次のダライ・ラマの選定方法は輪廻と現金の“合わせ技”

 

「ダライ」とはモンゴル語で大海、「ラマ」はチベット語で僧や師を意味する。
その2つを合わせてダライ・ラマになる。
ダライ・ラマはチベット仏教の最高指導者(法王)で、その名は「大海のような広大な徳を持つ高僧」といった意味だ。

21世紀のいま、ダライ・ラマ14世はインスタグラムをやっておられる。
ご本人が投稿しているわけじゃないだろうけど。

 

インドに亡命中のダライ・ラマ14世はいま84歳ということで、次のダライ・ラマ(後継者)についての発言も多くなった。
チベット仏教ではダライ・ラマが亡くなると、その魂は別の肉体を帯びて生まれ変わると考えられている。
この輪廻転生について現在のチベット亡命政府は、「すべてのチベット人は心からダライ・ラマ制度と輪廻転生の存続を望んでいる」と述べた。

次のダライ・ラマも、誰かに生まれ変わってこの世に生まれてくることとなる。
そのことをめぐってチベット仏教の高僧による会議が行われて、中国の介入を拒絶する決議が採択された。
というのは以前、こんな問題があったから。

毎日新聞の記事(11/28)

チベット亡命政府と中国は1995年、ダライ・ラマに次ぐ高位活仏、パンチェン・ラマの後継選びでそれぞれ別の少年を選び対立。中国がダライ・ラマの認定した少年を連れ去った経緯があり、亡命政府が中国の介入を警戒する要因になっている。

ダライ・ラマ後継者選びの中国介入拒否 チベットが決議「輪廻転生の存続望む」

 

このニュースについて日本人の反応は?

・お前らも輪廻転生したらイケメンのモテモテ生活があるぞ
・どうやって生まれ代わってんの?
・金髪少女に転生するって言ってたやん
・俺が生まれ変わりだよ
・「君が生まれ変わりだ」っていわれたらどう断ればいいの?

 

さて次のダライ・ラマも生まれ変わってこの世に現れるのだけど、問題はどうやって本人と確認するかだ。
その方法に興味のある人はとてもたくさんいる。

 

 

ダライ・ラマが亡くなると、遺言や神降ろしによるお告げ、夢占いや奇跡などによって高僧たちが次のダライ・ラマが生まれる場所や特徴などを予言する。
次に捜索隊(と言っていいのか)が高僧の予言を手がかかりに、生まれ変わったダライ・ラマ法王を見つけ出す。
ダライ・ラマの化身であれば前世の記憶を持っている。
だから、生前に使っていた道具とそうでない道具を一度に見せて、ダライ・ラマの持ち物を正しく選んだりすると化身として認められるのだ。

くわしいことはここをクリック。

化身ラマの名跡「ダライ・ラマ」の継承

 

ダライ・ラマは紅茶花伝がお好きだから、これを手に取ってこんな笑顔を見せる子供がいたら、それがダライ・ラマ15世だ。

 

明治時代にチベットで生活していた日本人僧の川口慧海が、ダライ・ラマの選定方法についてこう記述している。

法王政府は法王がお逝れになって後一年も経たぬ中にその四つの寺へ命令を下し、どこに生れ変ったかこちらに来てよく判断しろとこういうてやると、その四ヵ寺の神下しの坊さんは皆出て来るです。で、その四人の神下しが自分の平生信ずるところの神を禱り下げて伺った上、法王は今度どこの方角に生れ変ったという事をいちいち言うですが、その言う神さんが別々ですから四人の言う事が区々になって違う事がある。

「チベット旅行記  (河口 慧海)」

 

神を自分の身体におろして、その神が語ったことばを重視している。
神によって言うことが違うと、複数の候補者がでてくる。
川口慧海の記録によると、そういう場合は「くじ」で次のダライ・ラマがきめられるという。

総理大臣ならびに大蔵、宮内などの各大臣や高僧が立会いもと、候補者の名前を書いたもの(たぶん紙か札)を黄金の入れ物にいれて封をして、7日間の祈祷をおこなう。
そのあと、大臣が目を閉じながら象牙の箸で一つを取り出して、そこに書いてあった名前の子供が次のダライ・ラマとなる。

ただ、不正も多かったという。
自分の子供がダライ・ラマになれば一生ぜいたくができるから、親などが高僧や大臣にワイロをわたしてわが子が選ばれるように裏工作をすることがよくあった。

だからダライ・ラマの選定方法は実際のところ、輪廻転生と現金の合わせ技だったのだろう。

 

おまけ

チベット仏教のお寺

 

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