2019年11月30日に、外国人(リトアニア人、ロシア人、タイ人、ベトナム人2人)とハイキングをしたから、今回はその様子書いていこうと思う。
きっかけはリトアニア人から、山登りをしたいという連絡があったことで、いまは富士山がきれいに見えるシーズンだからそれが見えるコースを考えた。
それで場所は富士山のすぐ南にある愛鷹山に決定。
ここからは上のような壮大な富士山を見ることができるのだ。
では出発。
高速道路を走行中、富士山が顔を出すと、車内で「おおっ」という声がして写真を撮り始める。
富士山はむかし、女性が登ることを禁止されていたことを話すとロシア人の女性が驚く。
山に女性が登れない理由がさっぱり分からないようだ。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
10時15分ごろ、愛鷹山の山神社駐車場へ到着。
この時間でほぼ満車状態だったから、あと15分遅れていたら停められなかったかもしれない。
もしここに行く予定のある人はご注意を。
これを見て、「日本の山にはどこにでもトリイ・ゲートがある!」とリトアニア人が言う。
山がご神体(神体山、霊峰)となるのは神道の基本の基本だから、それが山国・日本では当たり前。
主に神道において神が宿るとされる山岳信仰や神奈備(かむなび・神々が神留まる森林を抱く山)の山をいう。
それぞれの国で山を登る前に、山の神様や精霊などに無事を祈る習慣があるかどうか外国人にきいてみた。
彼らが知っている範囲では、リトアニア、ロシア、ベトナムではそんなことをしない。
タイでは事前に街のお寺で無事を祈ることはあるけど、山の入り口にそのための施設や建物はないという。
タイ人から「なんでこの鳥居は赤くないんですか?」と質問されたけど、鳥居は必ず朱色というきまりはない。
伏見稲荷大社のホームページでは「朱色は、魔力に対抗する色ともされていて、古代の宮殿や神社仏閣に多く用いられています」という説明がある。
邪悪な存在が神社という聖域に入ってこれないように、赤を塗るという発想は中国から来たのだろう。
ちなみに伏見稲荷大社では、赤は神の力の豊穣を示す色という。
ハイキングは全世界共通のレジャーで、やることや装備はどこも同じようなものだろうけど、日本についていえば山に入る行為だから神道とのつながりがある。
その点は日本独特だ。
これは駐車場のトイレの中
こんな山中の駐車場にまで、トイレットペーパーが準備されていることに外国人はビックリ。
こんなハイキング・コースを歩いているとき、杉の木のにおいがしてきて、「とてもいい香りがする」とロシア人がうれしそうに言う。
ロシアでは松の木が多いし、木と木の間隔も離れているから、同じ森林でもやっぱり日本とロシアでは違って見える。
ロシア全土の森林については分からないけど、ペテルブルグ市に住んでいるこの人の経験では、こんなに杉の木が密集した森は見たことがない。
「Weblio」の英和辞典をみると、杉の主な英訳として「sugi、cryptomeria japonica、japanese cedar、japan cedar」とあるから、日本の杉は海外のものとはどこか違うらしい。
クリスマスツリーが松の木なのは、単純にヨーロッパでは昔から松が多かったからという理由があると思う。
アメリカのクリスマスマーケット
登山をしているとこんなケルン(ケアン:cairn)と呼ばれる積み石を見る。
道案内(道しるべ)の意味だけど、そこで亡くなった人を埋葬して慰霊する目的で作られることもあった。
でも今回見たケルンは分岐点にはなかったから、ただの遊びやゲン担ぎではないかと思う。
こんな道を1時間ぐらい進んでいくと、いきなり世界が真っ白になる。
山を舐めていた。
11月30日でこんなふうになるなとは、まったく想像していなかった。
雪道を歩くなんて、まったく伝えていなかったから困ってないかと思ったけど、外国人はこの銀世界をよろこんでいた。
ロシア人が「最高のクリスマスの景色!」と言って、リトアニア人もそれに同意する。
ヨーロッパ人にとって、クリスマスとはこんなイメージらしい。
でもロシアやリトアニアでは冬になると雪が1~2mも積もるから、この景色が目新しいということはない。
この景色を見て、「下は冬で上は秋だな。このコントラストはおもしろい」とリトアニア人が言う。
タイ人とベトナム人に話をきいたら、母国では雪がふらないという。
でも以前ベトナムへ行ったとき、北部のサパというところでは雪がふると聞いたけど、このベトナム人2人の話では、降ったとしても年に1~2回でそれは例外だからカウントしない。
彼らの認識ではベトナムは雪のない国。
タイ人と1人のベトナム人はもう日本に数年住んでいるから、前にもこんな景色を見たことがある。
でも1人のベトナム人はことし3月に日本へ来たから、こんな雪景色を見たのは人生で初めてと言う。
「霜」もこのときはじめて見た。
南部のホーチミン市出身の彼は霜のついた葉っぱなんて見たことがない。
とても珍しかったようで、こんな写真を何枚も撮っていた。
ロシア人とリトアニア人と日本人のボクは素通りしたけど、東南アジアの人にとっては新鮮な風景だった。
彼ほどではないけど、タイ人ともう1人のベトナム人も雪化粧をほどこした森には感動していた。
思いっきり雪を見たり触ったりするために、日本旅行で北海道を選ぶタイ人やベトナム人は多いらしい。
リトアニアとロシアはタイやベトナムと違って、基本的に平原の国で山が少ない。
というか、2人の表現だと「うちの国に山はない」。
だから上のように、山間から海が見える景色はたまらないらしい。
ロシアにはカフカス山脈があるけど、ペテルブルグ(下の地図で北海道の最北端)からだと遠すぎる。
だから、もしハイキングをするならノルウェーに行くと言う。
ヨーロッパ人の2人がよろこんだのは雪景色ではなくてこんな眺望だった。
やっぱり東南アジアの人とは視点や感動ポイントが違う。
でもやっぱり、今回すべての外国人が口をそろえて「最高だった」と絶賛したのが夕日を浴びた赤富士。
これはベトナム人が撮った写真。
加工されているから実際はこれほど赤くはないけど、赤富士を見ることはできた。
日本で英語を教えていて現在は米国にいるアメリカ人にこの写真を見せたら、「本当に日本らしい自然ですね」と言う。
こんな風景を見られるのは世界で日本だけだ。
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