このまえ外国人(ロシア人、トルコ人、リトアニア人、タイ人)を連れて岐阜の馬籠宿へ行ってきた。
そのときのくわしい様子は別の記事で書くけど、江戸時代へタイムトリップできたことには基本みんな大満足。
特にロシア人とリトアニア人は、「うちの国はまっ平で山を見る機会がないから」ということで、展望台から眼下に広がる岐阜の山景色を楽しんでいた。
*「岐阜」の地名は中国の「岐山」にちなんで織田信長がつけたといわれる。
山々が連なる眺めは、ヨーロッパの平地の多い国から来た人にはたまらないと思う。
ここでの名物料理を聞かれたから、「おやき」と答えておいた。
でもおやきを食べた感想は「私の口には合わない」から「悪くはない(not bad)」で、残念ながら全体的には低評価。
山国にはおやきの他にも”虫料理”がある。
これを見て、「日本人は虫を食べるのか!」と外国人が驚く。
タイ人も虫を食べるから、「おいしそう」という感覚だったかも。
馬籠宿の次は、イオンのフードコートへ夕食を食べに行った。
このうちロシア人とトルコ人はすき家の牛丼をチョイス。
2人とも「きのこペペロンチーノ牛丼チーズおんたま Mix」を食す。
そのトルコ人はイスラーム教徒ではないけど豚肉は食べないから、豚肉のあるものは真っ先に選択肢から外される。
「いなごの甘露煮」もそうだけど、味以前にその国の食文化にはない食材を使ったものは、あえてチャレンジしない限りはリストに入らない。
中国で見たサソリとタツノオトシゴのフライ
食文化に合わない素材というのは、つまりこういうこと。
2人が「きのこペペロンチーノ牛丼チーズおんたま Mix」を選んだ決め手はチーズだった。
トルコ料理にもロシア料理にもチーズはよく使われていて2人ともチーズが大好きだし、チーズと牛肉の組み合わせも合うと思ったらしい。
個人的には、ご飯ものとチーズの組み合わせには違和感があるけど。
ただ、トルコ人にとってしめじを見たのは人生初で、豚肉のように見えるものもあって「これなに?豚じゃないよね、本当に大丈夫?」とあせる一幕もあった。
このときいた外国人に聞いたら、みんな日本の丼ものが好きと言う。
正確にいうと、みんなそれぞれにお気に入りがある。
「丼ものには本当にたくさんの種類があって驚きました」
「牛丼屋に行くと、よく新メニューがあります。日本人の発想や創造力はすごいですよ」
「ヴェジタリアン以外なら、自分の好きなものが見つかると思います」
そんなことを話す。
*お店にあるか知らないけど、「野菜丼」もクックパッドにはある。
そういえば知り合いのインド人も、インドから来た友人に「日本で絶対に食べるもの」としてなか卯の親子丼を熱烈に推していた。
ご飯に何かをのせたら完成するから、丼もののレパートリーの広さはもはや宇宙。
ボクも今回はじめて「きのこペペロンチーノ牛丼チーズおんたま Mix」なんてものを知ったけど、牛丼の変化のスピードにはついていけない。
最近はフルーツをのせたものも登場したし。
くわしいことはJタウンネットの記事(2019年11月01日)をどうぞ。
リンゴにキウイ、グレープフルーツも… 名古屋発「フルーツ丼」が斬新すぎる
このときの外国人も感心していたけど、食における日本人の探求力や創造力はすごいと思う。
中国にはない中華丼やインドにはないカレー丼をつくるし、西洋風にチーズをのせればヨーロッパ人やトルコ人でも抵抗なく食べることができる。
馬籠宿でおやきを選ぶときも、選択肢が多くて外国人が迷っていた。
いまある店のホームページを見たら、野沢菜、くるみ白あん、なす、しめじ、切り干し大根、きゃらふき、よもぎ小倉あんと、おやきの種類がミル・マスカラス並みにある。
ただ、おやきの味は完全に日本人向けだったと思う。
チーズを入れた”西洋風おやき”だったら、別の反応があったかも。
別の機会に香港人が、丼ものにはミニ、並盛、中盛、大盛、特盛といろんなサイズと値段があるところに日本人らしい配慮を感じると話していた。
インド人をココ壱番屋に連れて行ったら、辛さを12段階で選べると知って驚かれた。
「インド人もビックリ」とはまさにこのこと。
種類の多さには発想力と創造力、サイズには気配りと、丼ものには日本人の”らしさ”がよく表れている。
ただ、お寿司が大好きというドイツ人に海鮮丼をすすめたところ、「それはノーサンキュー」と拒否されたことがある。
そのドイツ人は南部の内陸部出身で、基本的に生魚を食べる習慣がない。
寿司ぐらいならいいけど、海鮮丼のように生魚が山盛りになっていると食欲がわかないらしい。
でも、そんな彼にも「お気に入りの丼」はきっとある。
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