東方礼儀の国が韓国(朝鮮)なら、日本は東方美食の国。
つい最近、「ミシュランガイド京都・大阪2020」が発売された。
そこで掲載されている京阪の三つ星料理店は全部で11軒、そのうち10軒は日本料理店だった。
そんなことを前回書いたので、くわしいことはこれをどうぞ。
このなかで京都の「菊乃井本店」「嵐山吉兆」「瓢亭」は11年連続の三つ星、大阪の「柏屋」「太庵」は10年連続で三つ星をキープしている。
日本の一流料理店にふさわしい結果だ。なんて上級国民みたいなことを言ってみた。
20年前に比べて日本の家電製品に勢いはなくなったけど、世界で日本料理の存在感は増している。
海外の国際空港で、寿司やラーメンを提供するレストランをよく見るようになった。
日本を旅行する外国人の目的には、「日本料理を死ぬほど食べる」ということがあるだろう。
だからこれから、外国人に日本料理の特徴を説明する機会がきっとくる。
いつかは突然やって来るから、いまその準備をしておこう。
日本料理の特徴はいろいろあるけど、ここでは「季節」を取り上げたい。
春夏秋冬は海外にもあるけど、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪と四季の移り変わりがはっきりしているのが日本という国。
豊かな四季は料理にも影響をあたえているのだ。
農林水産省のホームページでも和食の特徴として季節をあげている。
*和食と日本料理は厳密には違うのだけど、ここでは伝統的な日本の料理として同じにあつかう。
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴のひとつです。季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節感を楽しみます。
ということで、外国人に日本料理を説明するときは四季と関連付けよう。
そのさい、「食器は料理の着物だ」と言うときっと相手にわかりやすい。
「食器とは料理の着物で、それしだいで料理はマズくも美味しくもなる。」
そう言ったのはボクではなくて、日本料理界の巨匠で伝説の美食家・北大路 魯山人(明治16年 – 昭和34年)だから間違いない。
北大路 魯山人(マンガ「美味しんぼ」の海原雄山のモデルなった人物)
魯山人は日本料理での食器の重要性についてこう説明している。
衣裳が婦人の生命でありますならば、食器はお料理の生命であると言えましょう。食器の上等、下等も、分相応に考えなければなりませんが、大きさ、深さの形、いろどり等を料理に合わして調和を計ることを考える必要があります。つまり、食器は食物の容れものであると同時に、趣味のきものであるからであります。
「料理する心 (北大路 魯山人)」
夏は浴衣、冬は着物と日本人は季節によって着るものが違う。
(まあ基本的にそれは外国も同じだけど。)
2年前、新婚旅行で日本に来たイギリス人のカップルは泊まっていた旅館の女将から、「提供する料理も春夏秋冬で器を変えています」と聞いて、「これが日本の料理やおもてなしか!」と感動していた。
彼らの意見だと、イギリスでは季節と食器は関係ない。
大事なことは洗いやすさと落としても割れないかどうかだけ。
それとこれは冗談か本当か分からないけど、旅館で出されたファンシーな器をイギリスのレストランで出したら、きっと盗まれると言う。
日本料理には人々の正直さも関係あるかもしれない。
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