お笑い芸人の「人種差別発言」がいま大炎上している。
イベントのお笑いライブである芸人が「大坂なおみに必要なものは?」という質問に、「漂白剤。あの人日焼けしすぎやろ!」と答えた。
このとき会場の空気が変わったというけど、芸人がそれに気づいたかどうか。
その場の空気が感じ取れない芸人はダメだろう。
それ以前に、2019年に生きていてこの発言はありえない。
「本当に申し訳ありませんでした。笑いと履き違えた、最低な発言であったと今更ながら後悔しています。」とあとで本人は平謝りだけど、世間が許すかどうか。
事後の後悔より事前の教育が大事だ。
「大坂なおみに必要なものは?漂白剤!」という人種差別的発想に似たものは日本でも海外でもある。
20年ぐらい前、東南アジアのどっかの国を旅行していたとき、ホテルのテレビでこんな石鹸のCMを見た。
黒人男性がその石鹸で顔を洗ったあと、鏡を見ると自分が“白人”になっていた!
という、まったく笑えないし購買意欲もそそられないCMを見てしまった。
内容は違うけど、2017年にボディケア用品のダヴがそれと同じ発想のCMを公開して、人種差別の批判をうけて謝罪に追い込まれた。
ついでに言えば、「COOLEST MONKEY IN THE JUNGLE(ジャングルで一番クールな猿)」というプリントがされたパーカーを黒人の少年に着せたH&Mもきょねん大炎上した。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
H&MやダヴのCMが”人種差別”と批判・日本にも来た黒人奴隷。
ただ大坂なおみさんではなくて、松崎しげるさんだったらどうだろう?
人種問題がからんでないから、「あの人日焼けしすぎやろ!」はギリギリセーフかもしれない。
まあ知らんけど。
2017年の「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!大晦日年越しスペシャル!」で浜ちゃんが顔を黒く塗る「ブラックフェイス」をして、海外メディアから「人種差別だ!」と批判される出来事があった。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
浜ちゃんの”黒メーク騒動”。日本と欧米の人種差別意識の違い。
この話をアメリカ人にすると、「私にはまったく笑えない。政治家ならいくらバカにしてもいいけど、人種はダメ。絶対に触れてはいけない」という。
悪意がなくても、「別の人種になる」という発想はいまのアメリカではタブー。
そのアメリカ人の考えでは、ローマ法王を茶化すほうがずっとマシ。
だから政治家が「別人種」になると、過去にさかのぼって非難されることになる。
カナダのジャスティン・トルドー首相が2001年に行われた「アラビアンナイト」のパーティーに、ターバンを巻いた「アラジン」の仮装をして参加した。
顔を茶色に塗った写真(ブラウンフェイス)がいまになって拡散される。
Exclusive: Justin Trudeau wore brownface at 2001 ‘Arabian Nights’ party while he taught at a private school, Canada’s Liberal Party admits https://t.co/j3UobfYNIF
— TIME (@TIME) September 18, 2019
トルドー首相は10月21日に行われる選挙で再選を目指しているから、これは反対派によるリークだろう。
でもダメなものはダメ。
18年前のことでも、人種差別に時効はない。
トルドー首相は「あのようなことはすべきではなかった」と公式に謝罪した。
アメリカCNNニュース(2019.09.19)
認識が足りなかったことを認めて「本当に申し訳ない」と謝罪。問題の写真は人種差別に当たるとの認識を示し、当時は人種差別とは思わなかったと弁明した。
カナダ首相、2001年の仮装めぐり謝罪 顔を茶色に塗る
事後の後悔より事前の教育。
第三者はいろんな失敗を反面教師にさせてもらおう。
こちらの記事もいかがですか?
黒人奴隷の様子:アフリカ(セネガル)の負の世界遺産「ゴレ島」
アフリカの負の世界遺産(黒人奴隷):ガーナのケープ・コースト城
日本とエチオピアの関係・民族の文化「窓から悪霊」、「唇にお皿」
アフリカの旅(国)が、こんなにひどいなんて聞いてなかったから。
松崎しげるって…あら日サロでしょ
ツッコミ待ちか〜い
一般的な人種差別の定義は「特定の人種・民族・国籍・宗教を差別すること」ですが、個人的には民族・国籍・宗教差別も人種差別に含まれるのは少しどうかと思います。
そもそも、人種差別は「肌の色」で差別します。黒人差別が一番分かりやすい事例です。
確かに、日本でも国籍・宗教差別があるのは承知の上ですが、人種・民族差別に関しては、少し疑問を抱きます。
一昔前は欧米の人種差別の方がタチが悪いのですが、今はアジアの人種差別の方がタチが悪いかもしれません。
日本の人種差別は、中国・韓国に対してのヘイトスピーチですが、殆どがネット上です。
リアルだと、政府間はともかく、民間はそれなりに良好です。
「人種差別はダメ!」という教えが抽象的すぎて、かえって、そんな意識があまりない日本人には分かりづらいのですよ。人種差別とは具体的にどういうことなのか? 率直に言うと、それは「肌の色などの見た目によって人間を区別して認識すること」であり、特に肌の色が問題になります。このブログの記事の中で取り上げられているいくつかの出来事を見ても、そのことは明らかでしょう(記事中での例外は唯一つ、黒人少年の猿への例え話のみです)。
日本人は普段から「見た目」で人間をあからさまに差別するような行動を嫌う(内心はともかく)ので、めったにしません。そのことが余計に、人種差別という行動を日本人にとって分かりづらいものとしています。問題に出くわす度に、日本人は「人種差別って何だ?」という疑問にとらわれ、考え込んでしまうのです。
とにかく単純に考えるべきです。人種差別とは、この世界では、肌の色のことと考えて90%間違いありません。その点に不用意に言及することを注意して避けるべきなのです。
「日焼け」ということでしたのでね。
人種に触れなかったら大丈夫な気がします。
芸能界の上下関係という別問題になりますけど。
「漂白剤」の例は日本人の感覚で起きた事例で、日本人には最も分かりやすいと思います。
すぐに非難が殺到したのはそういう理由です。
それと差別と区別は違います。