最悪、最悪、超最悪なんて言われる最近の日韓関係。
でも不思議なことに、韓国を旅行する日本人は増えているのだ。
たとえば少し前、朝鮮日報にこんな記事(2019/01/28)があった。
関係は最悪でも来韓日本人は27%増、訪日韓国人は過去最高
2018年に韓国を訪れた日本人観光客は約300万人。
これは前年を27.6%上回り、2009年以降で最大の伸びだという。
こうなると韓国の免罪店も、いや、免税店も笑いが止まらない。
政治的には日韓がするどく対立していた今年1月(1~20日)、ロッテ免税店明洞店では、日本人客への売り上げが去年1月と比べて31%も増えた。
これは売り上げ全体の増加率(15%)の2倍以上。
新世界免税店明洞店でも同じ。
日本人客への売り上げは53%増と爆上げだ。
日本政府は韓国を「戦略的無視」していて、ネットには「日韓断交!」という書き込みがあふれている。
でも一方で、韓国を旅行先に選び、買い物を楽しむ日本人は増えているらしい。
聯合ニュースの記事(2019/1/27)によると、この「パラドックス現象」について、韓国側は円高の他にこんな理由があると考えている。
政治や外交に左右されることなく、両国の観光客の往来や民間交流が根付いていることも理由に挙げられる。
前は中高年女性に限られていた韓流人気が世代やジャンルを超えて広がったためと分析している。
「韓日関係悪化も訪韓日本人客は増加 免税店購入額が急増」
「政治的対立と民間交流は別」という意見は日本でもよく見る。
まあそれが、「成熟している」と言っていいのかは別だけど。
とにかく日本では韓国の「反日」に左右されず、いつでも少なくない数の韓国好きがいることは間違いない。
でも、そうすると、おかしなことがあるのだか?
この前、祭りの屋台で韓国料理を見た。
たしかに人が並んでいて人気はありそう。
「外国人にとって、韓国はどれくらい魅力的な旅行先なのか?」
それを調べるために、韓国側(韓国文化体育観光部と韓国観光公社)が世界20の国や地域を対象にアンケート調査を行った。
結果からいうと、2014年の同じ調査と比べると、韓国の認知度は6.1%ポイント、選好度は5.2%ポイント上がっている。
全体的には、旅行先として韓国の魅力は増加していると言える。
さて、ここでクエスチョン。
「韓国を旅行したい」と考える選好度でみると、次のアジアの国や地域のなかで、最も高いところと低いところはどこだったでしょう?
「インドネシア・ベトナム・タイ・フィリピン・マレーシア・シンガポール・中国・台湾・日本」
答えは次回の記事で。
To be continued.
なんて書くと、ふつうにぶっ飛ばされますね。
ハイ、いま書きますよ。
韓国の選好度が一番高かった国はインドネシア(86.5%)で、最低だったのが日本。
日本は28.3%でインドネシアの3分の1以下。
欧米をふくめたすべての国・地域の中で、日本が最も低かった。
2017年に比べて、10.6%も減少している。
「韓流人気が世代やジャンルを超えて広がった」と言った人、いま息してますか?
ちなみに、2位はベトナム(84.8%)、3位タイ(81.0%)と続く。
なんだかんだ言って、東南アジアで韓流効果はまだまだ健在だ。
理由は分からないけど、韓国に対する選好度がマレーシアとシンガポールで減少している。
韓国って、このへんで何かやらかしたっけ?
インドネシアでは”惨事”をもたらしたけど。
現地で韓国人経営者や職員が約3000人のインドネシア人労働者の賃金を持ち逃げする事件が起きて、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が怒っていた。
韓国を魅力的な旅行先と思う「選好度」を見ると、日本・中国・台湾が東南アジアの国々より低かった。
韓国にとってこれは痛い。
2018年に韓国を訪れた外国人観光客のうち、この3つだけで約16%を占めるのだから。
下の中央日報の記事では、日中台が韓国観光業界の「トップ3」で「主力市場」と書いている。
日本は置いとくとして、東南アジア諸国に比べて、中国と台湾で韓国の認知度と選好度が低い理由がよく分からない。
とにかく韓国としては、トップ3にそっぽを向かれているという現実はなかなか衝撃的。
とくに日本だ。
「韓国を魅力的な旅行先と思うか?」という問いで、「世界最低」を記録したのだから。
中央日報の記事(2019年03月20日)で、韓国観光公社の担当者がその理由をこう分析している。
「日本の韓国選好度が低いのは、最近の韓日関係の影響が大きいものと把握している」とし「今後、日本では他のアジア諸国とは差別化した戦略で広告活動を行う予定」と話した。
「韓国を旅行したい」…インドネア86.5%、日本28.3%
「政治や外交に左右されることなく、両国の観光客の往来や民間交流が根付いている」と胸を張った人、いま目の焦点が合ってますか?
「見たいものしか見ない」という態度だと、現実に直面すると肩を落としてしまう。
日本について言えば、もう「広告活動を行う予定」ぐらいではどうしようもないだろう。
2019年度の訪韓日本人の結果がいまから楽しみ。
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