祝・世界遺産!中国起源ではない“日本独自の文化”は何がある?

 

隋や唐など古代中国は日本にとっては先生のような存在で、遣隋使や遣唐使が海を越えていろいろなことを学んできた。
だから日本の文化には、着物や鯉のぼりなど中国にルーツを持つものがたくさんある。
といってもそれらはコピーではない。
日本人が新しい表現や価値観を加えて別の物にしているから、中国文化ではなくてあくまでも日本文化だ。
キットカットはヨーロッパ由来だけど、日本人がつくった抹茶キットカットは“日本独自のもの”としてヨーロッパに逆輸入されている。

日本文化と中国の関係はむかしから指摘されていて、明治から昭和初期の学者の間では、それを「タネと養分」とする見方もあったという。
東洋学者の内藤湖南がこう書いている。

日本文化の由來を、樹木の種子が最初から存して、それを支那文化の養分に依つて栽培せられた

「日本文化とは何ぞや (内藤 湖南)」

*「支那(しな)」は中国のむかしの呼びかた。いまはNGですよ。

 

中国とは日本文化の「栄養」だった。
タネは独力で育つことはできないし、キレイな花を咲かせるためにはすぐれた栄養分が必要。
日本文化が花開くためには、中国文化という要素は必要不可欠だったのだ。
こうやって日本人は独自の文化をつくっていったという見方は現在でも通じる。

では、その逆には何があるんだろう?
中国に起源を持たない日本の文化には何があるのか?

まえに知り合いの中国人にきいたら、「寿司、相撲、カワイイ文化、化粧」をあげていた。
このほかにも、日本固有の文化には「畳」がある。
くわしいことは日本畳振興会のホームページを見てほしい。

中国伝来のものが多いなかで、畳は日本固有の敷物。その歴史は「菅畳八重」「皮畳八重」などの記述がある古事記にまでさかのぼります。

畳の歴史

 

畳は中国語で「榻榻米」と言う。
でも発音は「Tàtàmǐ」だったというオチ。
*ほかにも「草垫」という言葉がある。

中国に起源を持たない日本文化はこれだけじゃない。
このたび、世界に認められた日本独自の文化があるのだ。
これからそれを紹介しよう。

 

「畳は、世界に類がない日本固有の文化である。」とウィキペディアも太鼓判をおす。

 

世界三大夕日といえば、マニラ・バリ・釧路。
世界三大夜景といえば、香港・ナポリ・函館。
世界三大宗教空間といえば、サン・ピエトロ大聖堂・パルテノン神殿・法隆寺。

そして世界三大陵墓といえば、クフ王のピラミッドと始皇帝陵と仁徳天皇陵古墳(大山陵古墳)だ。
*こういう「世界三大なんちゃら」は判断する人の主観に左右されるから、すべてがすべて同じではない。
興味のある人は「世界三大一覧」をどうぞ。
あと「大山」は「おおやま」じゃなくて「だいせん」ですよ。

仁徳(にんとく)陵古墳はとにかくでかい。
ピラミッドや秦の始皇帝の墓に匹敵するというから、その大きさはハンパない。
これをふくめた大阪の「百舌鳥・古市古墳群(4~5世紀につくられた49基の古墳)」が世界遺産に登録される見通しだ。

いまはユネスコが世界文化遺産への登録を勧告しただけだけど、6~7月に開かれる世界遺産委員会で間違いなく正式登録されるはず。
ならなかったら、脱いでもいい。

 

5世紀につくられたという日本最大の古墳・仁徳天皇陵
代表的な前方後円墳だけど、友人のアメリカ人いわく、「あれはきっと世界の秘密につながる鍵穴」。

 

古代日本のお墓の価値が世界的に認められたなんて胸熱。
読売新聞の社説(2019年5月18日)によれば、これらの遺跡には日本のオリジナル性が認められる。

これらは、東アジアの中で日本が独自の文化を形成した過程を裏付ける遺産である。

大阪の古墳群 古代の理解広げる世界遺産に

 

前方後円墳は日本独特の古墳形式で、弥生時代の墳墓から発展したといわれている。
中国由来ではない日本文化をさがすなら、中国の影響がほとんどなかった時代のものをさがさせばいい。
仁徳天皇陵がそのひとつ。
令和初の世界遺産として、本当にふさわしいものが選ばれた。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。