【日本が怒る理由】韓国はどの国際法に違反しているのか?

 

1965年の国交正常化以来、いまが最悪といわれる日韓関係。
きょねん10月、韓国の最高裁判所がいわゆる徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じる。
現在に続く最悪はこうしてはじまった。

その徴用工訴訟についてきのう、菅官房長官が「国際的違反」という言葉をくり返し使って韓国に是正を求めた。

「韓国に対し、国際法違反の状況の是正を求める立場に変わりはない」

「政府としては、韓国政府に対し、国際法違反の状態の是正を含む、具体的措置を早急に講じるよう強く求める立場に変わりない」

以上の言葉はFNNニュース(7/30)から。

菅氏「韓国に是正求める」 請求権協定の記録公表

 

韓国が国際法違反の状況を早く何とかしてほしいということは、日本政府がいままでに何度も言っている。
先月6月に韓国政府が提示した解決策も、「国際法違反の状態が是正されていない」と拒否した。
いまの韓国がそういう状態であることはいまの日本では常識になっていて、ネットでも「韓国は国際法を守らない!」という怒りの書き込みをよく見る。

それは当たっている。
まったくそのとおりなのだけど、では具体的に、韓国がどの国際法に違反しているのか?
今回はそれをお伝えしようと思いう。

答えを言うとすごく簡単で、韓国はウィーン条約の第26条と27条に違反しているのだ。

第二十六条(「合意は守られなければならない」) 効力を有するすべての条約は、当事国を拘束し、当事国は、これらの条約を誠実に履行しなければならない。

第二十七条(国内法と条約の遵守) 当事国は、条約の不履行を正当化する根拠として自国の国内法を援用することができない。この規則は、第四十六条の規定の適用を妨げるものではない。

参考までにこれが元の文章。

Article 26
Pacta sunt servanda
Every treaty in force is binding upon the parties to it and must be performed by them in good faith.

Article 27 Internal law and observance of treaties
A party may not invoke the provisions of its internal law as justification for its failure to perform a treaty. This rule is without prejudice to article 46.

原文を知りたかったら、ここをクリック。

ウィーン条約

 

近ごろ外務省が徴用工問題の解決を確認した日韓請求権協定(1965年に締結)の交渉記録の一部を公開した。
その記録には、韓国が国として日本からお金を受け取り、元徴用工など個人への支払いは韓国政府が行うと書いてある。

くわしいことはこの記事をどうぞ。

韓国の国内法で日韓請求権協定を否定することはできないのだ。

先ほどのFNNニュースはこれに関するもので、菅官房長官は議事録の公開について「対外的に正しい理解を求めるのは当然だ」と話す。

ウィーン条約の第26条に「これらの条約を誠実に履行しなければならない」、第27条に「当事国は、条約の不履行を正当化する根拠として自国の国内法を援用することができない」と明記されている。
だから韓国の最高裁が国内法を根拠に、1965年の日韓請求権協定を否定することはできないのだ。
2019年のいまになって、「歴史的正当性がない」とか「強要された和解だった」と言いだして協定をひっくり返すことは許されない。
そのことはこの記事をどうぞ。

韓国と日本で「真の和解」なんて不可能な理由

国際社会の一員として韓国がしなければいけないことは、支払いは韓国政府が行うという約束を守ること。

先月提示した「解決策」というのは、韓国政府は慰謝料を払わず、日本企業に肩代わりさせようというものだった。
これでは国際法違反の状態はまったく変わっていない。
日本が拒否するのも当たり前だっつーの。
韓国が国際法違反の状況を変えるかどうかについては、日本が妥協できる余地はない。
「具体的措置を早急に講じるよう強く求める」とくり返し韓国に訴えるしかないのだ。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

国 「目次」 ①

韓国 「目次」 ②

韓国 「目次」 ③

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。