タイは天国だ。
食べ物はおいしいし、豊かな自然も世界遺産級の遺跡もある。
人々はニコニコおだやかで(ただしテキトー)、「ほほえみの国」と呼ばれるタイで、前々から笑えないものがあった。
それは外国人料金。
なんでいまのタイにこんなものがあるのか?
隣のカンボジア・ラオス・ミャンマーに比べれば、タイはすごく発展していてリッチな国だ。
なのにタイでは、外国人にタイ人の2倍、3倍ときには10倍以上という料金を請求する観光施設や博物館などがある。
これは当然、外国人の受けが悪くて、特に欧米人が文句を言っていた。
ためしにネットで調べてみると、タイを旅行した日本人がターパイという有名な温泉に行ったら、タイ人の入場料20バーツ(2019年6月で約70円)に対して、外国人は400バーツ(約1380円)だったと怒りをこめて書いていた。
こんな料金を設定している国は他にもある。
外国人料金といえばインドが有名で、たとえばタージマハルでは現地の人の約38倍というアメージングな料金をとっていた。
でもインドはスーパー格差社会で、金持ちと貧しい人の差は地球とイカロスほどと言っていい。
*イカロスは地球から最も遠い恒星で、距離は144億光年。
外国人は金持ちに分類されるインド社会でなら、約38倍もやむなしと納得できる。
でもタイはちがう。
むかしは中国やベトナムにも外国人料金があった。
ボクが旅行した20年ほど前、外国人の鉄道運賃は中国人やベトナム人の2~3倍だったと思う。
でも当時の中国・ベトナムは貧しかったから、それも仕方ない。
それに両国とも社会が発展したら、外国人料金も自然となくなった。
なのに、東南アジアの経済大国タイはなんで20年前の中国やベトナムと同じことをしているのか?
これが解せぬ。
ただ、バス代や鉄道運賃についてはタイ人も外国人も同じだ。
それどころか生活困窮者のための無料バスに、外国人観光客も無料で乗せるという太っ腹なところもある。
この場合は、外国人からバス代をとるのが割に合わないか面倒くさいのだろう。
*いまもこのバスがあるかは知らない。
インドの首都デリーの様子
外国人からほほえみを奪っていたこの悪魔は、もうすぐ駆逐されるかもしれない。
タイランドイハイパーリンクスの記事(2019年8月6日)
タイ観光地の外国人料金廃止か?大臣が言及
あのピパット・ラチャキットプラカーン観光大臣(いや誰だよ)が外国人料金をなくすことをほのめかした。
でもこれは限定的で、スコータイ遺跡やアユタヤ遺跡のような有名観光地に限った話らしい。
まだ正式に決まったわけではないけど、今後タイ人と外国人の料金が同一になる光は見えた。
このニュースにネットの反応は?
・日本でも住民と住民以外で利用料金が違うのもあるから別にいいんじゃね
・アユタヤは別に高くないからいいけどね。
それよりもタクシーのぼったくりを規制してほしい
・むしろ日本は導入すべきでしょ
・タイで日本人の俺たちがチェックインしたあと、後ろに並んでた白人のバックパッカー達が俺らの3倍の宿泊料金取られてたよ
・ヨーロッパでも英語メニューを頼むと現地のメニューより高い値段が設定されていたりするし
外国人料金を認める人が多いような?
以前、タイの首都バンコクで日本人経営のゲストハウスに泊まったとき、オーナーの日本人から、外国人料金がタイの社会にあたえる悪影響について話を聞いた。
政府公認で外国人料金を設定しているから、国民も「外国人からは高い料金をとっていい」と思ってしまう。むしろそうしないと損した気分になる。
その結果、観光施設だけではなくて、ふつうのレストランや病院も当然のように外国人には別料金を設定してしまう。
外国人が経営する店でも外国人料金をとるところがあるらしい。
でも、発展したいまのタイにそんな料金制度は必要ない。
こんなものはタイの評判を落とすだけだ、というタイへの愛ゆえに、その日本人は外国人料金を早くなくすべきだと言っていた。
ちなみにそのゲストハウスは「ティールームゲストハウス」で、オーナーは田崎さんという人だったと思う。
とにかくこれにはボクも同感で、いまのタイに外国人料金はいらないとずっと思っていた。
ようやくそのときが来るかもしれない。
ピパット・ラチャキットプラカーン観光大臣には全力でがんばってほしい。
先ほどのデリーと同じころのバンコクの様子。
こちらの記事もどうですか?
訪日外国人は「お通し」をどう思う?ぼったくり・日本の文化・・。
今はどうか分かりませんが、20年くらい前はロシアでも外国人料金がありましたね。
面白いのは、ロシアでの就労証明を持っていれば、外国人でもロシア人料金で施設や交通機関を利用できた事です。
基本的に外国人料金は西欧の人が取られるのですが、日本人にも適用されていました。
これは聞いた話なのですが、当時、日本人には割高で売って、中国人、韓国人には割引している土産物屋があったのですが、その理由は店の主人曰く「日本人は金持で気前が良いからぼったくっても買ってくれる。中国人、韓国人は貧乏でケチだから割引しないと買ってくれない」ということでした。
それを聞いた日本人は気分を良くしてつい、ぼったくり料金で土産物を買い込んでしまったとか(笑)
ロシアの話は初耳です。
貴重な話をありがとうございます。
やっぱりロシアでも日本人は「金持ち」に分類されていたのですね。
ベトナムやラオスが植民地だったころ、フランス領インドシナで日本人は「白人」に分類されていました。
お土産の話はいまの中国を見ると本当に昔話のように聞こえます。