10月1日から消費税が10%になった。
それは知っていたけど、そのことで「正義マンが現れるのでは?」と日本のスーパーやコンビニが恐れているというのは初耳だ。
そうした店で飲食物を買った場合、持ち帰るのなら8%だけど、店内で食べると10%になる。
そうすると「持ち帰りです」とレジで言って、イートインでそれを食べる人もきっと出てくる。
それを「イートイン脱税」と言い、そんな不正行為を許さず、店員に告げ口するような人物を「正義マン」と呼ぶらしい。
いちいちそんなことを言われたら店員も困るけど、これからは現実の問題になりそうだ。
テレ朝news(2019年10月1日)
ツイッターでは正義マンが増えると告げ口される店員さんも対応に困りそうだなどと心配の声も上がっていました。
「イートイン脱税」VS「正義マン」現場の店員困惑?
ネットの反応をみる限りでは、正義マンの正義を認める人はいない。
・ま、チクらんでも防犯カメラでわかるんだがw
・店員にしたら正義マンのが迷惑だわ
・本人に脱税行為だって言えばいいのでは?
・店員としてはどっちでもいいのに通報客の手前注意しに行かなあかんやろうな
・世の中ヒマな奴がいるんだなぁ…
言っていることとやっていることが違えば、たしかに「イートイン脱税」は成立する。
それを知っていても、ほとんどの人は見て見ぬふりをするはずだ。自分には関係ないし。
でも、この2%の誤差を許さない正義マンは、これから日本のあちこちで出現するだろう。
なかには意図的に「イートイン脱税」を見つけて、積極的に取り締まる正義の人もいるかもしれない。
言っていることは合ってるけど、これは一般常識の範囲外。
だからこんな正義は店側にとっては迷惑でしかない。
規則を厳格に当てはめる風紀委員のような人なら、小学生から大人までどこにでもいる。
それぐらいならいいけど、正義をおこなう自分が気持ち良くなってしまうと、一方的で独善的な正義マンになってしまう。
主張は間違っていないから、よけい存在が面倒くさい。
上の消費税の例は法を守るための正義だけど、逆の正義マンもいる。
2000年に北海道の有珠(うす)山が噴火したとき、ある動物愛護団体の会員がこんな暴走をした。
アニマルライツセンターの会員2人が住民に委任されたペットを連れ戻すため、無断で避難指定区域の胆振管内虻田町洞爺湖温泉町に入り、活動したのが発覚した。
この2人は「行政に働きかけても、動かないので、われわれが直接行動せざるをえなかった」と主張する。
これが正義マンだ。
「私の価値観こそ至高」と勝手に考えて、それを他人に押しつける迷惑な人間は世界中にいる。
今回の正義マンの話から、一切の肉を食べないヴィーガンのイギリス人が、同じヴィーガンのイギリス人を猛批判していたのを思い出した。
イギリスで大勢のヴィーガンがステーキ店に対して、肉食に反対する抗議活動をおこなう。
店の外でも迷惑なのに、彼らは店に侵入しやがった。
ステーキを食べている客に向かって、「それは暴力行為だ」「彼らは食べ物じゃない」と大声で叫んで食事をやめるよう訴える。
これがそのときの様子。
@brightonargus vegans invade West Street steak house #DxEBrighton #DxE #DirectActionEverywhere pic.twitter.com/dnou6y8qpD
— Selppa (@SelppaSelppa) November 24, 2018
ステーキを「死体」と呼び、「わたしたちの前で動物の死体を食べている」と言う声が聞こえる。
「行政に働きかけても、動かないので、われわれが直接行動せざるをえなかった」という日本人正義マンと発想は同じだ。
このあと警察がかけつけて、彼らが店から追い出されてこの騒動は終わったらしい。
動画に寄せられたコメントを見ると、「Vegan terrorists」(ヴィーガンのテロリスト)、「This movie shows the reasons why I hate (most of) the vegans.」(これだからヴィーガンが嫌いなんだ)という否定的なものがほとんど。
程度の差はあるけど、自分の価値観を”最優先されるべき正義”と考えて、他人に押しつける人間は日本にも海外にもいる。
そういう人はなくならないし、そんな正義マンとはいつかどこかで出会うと思って、心の準備をしておいたほうがいい。
さて、気になるのは「イートイン脱税」を取り締まる”消費税正義マン”だ。
彼らは本当に現れるのだろうか。
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