去年の夏、京都のゲストハウスで2人のイタリア人と知り合った。
2人ともパルマに住んでいる20代の女性。
話をしているうちに1人が、「ドイツ人と日本人、イタリア人と中国人は性格が似ている」と言う。
ドイツ人はイタリア人に比べて、信号や約束を守るなどルールや規則によく従う。
日本を旅行していて、日本人もそういう人たちだと思った。
イタリア人はルールや決まりをあんまり守らない。
そういうものより、自分のしたいことを優先してしまうことがある。
これは中国人と似ているという。
もう1人のイタリア人もこの意見に同意する。
イタリア人とドイツ人のことはよく分からないけど、日本人と中国人を比べたら大正解。
ルールや規則を守ることについては、日本人のほうが上。
それは全中国人が認めるはず。
地下鉄で列に並ぶのが「文明」。
中国人の日本語ガイドいわく、
「ようするに日本人のように行動しなさい、ということです」
さて、きょう(2月4日)ドイツのメルケル首相が日本にやって来た。
NHKニュースの中で、メルケル首相の側近フォルカー・カウダー議員が日本とドイツで共通する価値観について話している。
「日本との関係は貿易や経済にとどまらない。アジアで、日本ほど法の支配や民主主義が実践されている国はない」と述べ、価値観を共有するパートナーとして日本との関係が重要になっているとの認識を示しました。
独メルケル首相 きょう3年ぶり訪日
メルケル首相が日本を訪問した目的は、「自由貿易の推進など共通の価値観を持つ日本との連携を深めたい」ということ。
メルケル首相だけでなく、今回の訪問ではドイツ企業のトップたちも同行している。
日独の企業間でも関係強化や協力体制をつくっていくつもりだ。
とくにドイツはAI(人工知能)などのデジタル分野で、日本企業との協力を深めていきたいという。
こんな感じに、ドイツが日本に近づいてきた大きな理由に「中国不信」がある。
これまでドイツは巨大な市場を持つ中国と関係を強化して、もうけようと考えていた。
メルケル首相の中国訪問はこれまで11回で、日本訪問はわずか4回。
ドイツの中国重視がよくわかる。
ドイツ最大の貿易相手国も3年前からアメリカに代わって中国が1位になった。
フォルクスワーゲンの世界全体の自動車販売台数の約40%が中国なのだから、ドイツが中国と仲良くしないわけにはいかない。
でも、「アジアで、日本ほど法の支配や民主主義が実践されている国はない」と側近の議員が言うように、中国とはこの点での価値観では合わなかったのだ。
ドイツではいま、中国企業への技術流出を心配する声が高まっている。
だから中国企業がドイツ企業を買収する条件を厳しくした。
ドイツ最大の経済団体「ドイツ産業連盟」も動く。
知的財産権や技術を保護する目的で、中国に対抗するための対策をEUやドイツ政府に求めた。
中国の市場は魅力的だけど、中国はどうも信用できないところがある。
中国への不信感や警戒感が高まってきたことが、日本に対するドイツの期待や注目が集まった理由になっている。
購買力や市場の大きさで日本は中国に勝てないけど、「法や民主主義のルールを守る」という信頼感なら負けない。
日本がいままで築き上げてきた信用が、世界で戦う上で大きな武器になっているようだ。
とはいえ、「アジアで」という条件付きなのがちょっと引っかかる。
「お笑い芸人の中では1番のイケメン」みたいな。
でも、「日本ほどの国はない」というのはほめ言葉だから、そのまま受け取っておこう。
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