思えばきょねん、高揚感というか万感の思いをもってこんな記事を書いたものだ。
慰安婦を“性奴隷”と言えなくなった韓国政府。日韓合意の成果。
韓国の歴史では、慰安婦女性は日本軍によって強制連行されて性暴行にあったとされている。
そんな日本軍の残酷性を強調するために、慰安婦ではなくて「(日本軍)性奴隷」と呼ぶことが一般的だ。
歴史というのは感情を抜きにして見る必要があるけど、韓国では根拠を抜きにして見る傾向がある。
「性奴隷説」に客観的な根拠はひとつもない。
だからそれは事実でも歴史でもない。
そういう言葉を広めて、否定しにくい空気をつくってはいけないし、日本人や真実もそれに負けてはいけない。
「性奴隷」という表現は世界に誤解をあたえるため、日本政府は苦々しく思っていた。
それで2015年に慰安婦合意を結んだとき、韓国側にこの言葉を使わないよう求める。
このとき韓国政府は「公式名称は『日本軍慰安婦被害者問題』のみ」と確認した。
だからこれから韓国は公の場で、「日本軍慰安婦被害者」と言うことになるわけだ。
これは間接的に、「性奴隷」と呼ぶのを禁止したのと同じ。
あとでそれを知った韓国側は大激怒。
ハンギョレ新聞の記事(2017-12-29)から、当時の韓国社会の空気がわかるだろう。
日本側「挺対協説得」「性奴隷の単語禁止」…ほとんどすべて聞き入れた韓国側
そうは言うけど、正しい方向に時代が進むことは間違いじゃない。
とにかく日本が韓国に、「性奴隷の単語禁止」を確認させたことはグッジョブだ。
それで先ほどの記事を書いたわけだ。
でも韓国は韓国だった。
約束することと守ることは別問題。
2018年に国連の女子差別撤廃委員会で、韓国の女性家族相(大臣)が慰安婦問題で「性奴隷」という表現を使う。
ええ~っと、これって合意違反ですよね?
日本はすぐに「『性奴隷』の表現は事実に反する。使うべきではない」と韓国側に抗議。
「日本として受け入れられず、極めて遺憾」と怒る日本に対して韓国は、「委員たちの立場を尊重する観点から性奴隷という表現を慰安婦という表現と共に並べた」とわけのわからない説明をする。
「まずやって、あとから理論をくっつける」というスタイルはまったく変わらない。
くわしいことはこの記事を。
「公式名称は『日本軍慰安婦被害者問題』のみ」と確認したのに、国連というこれ以上ない公式の場で「性奴隷」と言う。
でもこれはムン政権の韓国で、パククネ前政権だったら合意を守っていたはず。
慰安婦合意以降、パク政権は「性奴隷」という言葉を公式の場で一度も使っていなかったと思う
そんな約束破りを意識したのだろう。
外務省が「2019年外交青書」に発表したところ、韓国側がこれに猛反発。
「『性奴隷』という表現は事実に反するので使用してはならない」という部分と2015年の合意内容を改めて記載したら、「歴史わい曲」扱いを受けてしまった。
朝鮮日報の記事(2019/11/12)
日本側は「この点について、2015年12月の日韓合意を契機に韓国側とも確認して、合意でも一切(性奴隷という表現は)使われなかった」と述べた。(中略)日本が意図的に慰安婦問題を歪曲(わいきょく)しようとしているのではないかという指摘も出ている。
日本「慰安婦『性奴隷』表現使わないことを韓国とも確認した」
韓国に「性奴隷」と言えなくしたことは「日韓合意の成果」と思った。
でも、その約束がすぐ破られたことには心底あきれた。
そしていま、それを指摘されると「日本が意図的に慰安婦問題を歪曲しようとしているのではないか」と開き直る。
もうこれを読んでも、特に何も思わない。
慰安婦合意を実質的に破棄して請求権協定もひっくり返したあとに、日本へ謝罪と反省を要求する。
ここ最近、そんなデタラメを見せられたから、韓国と約束をするというのはそういうことなんだと思うようになった。
したからといって、守るわけではないのだ。
「それが隣国だから」と悟るのではなくて、嫌がられても何度も指摘し続けるべき。
それと妥協は禁物だ。
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