文大統領は「韓日協力・未来志向」←日本政府は「無視・放置」

「言語明瞭意味不明（げんごめいりょういみふめい）」というのを聞いたことがありますか？
一つ一つの言葉は分かるけど、文章全体になると意味がつかめないこと。

例えばDAIGOさんのおじいちゃん、竹下元総理のこんな発言だ。

「元来私の答弁、よくぐるぐる回りすると言われるんでございますが、このいろいろぐるぐる回りながら到達したところは、非常に端的に皆さん方が大型間接税という言葉からくる懸念というものは、結局ぐるぐる回りしてみますと、ああいうものではないかと」

ここに出てくる単語そのものは中学生でも理解できる。
でもこれでは結局、何を言っているのかサッパリ分からない。
こういうのを「言語明瞭意味不明」という。

ようは、言いたくないことや都合の悪いことをはぐらかせているのだ。
その場しのぎのために、簡単な言葉を使いながら相手を煙に巻く。
これはこれで一つの処世術で、自分を守るためのテクニックでもある。
揚げ足取りが目当てだったり、嫌らしい質問をしたりする人はどこの世界にもいる。
すべてをバカ正直に答えていたら、自分で自分を追い詰めてしまう。

日本では竹下元総理が「言語明瞭意味不明」の代表的人物で、「竹下語」として知られていた。
いまは韓国の文大統領がその筆頭だろう。
つい先日も韓国の記者から韓日関係について聞かれたとき、こんなことを言っていた。

「（日本と韓国が）歴史問題のために、未来志向で発展させるべき協力関係が損なわれてはならない」
「歴史問題を賢く処理しながら、未来志向的な協力をしていかないといけない」

へえ。
で、文大統領の「未来志向」とは具体的にどんな意味なのか？
文氏が実際にやっていることは、日本に反省と謝罪を求める「過去志向」なのだけど、口ではいつも「未来」と言う。
徴用工問題や慰安婦問題については、日韓両政府が話し合いを重ねて「最終的な解決」に同意したのだから、もうそれは終わりにして問題として取り上げなければいい。
そういう「未来志向」なら理解できるけど、文政権のしていることはいつも「過去志向」なのだ。

今年10月には、海上自衛隊に「旭日旗をかかげるな」と非礼で非常識な要求をしてきた。
法律によって海上自衛隊は、艦船に旭日旗をかかげることになっている。
だから韓国は日本に「法律違反をしろ」と言ったに等しい。
これは国内の反日世論に迎合して、日本の立場を無視したものだ。

そしてその後も、文政権は慰安婦財団の解散を発表したり、韓国の最高裁判所は日本企業に有罪判決を下したりした。
最高裁の判決について、韓国政府はどんな対応をするのか？
日本はそれを知りたいのに、文大統領は具体的には何も言っていない。
自分の立場をハッキリさせたくないから「歴史問題を賢く処理」「未来志向的な協力」と、抽象的なことを言ってその場をごまかす。

文大統領はずっと前からこんなことを言っている。
未来志向とは、同じ言葉をくり返すことなのか？

言語明瞭意味不明の「文語」だけど、一応日本に対してメッセージは発した。
韓国の関心はこれに日本がどう反応するかだ。

朝鮮日報の記事（2018/12/03 ）によると、日本政府の答えはとてもそっけない。

日本政府は旧日本軍慰安婦問題と徴用工問題に対する自国の立場に変わりはないとして、今後も韓国側に適切な対応を求めていくと主張した。

文大統領「韓日は未来志向で」発言に日本「両国関係厳しい状況」

他にも見出しにあるように「韓日協力」「未来志向」と呼びかける文大統領を、日本は「韓日関係は非常に厳しい状況にある」と突き放す。
そりゃそうだ。
口にするのは親日で、やってることは反日。
こんな人物の言う未来志向には、具体的な内容も信用性もない。
菅官房長官は徴用判決や慰安婦問題などについて、「韓国側に適切な対応を求めていきたい」と述べて終わり。

韓国メディア（朝鮮日報）を読むと、文大統領の「韓日は未来志向で」という発言に対して日本が「両国関係厳しい状況」と答えた、というように見えるけど実はちょっと違う。

時事通信の記事（ 2018/12/03）にはこう書いてある。