アフリカ東部にタンザニアという国がある。
日本での知名度はラザニアには遠くおよばないけど、豊かな自然と動物の息づかいを感じられる素晴らしい国だ。
と、行ったことないのに言ってみる。
この地図では日本の向かいがタンザニア
いま日本でタンザニアが注目を浴びている。
2019年7月にタンザニア中央銀行が「独島の記念コイン」を発行したと、韓国メディアが報じたから。
「独島は韓国の領土」と書かれたコインが登場したということで、韓日で大きな話題となった。
中央銀行がしたことなら、タンザニア政府も関わっているのだろう。
この“吉報”を韓国KBSがニュースにして、全国紙の中央日報も記事(2019年09月16日)で伝えている。
KBS(韓国放送公社)は日本でいえばNHKで信頼性はとても高い。
その放送局がこう報じたのだ。
コインの表には英語で「韓国の領土」というフレーズと韓半島(朝鮮半島)の地図を刻印し、裏面にはタンザニアの国章の模様と共に額面3000シリング(約140円)と表記されている。タンザニアで法定通貨として認めるという意味だ。タンザニア中央銀行が発行した独島記念コインは、現在国内外で販売されている。
タンザニアで「独島は韓国の領土」記念コイン発行
「法定通貨として認める」ということは、現地で使用できることになる。
こうなると、タンザニアは竹島の韓国領有を公式に認めた、と受け止めることもできる。
だから韓国では、「タンザニアの中央銀行にありがたいと思う」といった感謝や“英断”を賞賛する声が集中した。
でも、韓国とは「パラレルワールド」にある日本では見方が逆転し、「日本政府は何をしているのか」「タンザニアに抗議すべきだ」非難が集中した。
さてこの報道の結果はというと、「そんな事実はない」といういつもの韓国的オチ。
KBSが報道した翌日(9月17日)、菅官房長官が会見で完全否定した。
「在タンザニアの日本大使館から直ちにタンザニア外務省に事実関係を確認したところ、先方からは、中央銀行含めタンザニア政府としてそのような記念コインを発行した事実はない。このように回答がありました。」
先ほどの韓国紙の記事を見ても、タンザニア中央銀行や政府の言葉がどこにも載っていない。
すべてが韓国発の伝聞だ。
“ウソ”をついているのは、日韓のどちらかはもう明らかだ。
でも今回のケースはタンザニア側を怒らせて、中央銀行は「悪意のある噂」と公式に否定した。
FNNプライムニュース(2019年9月19日)
「ソーシャルメディアで、2019年7月にタンザニア銀行が表側に独島を、裏側にタンザニアの紋章を描いた記念硬貨を発行したという噂が流れていますが、これは悪意のある噂で、根拠のないものであるということをはっきりさせて頂きたく存じます。また、そのような硬貨を造る会社とも一切契約していません」
実はヨーロッパ製!? 疑惑の韓国「タンザニア独島硬貨」を徹底調査 韓国の公共放送が大々的に報道…しかし驚きの事実が判明
タンザニア中央銀行が公開した声明
これをうけてFNNが韓国KBSにコメントを求めたところ、「いまのところ返答はない(9月19日時点)」という状態。
日本のマスコミがこんな報道をしたら大騒ぎになるけど、「反日愛国」要件なら、韓国では何とかなる。
KBSはきっとこのまま逃げ切る。
「独島の記念コイン」は韓国でも販売されて購入可能だ。
*このへんで今回のカラクリが見えてきた。
販売業者の豊山禾東(プンサンファドン)洋行は、日本もタンザニア政府も「独島コイン」を否定したことについてこう話す。
「正確なことは分からない」
「推測ではあるが、日本政府が『タンザニアが(自ら)独島記念コインを発行したのか』と聞いたため、『そうではない』と否認した可能性がある。発行の承認をしたかどうかを聞いていたらきちんと答えたはずだ」
上のコメントはレコードチャイナの記事(2019年9月19日)から。
タンザニア政府が「竹島は韓国領」コイン発行を否定?韓国関係者「日本の聞き方の問題かも」
コインの発行はタンザニア中央銀行の承認を得ていて韓国銀行も同じ回答をした、とこの業者は答えている。
ウソにウソを重ねて自分を追い込むスタイル。
事態がここまで進むと、当初怒っていた日本人の顔にも余裕の笑みが浮かぶ。
・韓国らしくていい話だ
・え、また?
「かも」って何だよバレなきゃ何やってもいいのかよ
・聞き方の問題ってどういうことだ
・コインじゃなく単にメダルとか子供銀行の類だな
・会社が逃亡してる時点で詰み
・タンザニア被害者じゃないかー
韓国側が「~が~と言った」と明言したあと、「そんなことは言っていない」とその当事者や周りから否定されて、慌てふためくのがいつもの劇団韓国。
それはいいのだけど(いや、よくないけど)、今回の韓国メディアの報道は日韓関係を悪化させて、さらにタンザニアも巻き込んだ。
「悪意のある噂」と声明を出さざるを得なかったタンザニアも日本も大迷惑でしかない。
「韓国のNHK」がこんなデタラメ報道をするのだから、あの国の報道は何を信じていいのかわからない。
ただ、こういうことがあったら、日本は「小さなことだから」と放っておいてはいけないということはよくわかった。
日本がきっちり調べて反論しないと、劇場での出来事か事実かわからなくなってしまう。
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