現代の元慰安婦と75年前の慰安婦、証言内容がまるで違う

 

知らなくて困ることはないけど、今週10月15日~21日は新聞週間で、ことしの標語は「新聞を開いて僕は世界を知った」という。
「おっ、マジか!」と食いついたネット情報が、あとから巧妙なデタラメだったことに気づいたことは何度もある。
新聞がこういう情報を流すとあとで自分が致命傷を負うから、新聞の情報はなんだかんだ言って信頼している。

さて最近、神奈川新聞にこんな記事(2019年10月06日)があった。

少女像巡る首長発言に抗議 元慰安婦、川崎で証言

「慰安婦の歴史を否定する言説がまかり通る中」、元慰安婦の韓国人女性が自らの被害を証言した。

記事によると、この女性は14歳のときに「2人組の男にトラックに押し込められ」、中国の慰安所に連れていかれた。
元慰安婦の女性は満場の聴衆にこう語った。

「1日で40、50人の相手をさせられ、耐えられずに自ら命を絶つ人もいた。拒否すれば軍人に刀で刺し殺された。慰安所は実際には死刑場のような所だった」と証言した。

 

いまの韓国では「人権意識の高まり」から、「慰安婦」ではなくて「日本軍性奴隷制度被害者」と呼ぶようになっているらしい。

これも「新聞を開いて僕は世界を知った」というのなら、その世界は真実でなければ意味がない。
信頼できる歴史の一次史料なら、その内容をそのまま信じることができる。
一次資料というのは、たとえばその出来事を経験した人が「そのとき・その場所」で証言したもののこと。

歴史資料の信頼性について、山本七平氏はこう書いている。

現代史ではこのほかに、生存する関係者への配慮や、政治・経済・外交上の要請から、資料に意識的な改変が加えられていない、という保証も必要である。(中略)現代史の中の一員としてその社会に生きている限り、人は、対人関係・対社会関係の完全な無視はむずかしい。従って、時勢への配慮とそのための意思的無意識的迎合があっても不思議ではない

「日本はなぜ敗れるのか 山本七平」

 

昔のことで記憶があいまいになるというより、現在の対人関係や利害などで証言を変える可能性がある。
だから、数十年後にまったく違う場所で得られた証言なら、それが事実とわかる根拠が必要だ。
でもこの記事を読んでも、事実を裏付ける作業がまったくない。

聞くのが辛い話ほど感情移入しやすいから、冷静に距離を置いたほうがいいのに、「時折苦しそうな表情を浮かべながら(証言した)」と記者は主観的な文章を書いている。
「被害女性の話を信用しないなんて人として失礼だ」と言うのなら、新聞報道として信頼に足る根拠を示すべき。
それをしないで被害感情を全面的に押し出していたら、新聞を開いても真実の世界はわからない。

いま慰安婦問題は日韓の重大な政治問題になっていて、この女性もそして「日本政府はきちんと反省し、公的な謝罪と賠償をしてほしい」、「安倍(晋三首相)に会いたい一心で来た。謝罪を直接求める。皆さんの力で会えるよう取りはからってほしい」と呼びかけている。
だったらなおのこと、証言内容が事実と確認できるものがほしい。

 

 

慰安婦問題についは信頼できる一次資料がある。
現在の対人関係や対社会関係とは完全に無関係で、「そのとき・その場」で作成された資料が残されている。
それが1944年にビルマのミッチーナにいた慰安婦の証言をまとめたアメリカ軍のレポート。(上の写真はそのときのもの)

その内容を見てみよう。

they had plenty of money with which to purchase desired articles. They were able to buy cloth, shoes, cigarettes, and cosmetics

While in Burma they amused themselves by participating in sports events with both officers and men, and attended picnics, entertainments, and social dinners. They had a phonograph and in the towns they were allowed to go shopping.

Japanese Prisoner of War Interrogation Report 49

 

慰安婦はたくさんのお金を持っていて、服・靴・タバコ・化粧品などを買うことができた。
さらに日本兵とスポーツ・イベントに参加したりピクニックに行ったりして楽しんでいた。

この内容はそのまま事実と思っていい。
当時の慰安婦の証言と、「1日で40、50人の相手をさせられ~拒否すれば軍人に刀で刺し殺された」という現代の元慰安婦の証言はまったく違う。

とはいえ上の資料は全体の中のほんの一部でしかないから、ぜひ他の一次資料を探してほしい。
それに「彼女たちは楽しんでいた」(they amused themselves)というのは米軍兵士の見方かその慰安婦の感想かは分からない。
家庭の貧しさや業者にだまされたことが理由で、なかば強制的に慰安婦になった女性もいただろう。
日本に法的な責任はないけど、道義的な責任の意味で小泉元首相や安倍首相がお詫びの言葉を表明して、韓国側もそれを受け入れた。
それで慰安婦問題は日韓両政府の間で解決を確認したのだけど、先ほどの神奈川新聞はこの大事な点を一切スルー。

新しい世界を読者に伝えるのが新聞の役割なら、ちゃんと事実の裏付けをする必要があるし、読む側も感情に流されないで客観的な根拠を確認してから信じることが大事になる。
でないと、いつまでも慰安婦問題におどらされてしまう。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。