ハロウィンが近づくと仮装で白人になるために、高い付け鼻が販売される日本は人種に対してわりと鈍感だ。
*これは知り合いのアメリカ人が数年前、日本のディスカウントショップで見て驚いたこと。
ことしも付け鼻を売っていたかは分からない。
でも欧米でこれはNG。
特に人種差別に敏感なアメリカではタブーだ。
ことし9月にカナダのトルドー首相(白人)が18年前のパーティーでアラブ人にふんして、顔を茶色に塗っていたこと(ブラウンフェイス)がバレて公式に謝罪した。
Exclusive: Justin Trudeau wore brownface at 2001 ‘Arabian Nights’ party while he taught at a private school, Canada’s Liberal Party admits https://t.co/j3UobfYNIF
— TIME (@TIME) September 18, 2019
ターバンを巻いて「アラジン」の仮装をしていたらしい。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
ではこれはどうか?
*セーラームーンのキャラの肌を黒くして「黒人版セーラームーン」を描いたものの、「人種差別だ!」との批判が殺到して後に削除された。
Fighting evil by moonlight! pic.twitter.com/98QYnVLYlN
— kiki (@kikisshh) November 24, 2019
邪悪な敵と戦うのはいいとして、日本人の少女を黒人にしたことで物議をかもしている。
*ヒスパニック系のセーラームーンもいるらしい。右から二番目か?
このツイートに寄せられた批判をちょっとみてみよう。
「Found the racist :))」
レイシスト(人種差別主義者)を見つけた。
「Respect the character’s original skin colour.」
オリジナルキャラの肌の色を尊重しろ。
「I think the west shouldn’t touch Sailor Moon」
欧米はセーラームーンに触れるべきじゃないと思う。
「Im sry but, isnt this blackwashing?」
これ、ブラックウォッシングだよね?
「Stop the blackwashing」
ブラックウォッシングはやめろ。
白人が顔に色を塗るなどして異人種を演じることをホワイト・ウォッシュという。
トルドー首相が犯した”罪”もこれ。
ハリウッド映画でよくあったけど、人種差別批判があって最近は減った。
21世紀になってもなお、少数民族の俳優は映画出演の機会があまりない。黒人の役は黒人俳優が演じるようになってきているが、ホワイトウォッシングはそれ以外の人種に起こり続けている。
当然、ブラックウォッシングもまずい。
『ティファニーで朝食を』の中でイエローフェイスをして日本人を演じる白人俳優
ハリウッド映画の「攻殻機動隊」で日本人の草薙素子を白人女性のスカーレット・ヨハンソンが演じたときも、ホワイトウォッシング批判がでた。
人種を変えることに賛成する意見もあるけど、僕が見た限りではかなり少ない。
「Personally I like the change in race!」
「Strange but I like it. See? This is creative arts!」
日本人としてのボクの不満はまあ、「こんなゴツクすんなや」だけですわ。
セーラームーンの肌の色が変わって黒人やヒスパニックになってもいいけど、かわいらしさが消えたことには違和感しかない。
こんな威圧感じゃ、日本でキャラクター・グッズは絶対に売れないだろう。
欧米人のセンスだとこういう野生的な女性がカッコイイかもしれないけど、evilはむしろこいつらだと思う。
日本人の反応だったら、このツイートへの人種差別批判は少ないと思う。
草薙素子がホワイトウォッシングされたという批判は欧米での話で、日本人の間では世界的な女優が演じることをよろこぶ人は多かった。
人種が日本人でも、これに匹敵する日本の女優にだれがいるのか。
2016年、映画興行情報サイトのBOX Office Mojoが発表した「史上最も興業収益を上げた俳優・女優ランキング」で、第10位(女優では第1位)を獲得した。
日本人ならこんなことより、京都で活躍した芸者を描いた映画「SAYURI」(Memoirs of a Geisha)で、中国人の女優が主役を演じていたほうが気になるのでは?
今回の件も日本人的にはブラックウォッシングへの怒りよりも、かわいさが消されたことへの失望感のほうが大きいのでは?
人種差別問題ではなくて、「著作権は大丈夫なのか?」という法律面での問題を心配する人のほうが多い気がする。
いろんな意味で日本人は人種について、大らかで無邪気で鈍感だから。
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アフリカの旅(国)が、こんなにひどいなんて聞いてなかったから。
一番左のセーラージュピター(?)なんか、どう見ても男だよね。
白人、黒人、ヒスパニックがいるなら、一人くらい東洋人も入れてほしかったな。それこそ差別じゃないの。
でも東洋人のセーラームーンって、どうやって表現するのかな? 原画のまま? それともルーシィ・リューみたいに目を細くするのか?
人種の特徴をありのままに表現するのが、何で差別なのかな? 欧米人の考え方は奇妙だね。
確かに人種差別は日本人は疎いですね。 あえて言うなら中国と韓国? 人種というか民族になりますね。
kokonさんが書いてるとおりだと思います。
キャラたちがアフリカ・アラブ・ヒスパニック系なろうがどうでもいいです。
ただこんなゴツくてイカついセーラームーンキャラは嫌だーっ! これは敵側だと思います!
日本人のこういう「カワイイ」感性は世界のどこにもないんでしょうね。
わたしもセーラームーンはよく知らないので(?)ですが、ジュピターは中性化してますね。
これで騒ぐのが全体の中のどれぐらいか知りたいです。
ほとんどの人は無視じゃないですか?
ですよね。これは本家セーラームーンに倒される側のチームですよ。
カワイイは英語になっていますし、日本人のこの感性は特殊です。
世界のいろんな国が独自のセーラームーンを描いたら、その国の特徴が表れて面白いと思いますよ。
それはそれで批判されるかもしれませんが。