心臓に悪いし、見つけても叩き潰せなくて、神に祈ることしかできないし、ほんとに最悪だった。
※日本のゴキブリの移動スピードを人間界で換算すると、時速300Km以上と新幹線を超える速さになる
ーー梅雨はそれ以外に何が嫌だったんだ?
アン:蒸し蒸しくんとジメジメさんのダブル攻撃。
勤務先の学校まで自転車で行っていたから、雨が降るとカッパを着ないといけない。それがちょっと不便で、学校についたころには汗をかいていて不快だった。
雨と風が強いときにはバスを使っていたけど、あれだと時間とお金と手間がかかるのよね。
自転車は無意味|車がないと「詰む」アメリカの郊外生活
ーーいまは車に乗ってハイウェイを使って通勤しているって言っていたから、そんな苦痛から解放されただろ。
アメリカ人はあまり自転車に乗らないって聞いたけど、アンもそうなのか?
アン:アメリカに戻ってから一度もない。
そもそも家に自転車なんてないのよ。ここではそんな移動手段は無意味だから。
ーーアメリカはデカくて、ジョージア州だけで日本の約4割の広さがあるから、自転車はあまり役に立たないんだよな。
アン:全米で50州ある中でジョージア州は24番目だから、大きさとしては平均的ね。
わたしはその郊外に住んでいるから、通勤では車以外の選択肢がないのよ。
最寄りのスーパーへ行くのに、高速を使って30分くらいかかるし、車がなかったら「人生が詰む」ってレベル。
ーー日本では徒歩や自転車で買い物をすることが一般的だから、毎日のようにスーパーへ行って、その日の分だけ買うことも多い。
アメリカの場合、そんな気軽に行けないから、一週間分とかまとめ買いをするんだよな。
アン:ニューヨークやロサンゼルスとかの大都会に住んでいる人は別だけど、都市の郊外に住んでいるアメリカ人の日常はそんな感じ。
ーーアメリカではコストコの大きさが普通だから、日本のスーパーを見て「小さすぎてビックリした!」っていうアメリカ人がいた。
逆に日本人がアメリカに住むようになって、スーパーで1ガロン(約3.8リットル)の牛乳がズラリと並んでいて驚いたって話もある。
アン:わたしが衝撃をうけたのはアパートね。
すべての部屋を合わせても、いまの家のキッチンと同じくらいの広さだった気がするわ。
ーーだから、ゴキブリをより身近に感じたのか。

あるドイツ人は日本に来て、生まれて初めてゴキブリを見て、最初は小さなカブトムシかと誤解した。
欧米人から見ると、日本人の「虫好き」はちょっとおかしいらしい。

公共交通機関の「概念」が薄いアメリカ
ーーもし、車が使えなくなって、アンが公共交通機関を使って勤務先へ行くとしたら、どうなるんだ?
アン:そうなったらバスになるけど、バス停まで30分くらい歩かないといけない。
わたしはそのバスに乗ったことがないから、くわしいことは分からない。
あ、でもそういえば、最近そのバス停が無くなったって聞いたわ。
だから、もし公共交通機関を使って職場へ行くなら、最寄りの地下鉄の駅まで1時間以上歩かないといけない。
ーー日本だと震災直後みたいな状況だな。
アン:だから、わたしの生活の中には、公共交通機関という概念は存在しないよ。
14歳から運転|スケールが違うアメリカの車社会
ーーそんな環境だと、子どもの移動手段には何があるんだ?
アン:このへんの子どもたちは、公共交通機関なんてほとんど使ったことがないと思うわ。
移動するなら、歩きか親の車でしょ。
ーー自転車に乗って塾やコンビニに行く日本の子どもとは、生活環境がまったく違うんだな。
アン:そうね、アメリカの地方都市で車がなかったら、本当に「詰み」なのよ。
だから、14歳ごろになったら車を運転するようになる。
日本とぜんぜん違うでしょ。
ーーえ? 14歳で車を運転できるのか?
アン:一人だけではダメ。
筆記試験や視力試験にパスして「ラーナーズパーミット」を手に入れたら、運転免許証を持っている大人が助手席にいるという条件で、車を運転することができるの。
高校生になったら、もうワンランク上の免許証をとって、自分で運転して高校へ行くことは「アメリカあるある」ね。
※州によってルールの違いがあるから、くわしいことは「Learner’s permit」で確認してほしい。
ーー中学生から車を運転するようになって、高校生になったら自動車通学をするのか。
日本とは感覚が違いすぎてよく分からないな。
アン:わたし流に言うと、日本の中学生が自転車に乗って移動するのと、アメリカの中学生が大人同伴で車を運転するのが同じ感覚。
アメリカはアホみたいに広くて、日本みたいに公共交通機関が発達していないから、車中心の社会になるのよ。
ーー日本の地方都市でも車中心の生活になるけど、アメリカはスケールが違いすぎる。

コメント