【日本人と韓国人の違い】アメリカ人が感じた、似て非なる国

 

ことしの春はインド人、中国人、インドネシア人、バングラデシュ人と一緒に桜を見に行ってきた。
桜の美しさは問答無用で、新倉山浅間公園(上の写真)では「おお~」とみんな感嘆の声をあげて写真撮影に夢中になる。のはいいんだが、撮影大会がなかなか終わらないから困る。

隣国でも桜は大人気だ。
満開の桜を見に行って写真を撮って、それをSNSにアップすることはもう韓国の「春の風物詩」になっている。
ただその文化を伝えたのは、実は統治時代の日本人だったということに引っかかるヒトもいる。

韓国経済新聞/中央日報(2018.09.15)

桜を愛し、夜に明かりをつけて楽しむ夜桜、桜の菓子などを作ったのは日本だった。(中略)今日の韓国で桜を楽しむ風習は私たちの伝統でなく、日帝強占期を経て日本から入ってきたということだ。

【噴水台】ソメイヨシノ起源論争の虚しい結末

 

この春のお楽しみは「日帝強占期」に由来するから、その抵抗感をなくすために、「日本の桜(ソメイヨシノ)の始まりは韓国にあった」というサクラの起源論が爆誕した。
でも、ソメイヨシノと韓国の桜(王桜)は別種ということが分かり、韓国人は日本の桜を愛でているという「虚しい結末」に終わったという。

いやいや、100年前の歴史と重ねないで、目の前にある自然を楽しめばいいじゃん。
個人的にはそう思うし、実際そういう韓国人も多いのだけど、でもどうしても日本の桜は気に食わない、それでは虚しくなるということで、ソメイヨシノを引き抜いて王桜を植えるキャンペーンを始める人たちがでてきた。

ダレトク?「日本の桜を抜いて、韓国の桜を植えよう」運動

さらに、日本の桜の起源はわが国にあるという願望を捨てきれない人もいる。
自国が否定したはず起源論に固執し、そんな世論に押されて韓国の山林庁が動き出す。

漢拏日報(2022. 04.10)

왕벚나무 기원 논란 재점화… 산림청 부랴부랴 대책 마련

(自動翻訳)ソメイヨシノ起源論議再点火… 山林庁、あたふたと対策作り

またの再燃にあきれる日本のネット民。

・批判されたら再議論って科学はどうしたんですかね
・永遠にループしてるな
・王桜は王桜として素晴らしい桜だってことで良いだろうに
なぜソメイヨシノに拘るんだよ
・『日本人が好きな桜は韓国が元祖』だという結論有きの話だからだよ
・ソメイヨシノに拘ってるのはワシントンのサクラまつりのせいだよ
海外で認められると起源主張する
・ソメイヨシノのの先祖を探してどうすんだよ

桜を愛でるとしても、その起源にこだわるところが日本人と韓国人では違う。
根本的には過去や歴史に対する認識の違いだ。

 

桜に見とれるバングラデシュ人

 

静岡県の学校で英語を教えていて、いまはソウルに住んでいるアメリカ人が知人にいる。
韓国での生活を始めたころは「日本とよく似てるな~」と思ったけど、細かくみるとやっぱりイロイロ違うという。
近代的な高層ビルが林立していて、地下鉄や電車での移動がスムーズなソウルについていえば、韓国は立派な先進国の一つで、日本と大して変わらない。
春になると街のあちこちで桜が咲き誇り、それを待ちわびた人たちがそこにドッと押し寄せて、渋滞が発生するのも日本とソックリ。
都市の発展や文化、国民の価値観や行動パターンでは、韓国と日本には共通しているところが多々ある。
ただ、上を見れば日本と同じでも、下を見れば日韓はまったく別の国だということを実感するらしい。
それは、路上にゴミが多くて汚いから。
といっても、ニューヨークと同じぐらいというから、世界的には韓国やアメリカがきっと標準的で、日本の清潔さは、控えめに言って狂ってると思った方がいい。(ただし渋谷は除く。)

そのアメリカ人は花見のときも、人々が去った後に大量のゴミが捨てられていて、その残がいを見てニオイが鼻に入ってくると、日本の楽園のような花見がなつかしくなるという。
韓国人のマナーの悪さについては、朝鮮日報の記者もこう嘆く。(2022/04/11)

10日午後6時40分、ソウル市広津区のトゥクソム漢江公園。桜の花の下で家族・恋人・友人たちと写真を撮る人々の後ろに高さ1メートル以上も積み上げられたゴミがあちこちで目についた。

花見客でにぎわったソウルの週末…あちこちにゴミの山

 

桜の花が満開になった週末、多くの市民が各地で春を満喫した。
そして人が集まる場所はどこも、スープや麺が残ったままのカップラーメン、フライドチキンの骨、ピザ、ペットボトル、プラスチック製カップといったゴミにあふれていたという。

