イギリス人が驚いた日本の”女性蔑視”、「OL」に海外の目は?

 

日本を代表する料理といえば寿司。
海外ですっかり有名になったsushiだけど、「女性は寿司を握ることができない」とかん違いしている外国人は多いようだ。
くわしいことはこの記事を。

外国人が見た日本の“女性差別”:「女は寿司を握れない?」

今回はこの続き。
まわりの外国人から聞いた日本での女性差別・蔑視(のように見えるもの)について書いていこうと思う。

 

日本で英語を教えていたイギリス女性があるとき「この前、とても驚いてショックを受けた」と話してきた。
成人向けの英会話のレッスン中、日本人の生徒(おっさん)から「OL」という言葉が飛びだした。
そんな英語を聞いたことなかったから意味をたずねると、その日本人は「オフィス・レディーのことです」と言う。事もなげに。
そのイギリス人にとって「オフィス・レディー」という響きからは、女性を低く見るような男性中心のともて嫌なイメージがする。
日本ではOKかもしれないけど、イギリスではきっと女性への侮辱語や差別語になる。
自分がそう呼ばれたら、相手が上司でもその場で抗議するという。
*いまは日本でもテレビやラジオでOLは放送禁止・自粛用語に入っている。

そのときショックを受けたのは「OL」と聞いても、その場にいた日本人女性は誰も何も言わなかったこと。事もなげに座っている。
これが彼女には衝撃的な光景に映って何も言えなかった。

 

最近、日本に住むアメリカ人とイギリス人と話をしたときに、この話題をだしてみた。
そしたら、「それは完全な日本語で、欧米社会では通じない」と言われる。
じゃあ「女性社員」を英語でどう呼ぶかたずねたら、「office worker」と言うらしい。
職場で働く人間の呼び方に性別は不要、というのが欧米の考え方。
そういえば昔、「OL」という言葉を聞いて「終える」とかん違いしたアメリカ人がいた。
そんな単語はまったくの謎ワードだったから。

OLはBG(ビジネスガール)に代わる新しい呼び名を1963年に週刊誌「女性自身」が公募して、読者投票の結果からうまれた造語。
日本人だけの感覚で欧米人には関係ない。
くわしいことはここを。

OL

 

では、「OL」は海外でどう紹介されているのか?

英語版ウィキペディアの説明をみてみると、OLとは日本の会社でお茶を出したり事務的な仕事をする女性のことで、たいていの場合は昇進コースから外れているとある。
欧米の感覚では「女性蔑視的」なんだろう。

それとこれは知らなかったけど、日本のポップカルチャーの影響でこの言葉は中国や台湾、香港で使われている。

Due to some Japanese pop culture influence in China mainland, Taiwan and Hong Kong, the term is also in common usage there.

Office lady

このへんのアジア人は日本人と同じ感覚で、きっと深く意味を考えていないし気にしてもいない。
ただ、意味は日本と少し違うらしい。

 

それと日本でOLは女性マンガやアニメで、賢くて魅力的に描かれることも触れている。

OL stock characters are frequently found in josei manga and anime, often portrayed as attractive, clever, and wistful individuals bored with their jobs

 

その具体例に、「ショムニ」「おるちゅばんエビちゅ」「バブルガムクライシス TOKYO 2040」「OL進化論」なんかが挙げられている。
でもそうかといって、この言葉が欧米社会に受け入れられることはない。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。