「日本は戦争で東南アジアを侵略したときに、とてもヒドイことをしましたよね?いま東南アジアの人たちは日本をどう思っているんですかね?」
やや不安気に聞く日本人の女の子に、「いまの人たちは戦争中に日本軍がしたことなんて気にしてないよー。」と答えた。
そもそもほとんどの人は80年前のことには興味がないし、当時なにがあったのかもよく知らない。
自分の経験からそんなことを言ったのだけど、前回書いたように、「日本軍の兵士にレイプされないよう、女の子が男性の格好をしたり髪を切ったりした」というマレーシア人やフィリピン人(と思われる)人たちの書き込みがあった。
人にはそれぞれ自分の意見があるから、個人の見方となると「それはその人による」で終了。
でも大事なことは東南アジア全体の日本への見方だ。
外務省がおこなった調査結果は信頼できるから、今回はそれを紹介しようと思う。
東南アジアの人たちはいま、日本についてどう思っているのか?
答えを先に書いてしまうけど、日本への友好や信頼の気持ちはハンパなかった。
日本と東南アジアについて、「侵略」「進出」「植民地」「占領」を連想する人はけっこう多い。
平成29年に、下のASEAN10カ国を対象に「日本についてどう思うか?」という世論調査をおこなった。
「ブルネイ,カンボジア,インドネシア,ラオス,マレーシア,ミャンマー,フィリピン,シンガポール,タイ,ベトナム」
くわしいことは外務省のホームページを。
その結果、いま東南アジアの人たちは日本をこう考えていることがわかった。
日本とは「友好関係にある」と答えた人がASEAN全体で89%(前回調査75%)。
日本を「信頼できる」という人は91%(前回調査73%)。
日本に対して親しみや信頼を感じているアジア人はたくさんいて、現地での日本の評価や好感度はとても高い。
しかも、それぞれ前回より数値が高くなっている。
日本はもう始まっていたらしい。
「アジアの日本好き」にはいろいろな理由があるけど、いまの日本人として、戦後おこなってきた東南アジアへの支援はぜひ知ってほしい。
日本の対ASEAN支援について,日本政府の開発協力(ODAによる経済・技術協力等)が,対象者の住む国の開発に役立っているかという質問に,87%(前回調査84%)が「とても役立っている」又は「どちらかというと役立っている」と回答し,日本のASEAN諸国に対する貢献が評価されていることが確認できました。
日本が資金や技術を提供して、橋や学校、道路など生活で必要なものをつくってきた。
戦争で破壊されたアジアを修復してきた。
この50年間で、どの国(地域)がASEANの発展に貢献してきたと思うかという質問では、日本が55%でトップだった。
2位は中国の40%で、3位はアメリカの32%。
日本はぶっちぎり。
このことから分かるように、アジアの人たちがほしいのは反省や謝罪ではなくて、日本の支援だったのだ。
タイでも、
カンボジアでも、
ミャンマー(ラオスかも)でも、日本の支援は現地で感謝されていた。
くわしいことはこの記事を。
「日本は戦争で東南アジアを侵略したときに、とてもヒドイことをしましたよね?いま東南アジアの人たちは日本をどう思っているんですかね?」
結論として、そんなことはない。どんまい気にするな。
個人としては日本を嫌いな人がいるし、日本軍にレイプされないよう女の子が男の格好をしていたという話もある。
でも大事なことは、信じる前のファクトチェック。
確実な根拠があったときだけ、その話を信用しよう。
東南アジアを全体的にみれば、日本への友好や信頼の度合いは90%と圧倒的だ。
アジアは親日的と考えて間違いない。
おまけに書いとくと、平和の国・日本のイメージもアジアでは強い。
戦後70年の平和国家としての日本の歩みについてどう思うかという質問には、ASEAN全体で88%(前回調査82%)が評価すると回答している。
日本と東南アジアの関係について「侵略」「植民地」「占領」を連想するのもいいけど、戦後の日本がアジアでしてきたことやそれに対する現地の評価もしっかり知っておいてほしい。
80年前の“侵略”ではなくて、その後の支援がいまの関係を築いているのだから。
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