その惨状に関係者もお手上げ状態だ。

「ゴミを捨てられないように取り締まりを続けていたのにもかかわらずゴミが出た。」
「飲み残しのペットボトルやカップをそのまま捨てるため、清掃員が毎日ゴミを分別してから収集している状況だ」

 

花見などで築かれる「ゴミの山」はずっと前から問題になっていて、4年前、朝鮮日報にこんなコラムがあった。(2018/07/22)

【萬物相】漢江公園のゴミ

毎年約100万人が集まる隅田川の花火大会を見に行った韓国人が、「あんなに大勢の人たちが集まったのに、花火が終わった後はゴミ1つなかったよ」と不思議そうに話したという。
韓国でも花火大会は人気のイベントだ。
でも、その様子はまるで違っていて、たとえばソウルで行われた汝矣島花火大会はこんな状態。

漢江公園にはカップラーメンやチキンの骨など、20メートル間隔でゴミの山ができる。回収するゴミは毎年30トン以上に達する。

 

東京から戻ってきた朝鮮日報の記者は、「数年ぶりに帰ってきてみたら、街がもっと汚くなったように感じる」と話す。
韓国人の場合、国際的な注目を浴びたり、何かのキャンペーンをしていたらゴミを出さないように気をつけるが、とくに何もなければこれが平常運転で、「韓国は市民意識もまだ足りないし、制度や行政も追いつけていない。」と記者が課題を指摘。
それでサッカーW杯のロシア大会で、「日本代表選手団と応援団が見せた片付けのマナーの良さには驚いた。」と日本を称賛して読者にマナーの向上を訴える。

問題はゴミだけじゃない。
国のために戦って亡くなった17万人の英雄が眠っている墓地で、大人の花見客はテントを張っているし、子どもたちは墓石を踏みながら走り回って、お供え物の花瓶を蹴り倒す。
この光景を目の当たりにして、朝鮮戦争の戦死者遺族が憤慨する。

朝鮮日報(2017/04/11)

「国のために亡くなった方々の墓参りに来たのに、まるでお祭りのような雰囲気で驚いた。花を見に来るにしても、笑ったり騒いだりするのはひどすぎるのでは」と言った。

「桜の名所」韓国の国立墓地で花見客がお祭り騒ぎ

 

墓地でカップルがケラケラ笑いながら自撮りをしてたら、遺族としてはこんな不満が出るのも当たり前だ。

顔を上げてビルや桜を見れば、日本と韓国は同じような国だけど、下を見ればその違いは歴然としている。
ということで「日韓の違い、下から見るか? 上から見るか?」というアメリカ人の指摘はかなり正確だと思う。
とはいえ日本人も完璧じゃないから、花見会場にゴミが落ちてることもある。が、1メートル以上の山があちこちにあるという状態はあり得ない。

こうしたマナーのほか、文化の起源を主張するかどうかも日韓では大きく違う。
スポーツの国際大会で、日本人サポーターのゴミ拾いが世界的に称賛されるようになると、今度はその起源を主張し始めたから中国人がアキレタ。

Record Chinaの記事)2014年6月25日

中国ネチズン、「試合後のごみ拾い」韓国起源説にブーイング「日本の美徳パクるな」「ごみまで自分のもの」

 

ゴミ拾いに起源もクソもないが、世界でこれは日本文化の一つとみなされていて、外国人にも影響を与えている。

 

文化の起源じゃなくてマナーなら、日本人も納得の盗み放題なのになんでそれはしないのか。

 

 

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アメリカ人が感じた日本と韓国の違い/運転が荒い理由とは?

日本はどんな国? 在日外国人から見たいろんな日本 「目次」

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1 個のコメント

  • > 上を見れば日本と同じでも、下を見れば日韓はまったく別の国だということを実感するらしい。
    > それは、路上にゴミが多くて汚いから。
    > といっても、ニューヨークと同じぐらいというから、世界的には韓国やアメリカがきっと標準的で、日本の清潔さは、控えめに言って狂ってると思った方がいい。(ただし渋谷は除く。)

    まあ、渋谷が典型的な日本社会でないのかもという点はともかくとして。
    そのように韓国でも米国でも「都市部の路上にゴミが平気で放置されている」という共通点と、そうなっていはいない日本との違いこそが、次の記事でアメリカ人が言っているように、

    > 「日本だったら絶対にこんな事件は起きない。日本人は宗教に無関心だから、自分の信仰から他人のすることに口をはさまないし、社会に銃が出回っていないから、安心して生活することができる」

    となっている、そのことの真の理由でしょうね。それは決して宗教心の強弱なんかが原因じゃないですよ。
    日本人は、民族的な志向性として「きれいな状態」「秩序ある社会」が好きなんです。それが結局、大多数の者にとって住みやすい世の中をつくる最短コースであることを、本能的に知っているからです。
    でもごく一部の(色々な意味での)マイノリティにとっては、窮屈でしょうね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。